新時代の教育に対する考え
小林和也 教職経験年数12年目
児童生徒の思考力の低下
現代の子どもたちには考える力が育っていなく、計算はものすごく早く正確にできるのにいざ文章問題となると何を問う問題なのかが把握できずできない!と言って諦める生徒が本当に多いと感じる。これからの教育には思考力の養成が必要不可欠である。
思考力の養成には、絵で解く算数数学の文章問題が適していると考える。思考力だけでなく読解力や表現力についても培えるので、これからの教育で活用していきたい。
金融や経済についての学習機会
義務教育が9年間ある中で経済にたいて学ぶのは、中学三年生の、公民で株式について学んだら税金について学んだりするのみでほとんどお金についての知識がないまま義務教育を終える。
今の子どもたちが高齢者と言われる頃は、年金がもらえるかどうかもわからず、老後は2000万円足りなくなると言われる時代。そんな時代を生き抜くためには経済に関する知識が必要である。義務教育の段階で金融リテラシーを高め、資産運用や経済への関心を高めていくべきではなかろうか。
教育の機会均等
都市部や教育が推進されている都道府県では教育の選択肢が多岐に渡りあるが、地方の自治体では、学校数が少なく、通える範囲で選ばなければならない。もし、その場の人間関係が崩れても、他の場所でやり直す事ができる。選択肢が多岐に渡れば、安心して過ごせる居場所も増え、穏やかな学校生活が送れる。オランダのように自由に教育が選べるようになれば個別最適な学びができるのではないだろうか。
teacherよりfacilitatorになる
我々教師は今まで知識や技術を教えてきた。しかし、これからの時代はICTの発達により知識がなくともすぐに調べられたり、技術がなくとも動画やサイトで調べれば真似できたりする時代となってきている。
また、教えられて学んだことよりも主体的に興味を持って学ぶ事で、深い学びにつながる機会も多くあるのだと思う。生徒が主体的に学ぶ事を意識する為には、教えるのではなく、導く事に重点を置いて授業を組み立てる必要があるのではないだろうか。
これからの教師はteacherではなくfacilitatorの役割が強くなる。どのようにして学ぶのかを導くfacilitator役として生徒の学び方を補助し、主体的にこれからの未来を切り拓いていく生徒が少しでも増えてくれたら、これからの日本は明るくなるのではないだろうか。
環境を整え、学び方を教えてあげれば子どもたちは勝手に成長していくのだろうと信じている。
家庭学習の根本的な見直し
昨年度から宿題をやめ、自発的に学習する環境作りをしているのですが、正直生徒は全然家で勉強しません。
毎週小テストを行い、そのテストの後に次の週の小テストと同じ問題を出してもやってくるのは10%ぐらい。
計算練習の宿題はやはりやりたくないのだろう。魅力的ではないな。と思いつつ今年度はこの方法で行っている最中である。
魅力的な家庭学習の手本としていたのがどんぐり倶楽部の絵で解く文章問題。
3年前に毎週行っていたが、150人を超える生徒の添削は1人では厳しく、ちゃんとした添削もできない状態であった。
泣く泣く今の計算練習型になっている訳だが、ただの計算練習は本当につまらないと思う。魅力ある家庭学習と、個への支援の両立は非常に難しい。
無意味な宿題を減らし、(計算ドリル、書き取りとかBノート)令和の時代に適応する宿題を考えていきたいものである。
おわりに
工藤勇一先生、坂本建一郎様にこのような機会をいただき大変感謝しております。いち公立中学校の教師だけでは、根本的な教育改革を行う事の困難さを日々感じています。僅かながら自分でできる事はないかと、方法論を学び、同じような志の先生方や保護者の方と対話を行っているところであります。
未来の子どもたちが笑顔で楽しく自分の人生を謳歌できるような学校にしていきたいと思っております。
同じ志の方々と繋がる機会を与えてくださりありがとうございます。
もしも可能であったら何かの形で、想いのシェアができるコミュニティがあると嬉しいです。