結婚したいって叫びたい
結婚する理由が見当たらない。
だからこそ、するんじゃないか?
遠距離恋愛。
一回り年上のフランス人の彼と、半年記念の次の日のこと。
本当は寄らずにそのまま帰る予定だったけど、変な夢のせいだ。
「この石鹸を使うと結婚できます。」
という、どこからどう見ても怪しい石鹸を有名人に勧められる夢から覚めた朝。
ハッとした。
私、ずっと
「この人と結婚したい!」って思っていたって。
なのに、自分の体裁、恐怖心、具体的に考えたときのあれこれ。
それら言うのが億劫になる理由を並べ立てて伝えないでいた。
吐き出されない結婚してみたいという可愛らしかった光は
私の腹の中で何ヶ月熟成にもなって、
いつしかグロテスクな塊となっていた。
永遠に溶けない雪が、日に日に降り積もって目前を覆っていくような恐ろしさ。
結婚したいとこんなに思う割に
私たちは穏便なカップルではない。
互いの心を何度も串刺しにし合い、
何度もダメになりかけながらここまできた。
夜毎、何度も目が覚めてうなされる日々を経たが、相手に心を注ぎながら本気本音で向かい合った結果
この3週間ほどで急激に私たちの関係性は良くなっていた。
そんな今朝の、このへんてこな夢である。
その前日、つまり昨日に私は
「いい子ちゃん辞めまぁす宣言記念日」
と題して
「言いたかったのに保身の為言えなかったあれこれに、もう制限をかけないぞ!」
という強い気持ちを周囲に、誰よりも自分に宣言していた。
高らかに一人宣言をしたら、ポロリとタガが外れていたようだ。
カッコつける自分の埃被った誇りを一掃し
体裁を気にせず、そのままに彼にぶつかっていく決意は、
その時生まれた。
最近、「100日後に〇〇する」というのが流行っているが、
私はそんなに待てないらしい。
今日思ったんだから、できれば今日。
できないなら明日やる。
じゃないとその間に死んだらどうすんだ!
そして、その晩あったはずのアポイントが先方の体調不良でなくなったことも味方し
(それがなくとも、ここまで来ると、仕事は後回し。生きることの軸で、あらゆる優先順位を決める。)
彼の家を再び跨ぐことにした。
つづく