3年が過ぎ
2020年から伝染病が蔓延して3年経ち、この3年でいろんな風景を見て感じてきた。
目に見えないウィルスに怯えて、外出を控えたり、アルコールをあちこちに吹きかけて消毒し、マスクを年から年中つけたり。
ある時は、トイレットペーパーが買い占められて、ドラッグストアに行っても買えなかった。ある時は、電車の中で飲み物を飲んだりしながら、隣に座っている人と話していたら、斜めに座っていた老夫婦に、電車の中で会話をするなんて非常識だと咎められた。(ウィルスを飛ばすなという意味だったらしい)
県外ナンバーは、田舎に行けば行くほど嫌がられた。
目に見えないウィルスを恐れて、人間同士がお互いを疑りあうような日々。
最近、熊が山を降りて里山、あるいは、街中に現れるというニュースが目立つ。
山から降りてきた熊にショベルで威嚇したというニュースを読んで、違和感しか感じえなかった。
一体人間は何様なんだろうか。
例の伝染病は、まるで地球の主かのような顔して暮らす人間の傲慢さに、目に見えない小さきものから逆襲だったのではないのか。
熊も、ウィルスも、人も、地球を住処とする
共同体なのではないか。
目に見えざる存在をアルコールで一方的に毒扱いで消そうとするなんて。
日本は発酵文化に恩恵を被ってきて菌に支えられて生きてきた。
熊だって、山に住んでいる住人として、地球の生態系のバランスをとっている。
そういうことを感じて生きれば生きるほど
塩素系や石油系の洗剤は使えなくなってくる。除草剤や農薬、化学肥料なんて、人間の都合から生まれたものだろう。土の中の微生物たちの声は無視されている。
目に見えない存在も、虫も、動物たちも、
火も、風も、水も、土も、わたしたちも、なんら変わらない優劣のない生命の共同体だとわたしは思う。
隣にいる生命体を蹴落として、生き延びようとする『恐れ』ベースの生き方を選ぶのか?
それとも、各々の在り方を尊重しながら、真っ平なところで、全てに対し『信頼』在りきの生き方を選ぶのか?
この3年で人間は、何かを学んだのだろうか?