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今日はクライアント先での用事はなかったものの、オンラインでの打合せ数件。

来週も出張が入ったりと予定が詰まっているし、その先に始まるいくつかのことの準備も進めていかないといけない中で、クライアントワークだけではなく、自社の事業も、もうひとつの法人の事業も進めていきたい。

こうなってくると、仕事の優先順位の考え方が特に重要になってくる。

そういうときに使える有名な枠組みに「時間管理のマトリクス」がある。

「時間管理のマトリクス」と言われてもパッと思い浮かばなくても、重要度と緊急度を組み合わせたマトリクスと言われると、わかる人も多いかもしれない。

別の言い方をすると『7つの習慣』で紹介されているあのマトリクスだ。

このマトリクスの話しになると、必ず出るのが第2領域と呼ばれる「緊急ではないけど、重要」の重要さ。

この領域に分類される仕事は、重要だけど緊急ではないので、日々の忙しさにかまけているとなかなか着手できずに先延ばしになる。でも重要なものなので意識して実行しましょう、と言われる。

しかし、そうは言っても、現実的にはそう簡単にはいかないのも事実。

これは個人でも当てはまるけど、クライアント先にいっても、組織としても「わかっていながら」この領域に取り組めていないとなっているところは少なくない。

そうやって自分のことは置いておいて「なぜ第2領域に取り組むのが難しいのか?」と考える機会ができると、自分のダメさ加減を反省しているだけでは見えてこなかったことが見えてくる。

そこで見てきたことというのは、個人にしても、組織にしても、第2領域に取り組めていない根本的な理由は「心のどこかでは、実は重要だと思い切れていないから」なのではないかということ。

第2領域には、組織であれば比較的長期のプロジェクトや組織資源を蓄積するための取り組みが該当することが多いだろう。

個人であれば、自分の健康や新たに始める勉強などの生活関連(プライベート)のことが多く該当するはず。

そういう類の仕事やタスクを改めて冷静に見てみると「実のところ、そこまで重要だとは思い切れていない…」みたいなものがほとんどだったりする。

なぜなら、やっぱり人は目の前のこと、時間管理マトリクスでいうと緊急性の高い第1領域と第3領域が気になってしまうからだ。

では、どうすれば良いかというと、時間軸を先に伸ばして考えてみるのだ。

そのことは、以前にも書いた「シナリオプランニング思考」というか、「what if思考」と呼んでもよい考え方を応用する。

この記事にも書いたけど、What if...?とは「もし…したらどうなるだろうか」という訳をあてることができる表現で、好ましくないことを考えるときに使われることが多い。

その考え方を応用して、今の第2領域に入っているタスクを思い出し、

「もし、このタスクをやらなかったとすると、3年後(5年後、10年後でもいい)はどうなっているだろうか?」

と自分に問いかけ、考えてみる。

そうすると、本当に重要なものは未来においても重要だと思えるし、そうでないものは「実は、これ、なんとなく世の中で言われているから、やろうと思っていただけだったな」ということに気づくだろう。

第2領域に入っているにもかかわらず、できていない。だから頑張る、と思考をめぐらせて、努力をするというのも悪くはない。

ただ、何度もその反省のプロセスを繰り返しているとなると、そのまま頑張り続けるのではなく、一度立ち止まって「これ、自分にとって、本当に重要なんだろうか?」と問うことも一案だ。

時間にも体力にも制限がある中では、やるべきことを絞り込んでいかないと、現実的には第2領域になかなか手は回らない。

そんな時こそ、視点を未来に移して、「それは本当に重要なのか?」と自分に問うてみるのが良いだろう。

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Photo by Rainy Wong on Unsplash

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新井 宏征(『実践 シナリオ・プランニング』著者、株式会社スタイリッシュ・アイデア代表)
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