花冷えのあとのあんかけうどん

「桜が満開の京都=人もいっぱい」ということで、沢山の人で賑わう春の京都で桜の写真が撮りたくて、マイナースポットに行くことに。

観光客に大人気の京都ですが、特に人気なのが桜と紅葉の時期です。
場所によっては人でぎゅうぎゅうで前に進むのもやっとということもあるほどです。

しかしながらどうにも人混みは苦手です。
そんなわたしはどうしても行きたい人気スポットは早朝に行き、それ以外の時間をマイナーなスポットに行くようにしています。

この日も朝6時頃には着物を着付けて東山にある人気スポットのインクラインへ。

インクラインの桜

早朝の寒い空気を身に纏いながら、桜と着物姿を撮影しました。
桜の時期はその年によりますが、この日はかなり寒く、着物1枚では震える寒さでした。
でも美しい桜を眺めていると少しずつ寒さが和らぐようでした。
それでも寒いけど…。

この後は人の少ない場所に桜を見に行き、最後にやってきたのが、京都南部、綴喜郡にある玉川堤。

訪れるのは初めてでしたが、着いた瞬間にここだ！とわかるほどたくさんの桜が咲いていました。
玉川という小さな川の両側にずらりと桜が立ち並ぶ光景は圧巻です。

朝は着物を着ていたわたしですが、途中で着物からワンピースに着替えていました。
ワンピースは楽チンなんですが、この日はとにかく寒い…。
ワンピースに軽いジャケットを羽織ったくらいでは足りません。

寒さに震えながらも、陽が傾き始め、夕陽に照らされる桜の美しさに息を飲みます。

ここで嬉しい出会いが！
桜並木を歩いていると見覚えのある人が！
近寄って声をかけるとなんと友人でした。

見頃のスポットに行くとたまにカメラ友だちに出会うので、嬉しくなります。
この日出会った友人はなんと2年ぶり！
コロナでなかなか自由に出かけられず、会う機会もありませんでしたが、久しぶりに会っても今までと変わらず、楽しく写真撮影ができました。

そんな友人は寒さを予見してか、防寒対策はバッチリ！
この季節は天気予報を見つつ、暖かい格好も準備しておくべきですね。

玉川堤の桜は本当に美しく、人もほとんどおらずゆっくりと桜を堪能することができました。
夕方が綺麗だと思ってやってきたのが大正解！
想像以上に美しい光景を見ることが出来ました。

玉川堤の桜

もう少し陽が沈むまで桜を見たい気持ちもありましたが、どうにも寒くてこれ以上は待てず。

日没を待たずして、この日の桜巡りは終了！

さて冷え切った体には温かいごはんが食べたい！
暖房を入れながら晩ごはんを食べるべく、車を走らせます。

たまたま思い至ったのが、10年近く前に行ったことのあるうどん屋さん。
すじカレーうどんが人気のお店です。
寒い体にカレーうどん。
最高じゃないか！と思いつつ到着。

暖簾をくぐると出汁のいい香りが漂います。

それほど広くない店内はたくさんのお客さんで賑わっていました。
すじカレーうどん！と思ってきたものの残念ながら、すでにすじが完売…。

後々知ったんですが、すじカレーうどんは人気ということもあり、お昼過ぎには売り切れることが多いようです。

頭の中がすじカレーうどんでいっぱいだったのでしょんぼりしながら、メニューに目を通します。

ここのお店安い！
かけうどんが300円、鍋焼きうどん700円、もちろん1,000円超えるメニューはありゃしない。
香川では当たり前かもしれませんが、ここは京都。
この価格で手打ちうどんが食べられるのはすごい…。

価格に驚きながらも何にするか迷っていると目が止まったのは季節限定メニュー。
「野菜あんかけうどん」。
冷え切った体にぴったりのメニューではないか。
鍋焼きうどんに後ろ髪をひかれつつ、野菜あんかけうどんを注文。

暖かい店内でほっこりしながら、おうどんを待ちます。
お店の中はほぼ満席。
みんな美味しそうにズルズルとおうどんをすすってます。

空腹の状態で料理を今か今かと待つこの時間も悪くない。

ほどなくして、ホコホコと湯気を立てておうどんが運ばれてきました。

野菜あんかけうどん

野菜がたっぷり入ったあんかけうどんにはすりおろした生姜がこんもり。
これは体が暖まりそう。

まずはお出汁を一口。
出汁の効いたあんかけのお出汁は上品で生姜が香ります。
うぅーん、美味い！
続いて麺をお箸で持ち上げると細めの麺がみょーんと伸びます。
食べる前からコシがあるのが伝わります。
店内で打たれた手打ち麺ということもあり、細麺ながらももちもちとコシがあり、あんかけがよく絡みます。

めちゃくちゃ美味しい！！！

くったりと煮込まれた野菜とあんかけとうどんを次々にほうばります。
冷え切った体が体の内側からポカポカと暖まっていくのを感じます。

これは間違いなくいい選択。
こんなに美味しいと思ったうどんは初めてかもしれない。

寒い時期特有の温かいものを食べると鼻水が出てくる現象と闘いながら、あっという間に完食。

食べ終わる頃には桜の寒さを忘れるほど暖まりました。
これはまた来るなと心に誓いながら店を後にして帰路につきました。

この時の誓いは無事果たされ、その後幾度となくお店に訪れています。
本当に美味しいし、安いし、家の近くにあればと何度思ったことか。

桜の思い出補正だけでなく、間違いなく美味しいお店です。
こうやって美しい景色とセットで記憶に残る幸せなごはんの時間がたまらなく愛しいのでした。

○今回のごはん
・手打ちうどん やまびこ寺田本店
　住所:〒610-0121 京都府城陽市寺田尺後１−１９
　定休日:月曜日