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あにまのえほん2「ぞうねずみのすてきなあさ」

ちきゅうの どこかが あさを むかえるとき

ぞうねずみの すむ アニマムンディの どこかも
あさに なります

ぞうねずみは あさ おきて
かおを あらって
あさごはんを たべて

ゆっくりと あさの こーひーを のんだら
はを みがいて

ざっしや しんぶんを よみます

テレグラフ かも しれません
ワシントン・ポストかも しれません
ニューヨーク・タイムズ かも しれません

あさひしんぶん よみうりしんぶん
ちゅうにちしんぶん だったら
さくしゃは とても よろこぶ でしょう

パソコンなんて ひらきません
スマホなんて でんわだけ

けれど だいたいの ただしいことは
わかっているし
わかることを いそぎません

すぐに やってくる しらせは
ただしくない ことも おおいし

ざっしや しんぶん なら そういう うそとか おもしろい ものと

おもしろくなくても ただしい ものとを ゆっくり わかるから なのです

ぞうねずみ には ともだちが います

だいじな ねずみの ほろほろねずみ

きょうの あさも ほろほろねずみは ぞうねずみの ところへ あそびに きました

「おはようございます ぞうねずみさん」
「おはよう ほろほろねずみくん」

ふたりは なかよく あいさつします

ほろほろねずみは スマホが だいすき

あたらしい いろいろなことを ぞうねずみに つたえてくれます

ときどきフォローフォローねずみに なって なやむ ほろほろねずみを

ぞうねずみは はなしを きくのです

「ぞうねずみさん わたしは たくさん フォローを しました けれど フォローバック してくれたのは ほんの すこし だけでした」

ほろほろねずみは ぽろぽろなみだを ながして いうものですから
ぞうねずみは やさしく つたえます

「きみは フォローしてほしいから その フォローとやらを するのかい」
「そうですよ フォロバ100も やってます みんな そうやって フォローしてほしいでしょ」

ほろほろねずみの こたえに
ぞうねずみは うーん と かんがえます
「そのフォローとやらは ほんとうに あいてを きづかう こと なのかい? なかまが いるのは すてきだけれど」
「いちおくフォローの ビーバーさんも いるんです わたしだって たくさん フォローが ほしいです」
「なんのために?」

なんのために? ほろほろねずみは ちょこんと くびを かしげて かんがえました

「しんらいの あかしが いまは フォローの かず だからでしょうか」

ほろほろねずみの こたえに ぞうねずみは ふむふむと かんがえます
「ぱっとみた すうじなんて かんたんに つくられたものかも しれないよ おかねで フォローの かずは えられるらしいからね そんな よくわからない なかまでもない フォローでも きみは やっぱり ほしいのかい?」
「うその フォローは いやですね」

ぞうねずみの ことばに ほろほろねずみは ぽつりと いいました

「そうなら きみが ほんとうに すきだと おもう あいてに すきを つたえたら いいんだよ わすれる ほんの しおり みたいな フォロー でなくて ほんとうに すきな あいてをね われわれが ほんとうに したしくできる あいては いちおくでは ないものね」

「いちおくフォローは かなわない ゆめですか」

ほろほろねずみは がっくり かたを おとしました
「とおい どこかの いちおくフォロー
は いなくても ぼくは きみの フォローは するよ いつでも」

ほろほろねずみは ぞうねずみの あたたかさに ほろほろと なきました

(2わ おしまい 3わ に つづく)


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