映画感想「ジョジョ・ラビット」
豊田市駅前のkitara映画館で観てきました。ナチスドイツ支配下の、ヒトラー・ユーゲントという、戦争やユダヤ人差別を当たり前と教えるための子ども組織に入っている男の子、ジョジョが主人公の、敗色が濃い戦争時のドイツを描いた映画です。
何が良かったかと言って、ジャンルは戦争映画になると思うのですが、敵と味方が戦う「戦場」のシーンはほとんど無く、いかにバカげた考えが、戦争のもとに美化されていたか、ということが、本当は優しい少年のジョジョが、ヒトラー・ユーゲントの組織の中では臆病者扱いされるところに集約されているところでした。
物語の中で、ジョジョは母親が隠していたユダヤ人の少女と出会い、だんだんと、教育のなかで教えられてきたユダヤ人というものがどれほど歪められた情報であったかを知ることになります。
この映画のクレジットが上がってきたときに、関わった人の名前が英語のひとと、たぶんドイツ語と思われる表記のひとがあって、イギリスやアメリカとドイツのひとびとが力を合わせて作ったんだな、ということが伺えました。
ナチスドイツの少年とユダヤ人の少女の交流を通して描かれる対話の大切さが、クレジットに出てきた英語圏のひとと、ドイツ語圏のひととが、映画を合作することによって培われたであろうことが推測されます。
戦後、英語圏とドイツ語圏のひととが和解できたからこその、この映画の誕生になったのだろうな、と感じました。
そんなことを考えさせてくれる、良い映画でした。