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中国人スタッフにいろいろ色を聞いてみた

四季の配色。

春は桜や若草など芽吹いたばかりの淡く優しい自然。
夏は海や青空に力強く照りつける太陽。
秋は艶やかに色づく木々と黄金色の夕日。
冬は真っ白な雪とイベントの数々。

一般的な日本人が連想する四季の色を各三色までチョイスした場合、下記あたりが妥当ではないだろうか。

【春】桃・淡緑・水色
【夏】青・白・赤
【秋】橙・黄・赤
【冬】白・赤・緑

左側の色ほど重要度が高く、四季のイメージに直結しやすいメインの配色に使われやすい。そして中や右の色はメインカラーを引き立たせ、これもまた重要な役割を担っている。

というカラーリングの簡単な概念を、当時の中国現地スタッフにレクチャーした時のお話です。


国慶節+APEC上海=一ヶ月休み

2001年9月中旬に上海赴任生活が始まるも、事務所はカーペットが敷かれただけの空っぽの状態。10月1日からは国慶節連休に突入、そのまま10月17日から開催されるAPEC上海会議まで、上海中心部に交通規制がかかり、内装業者が事務所に入れない。

つまり実質1ヶ月以上業務がストップすることとなった。これには日本の部長もおかんむりだ。「大丈夫、あんたのせいじゃないから」そうですよね、と言いたい気持ちをグッとこらえる。

機材やデスクが無ければ実務トレーニングができない。かといって部長のおかんむりを尻目に時間を無駄にはできない。そこでデザインに関する座談会の定期開催を行うことにした。現地スタッフの「えー、休みじゃないんですか?」の声に、今度は私がおかんむりだ。


いろいろではなかった色

食品を取り扱うカタログ制作のため、季節に応じた配色が非常に重要になってくる。例えば、ひな祭り商品に黒をメインカラーに紫や黄色の配色だとどうだろう。アングラ感が強くなり、将来はスケバンに育ち上がること間違いなしだ。やはり桃・白・草色あたりが妥当なチョイスと思われる。

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そんな日本的な四季の配色が通じるのであろうか。いや、海もあれば紅葉もある、クリスマスという地球規模のイベントだってあるじゃないか。ということで、まずはみんなの思う四季の配色を聞いてみた。

その結果がこちら

【春】赤
【夏】赤
【秋】赤
【冬】赤

私が広島カープなら泣いて喜ぶ調査結果でした。


赤ですね

春って何色かな

「赤ですね」
「春節です」
「中国の新年です」
「真っ赤な飾りや爆竹で賑やかです」

春節飾り

そうか、春が新年なんだね、じゃあ夏は?

「赤ですね」
「太陽の赤です」
 海とかは?
「海がありません」(四川人)
「海は黄色いですからね」(上海人)

秋は?

「赤ですね」
「国慶節ですよ」
「中国国旗を飾ります」
 紅葉は?
「有りますよ」
 じゃあ赤だね

冬は?

「赤ですね」
「クリスマス!」
 雪は?
「降りません」(福建人)


……後日

部長、赤でした。
「は?」

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