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小学校の先生に読んでもらいたい本【吃音の合理的配慮】
皆さん、こんにちは。
スタッタリングスタディ講師の阿部です。
当記事では、是非小学校の先生の読んでもらいたい吃音の本を紹介したいと思います。
それは、こちらの本です!
『吃音の合理的配慮』
著者:菊池良和、出版社:学苑社
”吃音ドクター”でお馴染み、九州大学 菊池先生がまとめられた本になります。
この本を小学校の先生方に読んでもらいたい理由は3つあります。
1. 小学生の頃の吃音への配慮は今後の人生に影響が大きい。
2. 吃音を知らない方でも深く理解してもらえる内容である。
3. 学校でどう配慮したらいいか具体的に解説されている。
小学生の頃の吃音体験はその後の人生に大きく影響を与える
私自身、8歳ごろ(小学3年生)に吃音のことを自覚しました。
きっかけは友達から「なんで阿部くんのしゃべり方って変なの?」
きっとその友達に悪気はなかったと思います。
単純に疑問に思ったことを聞いたでしょう。
しかし、そこから私は常に自分の話し方を気にし、人前で話すことに対して極度の緊張感と恐怖心を持っていました。
授業で当てられ、簡単な答えをどもって言えず、クラスの皆に笑われてしまった時は消えてなくなりたいようないたたまれない気持ちでした。
その感覚は中学生、高校生、社会人になっても残り、自分の中で整理がつき吃音を向き合えるようになったのはほんの最近のことです。
あの頃は、情報がありませんでした。
”吃音”という言葉自体、私も、親も、学校の先生も聞いたことすらなかったのでしょう。
しかし、今は違います。
本やインターネット、SNSで吃音の情報がたくさん発信されています。
もし、小学生の頃、吃音を自覚したあの頃にこの本に書いてあるような配慮を受けられていたら、私の考え方が変わり、人生の見え方が変わっていたかもしれません。
今小学生である子たち、これから小学生になる子たちには吃音をもっと前向きに捉えてほしい。
そのためには小学校の先生方にサポートいただくことがとても大切なのです。
吃音を知らない方でも深く理解してもらえる内容である。
先ほど”吃音の情報がたくさん発信されている”と書きました。
それは本当に有難いことで、〈吃音〉と検索すればいくらでも吃音に関する情報が出てきます。
でもその反面、信ぴょう性のある情報が埋もれてしまうことも確かです。
場合によっては逆効果になってしまう方法論まで出てきてしまう。
それは本当に危険です。。。
そういった中、この『吃音の合理的配慮』は、吃音ドクターで有名な菊池先生がこれまでの研究とご経験の中でまとめられた本です。
医学的に裏付けされた情報であり、さらにとっても読みやすい言葉で【どんな場面で子供たちが困っているのか?】【吃音の特徴ってどのようなものなのか?】を教えてくれています。
吃音当事者の私からしても、小学校の先生方がこの本の内容をしっかり知ってくれていたら、これほど心強いものはありません!
クラスや学年に吃音があるお子さんがいる先生にはまずこの本を読んでいただきたいです。
学校でどう配慮したらいいか具体的に解説されている。
「吃音への配慮が大切なのは分かったけど、どうすればいいの?」
多くの先生方が持たれる疑問だと思います。
そして、これがもっとも大切な所ですよね。
大丈夫です。この本には学校の先生方に実施していただきたい吃音への配慮が”具体的に”書かれています。
例えば、【音読への配慮】。
本の中にはこのように書かれています。
音読をした後に、吃音が出る出ないにかかわらず、先生が肯定的な反応をすることによって、自信をつけることです。音読の場面で自信がつけば、好循環が生まれ、音読の恐怖感を軽減することができます。
他にもかけ算の九九の配慮、からかいやいじめへの対策など、小学校の起こり得るシーンに対する具体的な対策方法が紹介されています。
一度「今までうちの学校ではこうだったから」ではなく、この本を信じ、吃音がある子供たちのために1つでも実践していただきたいです。
もし、当事者としての意見が必要であれば、お気軽に私までご連絡をいただけますと嬉しいです。私が持ちうる経験をお伝えいたします。
先生方がこの本を通じて吃音がある子供たちと楽しい最高の学校生活を送っていただけることを心より祈っています。
私なりに出来る活動として、スタッタリングスタディというオンライン塾を運営しています。
吃音があって学校の授業に苦手意識を持ってしまっているようなお子さんに、安心して学べる環境を提供することで、学ぶ楽しさを実感してもらえるような塾になっています。
小学校の先生方とも協力して学びの態勢を作っていくことを夢見ています。
スタッタリングスタディのオンライン授業概要
【対象者】
吃音を持つ小学3年生から6年生
【教科】
算数
【実施方法】
ZOOM(PCやスマホでZOOMが使用できる環境が必要となります。)
【料金】
1つの授業につき、一律1,500円(税込)
※料金内訳:プリント印刷代・プリント送付代・諸経費。
申し込み方法について
下記Pass Marketより概要の確認とチケット(授業)のお申し込みが出来ます。