小学校6年間ずっと一緒だった子の話

お盆ですね。だからといって親戚一同集まるわけでもなく、というか自宅から出ることもなく、相変わらずの昼夜逆転生活を送っています。

人生これでいいのだろうか?と思う日々。今日はちょっと暗い話、後味の悪いかもしれない話をします。

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僕は小学校6年間ずっと一緒に過ごしてきた同じマンションに住んでいる友達がいました。Aくんと呼ぶことにしましょう。

Aくんと仲良くなったきっかけは、お互い車が大好きだったというところです。彼は大人顔負けの知識量を持っていました。僕もいろいろなレースゲームをプレイしていて車に詳しい自信はあったのですが、彼には敵いませんでした。「こんなに車に詳しくて語れる奴いるんだ!すげー!」っていう感動みたいなものがありました。

今思えばAくんは「変わった子」でした。車好きな反面、男の子なら誰でも一度は興味を持つであろうもの(例えばポケモンとか、遊戯王・デュエマのようなTCGとか)を毛嫌いしてバカにしていたし、考え方もセンスもなんかマセているというか、子供っぽくないというか、ちょっと独特でした。でも絵はめちゃくちゃ上手かった。正直憧れでした。

そのせいかクラスの中でちょっと浮き気味というか、学年が上がれば上がるほど「あの子変な子だよね」と後ろ指をさされるような存在になっていました。

僕はそんなこと気にせずずっと遊んでいたし、朝は毎日一緒に登校していました。今思えば仲が良かったというより、少しホモホモしくも見えたかもしれません。本当に毎日一緒にいたので。事実「ずっと一緒にいてホモみたい、キモいよ」とクラスメイトに言われたこともあります。たしかにクラスの隅っこでずっと自由帳に絵を描きまくってる男2人、今考えたらまあ不気味だよな…。

ですが中学になると、部活や生徒会でそれぞれ生活時間もバラバラになってしまうため、自然と疎遠になるものです。Aくんは相変わらず独特な世界観を持っていて、ますます「変な奴」扱いでした。またホモ疑惑を向けられたくない、「変な奴」と一緒にされたくない、と思っていた僕はますますAくんと距離を置くようになりました。といっても当時の僕はカースト最底辺のオタクグループに属していたので、その中で傷の舐め合いをしていたのでした…。群れないと何もできないの典型ですね。

今考えると「変な奴」だったのは僕の方だったんだと思います。「俺は周りとは違う!」という厨二病特有の特別感を感じて周りを見下していたくせに、他人の目を気にしたり、仲間(という名の傷舐め役)を集めたり…。自分が孤高だったのではなくて、実は輪から外されていただけなんですよね。ダサすぎる。

その一方でAくんにはAくんの世界があった。彼はそれをずっと貫いていた。彼は「変な奴」なのではなく、真の意味で孤高だったのです。

その後中学を卒業し、お互いバラバラの高校へ進学しました。6年間ずっとべったりだった小学校時代と違い、中学校では学校の中ですら話すことはほとんどなかったですが、何故かAくんと他何人かとのLINEグループがあり、お互い高校に進学してもそこで会話していた記憶があります。バンドとか音楽の話をするグループだったかな。Aくんはベースをやっていて、当時の僕はドがつくほどのロキノン厨だったので、マイナーなバンドの話で盛り上がっていました。…まあそれも中学卒業から1年くらいでしたが。

16歳の秋、僕は長年住んでいたマンションから一軒家へ引っ越すことになりました。特にAくんに最後の挨拶をすることもなく、あっけなくお別れになりました。たまたま僕の引っ越した先が彼の高校の通学路にあって、家の前ですれ違って少し話したのが最後かな。そこからもう10年以上話していません。今どこで何をしているかも知りません。

しかしひょんなことからAくんはすでに結婚していることを知りました。「自分」というものを明確に持っていた彼は幸せを手にし、27になろうというのに未だに軸がブレブレの僕はいつまで経ってもフラフラした生活をしているのです。

思えば僕のパーソナリティ障害、他人依存はここが始まりだったのか、それとも元からその気質があったからこんな幼少期だったのか。

今となっては後の祭りですけどね。


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