中国人の不満の矛先は「ゼロコロナ」ではなくて
こんなツイートを見ました。
ツイート文と動画の内容を総合すると、長距離トラックの運転手がトイレのためにトラックを降りたところ、防疫人員が7日間のホテル隔離(費用は自腹。1日75元≒1,500円)を運転手に命じ、運転手がキレまくった、という場面のようです。
……何を言っているかわからないと思いますが、いまの中国ではこういうことが起こります。
この地域では恐ろしいことに、長距離トラックの運転席のドアに封印のシールを貼り、運転手の乗り降りを制限していたようです。運転手がトイレを我慢できなくなって外に降りた時、このシールが破られたようです(これも恐ろしいことに、本来であればトイレは車内で済ますように言いつけられていたようです。それもえげつない話ですが、そもそもそれで荷下ろしとかの作業はどうしてたんだろう)。
輸送の帰り道でその破れたシールが防疫人員に見つかり、運転手は隔離を命じられたわけですが、さすがに納得のいかない運転手は隔離を言いつけてきた防疫人員に大演説を始めます。
自分は何回もPCR検査を受けていて陰性なのになんで隔離されなきゃならないんだ、こんなことで自腹の隔離なんて言われるんなら運転手なんてやってられない、と悲痛な叫び声をあげます。運転手の怒りはもっともだし、いたたまれない気分になります。
いっぽうで、その大演説の最後のほうに、運転手は興味深いことを言っています。動画に字幕をつけてくれているので、引用・翻訳してみましょう。
感情的になっていることもあり、その言葉の意図を正確に読み取ることは難しいかもしれませんが、運転手の怒りは「ゼロコロナ政策」そのものではなく、「理不尽な要求を言いつけてくる防疫人員」のほうに向いているように、僕には思えます。
この点、いまのゼロコロナと中国の人々の距離感を見るのにあたって、けっこう重要なことのように思うのです。
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