12月に活躍する2人の主人公の違い
12月になりました。早いです。
2018年が終わろうとしている。早いです。
12月といえば。
大きな体、雪道に映える真っ赤な色、年末に子どものお宅を訪問する彼がいます。
何でしょうか。
そうですね。なまはげです。
まさしく次の年になろうとする大晦日の夜、男鹿市という秋田の一部の地域では、いたるところで子供が泣き叫びます。
彼らがやってくるからです。
なまはげとサンタクロースは似ていますが、ちょっと違います。
そのポイントを3つ紹介します。
①求める人材像
サンタクロースは基本的に良い子を探しています。
良い子にしていたらやってきて、プレゼントを渡してくれます。
それに比べてなまはげの口癖は「悪り子はいねが〜」です。
彼らは基本的に悪い子を探しています。泣く子なども探しているようです。
物好きですね。
②登場パフォーマンス
冬の秋田では、雪がしんしんと降り積もります。住宅街には都市のようなキラキラしたイルミネーションもあまりないし、とにかく寒いので、外は基本的に静かです。
そんななか、2人の登場の仕方はまったく異なります。
サンタクロースはこっそりとやってきます。子どもが寝ている間に気付かれないように来るので、会話することはありません。
その静けさはほとんど忍(シノビ)といっても過言ではありません。
かつて日本にいた忍者たちはきっと今みんなサンタクロースに転職したのではないかと推測しています。
一方でなまはげは、寝ていてもわかるほどの圧倒的音量の雄叫びをあげながらやってきます。
それはそれはすごいアピールです。
彼らは部屋のドアや窓をたたくこともあり、神々の登場にふさわしい地鳴りのような瞬間をつくりあげることができます。
わかりにくいので、数字で彼らを比較してみます。
サンタクロースは、まず気づかれません。
ということは、ささやきや木の葉の触れ合う音よりも小さい音量です。つまり20デシベル以下といえるでしょう。
一方のなまはげ先輩。カテゴリ分けするのであれば「極めて騒音」です。
犬の鳴き声や、大声による独唱が90デシベルと言われているので、生で聞くと声だけで恐ろしくて涙が出そうになるあの雄叫びは、100デシベルを超えているのではないでしょうか。
20デシベルと100デシベル。
なるほど、その差は歴然です。
うるさいほうがなまはげ、静かなほうがサンタクロースということになります。
③言語の違い
サンタクロースは今やほとんど全世界にいます。
したがって、日本語も英語もドイツ語もフィンランド語もすべてに精通しています。
しかもコミュニケーションをとらずとも、子どもたちの欲しいものはすべて把握済み。
もはや彼らに言語など必要ありません。
彼らの共通言語はラヴです。
一方のなまはげさん。
先ほどの動画を文字起こししてみます。
「いずねんにいっかい、やまからさどさおりでこねばな、なまけもの、まだわるいびょうきだはやればいげねがら、すっかりはらっていぐがらな」
「こごのえのさけなんとでばこえだば」
何を言っているのでしょうか?
大多数の日本人に伝わらないこの言語、秋田県民ならわかるのです。
そうです。秋田弁です。
サンタクロースは全世界との共通言語をもちますが、なまはげは一部の人間にしかわからない言語を使います。
ちなみに、秋田県出身の私は上京してから「なんか秋田弁しゃべって」と言われる機会が本当によくあるのですが、元から訛っていないので全く話せないのです。申し訳ないです。なので申し訳なさそうに「もどからなまってねがらなってもしゃべえねは」と謝罪します。
大喜びされます。
このように、サンタクロースとなまはげは似て非なるものです。
間違われやすい彼らですが、これを機に違いをしっかり覚えていただけると嬉しいです。
なまはげさん、ユネスコ文化遺産登録ほんとうにおめでとう!!
おわり
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