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未亡人になるということ2~夢か現実か~

2024年11月24日(日)
我が家の日曜日の午前11時は、自ら料理担当をしてくれるOTOさんが、お昼の用意をしてくれる為に2階のダイニングに上がってくる。

食材をいつものJack Wolfskinのリュックに入れて、トントンと階段を上る足音。…の、はずが
11時半、11時45分、12時、OTOさんの足音どころか、階下の猫が餌を貰って騒ぐ声や気配も感じない。なんとなく、嫌な予感で胸がザワザワする。
隣室の娘に「OTOさん、どうしたんだろう」と声をかける。多分、娘もザワザワしているのか、2人とも見に行くのがコワイ(わずかに、予感めいたものがあったようだ)

突然、思い切ったように階下に走る娘。そして、「おとーさーん、おとーさーん」と、泣き叫ぶ娘に
「ザワザワ」は、これだったかと、ある覚悟を持って私も階段を駆け下りる。
ナースの娘、華菜が泣きながら言う。
「もう助けてあげられないよ。冷たくなってる。
硬直も始まっている」
OTOさんは、ベッドから3歩程離れた場所で、眠ってっているような顔と体勢で、静かに横たわっていた。

数日前にOTOさんが作ってくれたブランチ
仕事行くのでやだな…と呟いた私を笑わせようと
たこさんウインナーがいっぱい!!

心臓がドキドキしつつ、OTOさんの為に最善を尽くさねばという気持ちが湧く。
「華菜、がんばろ!OTOさんの為に!」
救急119にTelするだけで、指が震えて押し間違えてしまう。救急車が、大きなサイレンを鳴らしながら近づいてくる。
「ねえ、これは現実なの?!」



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