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競泳水着に魅せられて…

なんかAVみたいなタイトルでごめんなさい。

わざとです。

今年、パルフェットが一番力を入れた製品は間違いなく競泳水着です。

下着やビキニとは全く作り方が違うし、発想の仕方も異なる為、とにかく完成まで時間がかかる作業でした。

実際、競泳水着を作ろうとしたのは2年前から進めていて、生地やパターン、工場への交渉などが纏まるまで、本当に長かったんです…

今日はその苦労を少しだけここで愚痴ります。

まず競泳水着って、如何にカッコ良く、身体に沿うように作れるかが重要で、ステッチの入れ方ひとつとっても、とにかく無駄を省いた作りが基本です。生地の伸び率や性質も考慮しながらパターンを組まないとなんかカッコよく仕上がらないんです。何回も作っては0からやり直してを繰り返しました。

勿論うちが普通の競泳水着作っても意味がないのでデザインを落とし込む必要があるのですが、蛇足になるようなデザインは競泳水着の魅力を失わせてしまうので、中々いい案が出てきませんでした。

とにかくベースパターンが美しくなければ何も始まらないと割り切って、デザインとパターンを同時並行で進めるという下着ではやった事のない方法で進めていきました。デザインより先にパターン作るという意味不明な依頼…

パタンナーからしたらふざけるな、という案件ですよねw

生地探しも畑が違うと中々見つからなくて、東◯さんや帝◯さんに電凸して情報聞き出したりしました。後加工の工程やってくれるところも探しました。

全然関係ない話なんですが、日本の生地屋は全盛期の1割しか残っていません。全て外国にとって変わられてしまったんです。前はやってたけど今はもう作れない…そんな状況も聞きながら、鬱な気分になったり精神的にも辛い話が多かったです。

工場も、いつもお願いしている普通の水着工場に依頼してみたのですがなんか野暮ったくて。手は全然いい所なんです。めちゃくちゃ優秀な工場なんだけど、どうしても何かが違う。何とか納得のいく工場を探さないとと全国の縫製工場調べて、何件か現地まで見学にいったりしていく中で、今度は生産ロットの問題が出てくる訳です。

大手スポーツメーカーは大きなロットで発注するのが当たり前なので、最低ロットがめちゃくちゃ大きいんです。当然うちのような規模で発注出来るわけもなく、一旦は諦めかけてたんですよね…

そんな折に、デザインの神が私に降りてくる訳です。後のハイネックバインダーになる原型だったんですけど、降りてきちゃったら作らなきゃ意味が無いじゃないですか。だからもう一度探してみようと思い直してまた工場探しの旅に出ました。

設備的に小ロットにも対応できる競泳専門工場。交渉の末なんとか依頼を受けてくれたのですが、名だたるスポーツブランドを縫ってる工場に本当にうちの商品入れちゃっていいの?という謎の罪悪感にうなされながら契約したのを覚えてます。

仕様からパターン、生地、縫製全てが揃うまで2年かかりました。本当に長かった…でもその甲斐があって、今年ようやく納得のいく製品が出せて、多くの方に着て頂けたのは本当に報われたな、という思いです。

こんな製品の裏側、知らなくてもいいかも知れないけど、知る事でより手元の製品に価値を感じて頂けたら嬉しいです。

最後に、本当に愚痴言います。

気分が悪くなる人がいたらごめんなさい!
ここから先は敵意丸出しの文章なので興味のある人だけ読んでください。







当初ハイネックバインダーを発表したとき、こんな声が多く聞こえました。

こんなの競泳水着じゃない。

無駄な装飾が一切無い機能美こそ競泳水着の本質。

公式レギュレーション通らないじゃん。

そもそも競泳水着とは云々。

…正直、心から気分が悪かった。謎の固定観念持ってる人がこの界隈多いんだなと。創造力に欠けてるというか、とにかく自分がよしとする競泳水着以外異端!断じて認めない!という宗教じみた発想が気持ち悪かった。(2回目)

そんな事は百も承知でうちは新しい価値観としての競泳水着を作ったわけで。うちの着て競技出るって言われたらやめとき?って言うよ。そういう事じゃないんだ。うちは今まで下着も水着も常識のタガを外しながら再構築して衣装としての価値と独創性を追求してきました。競泳水着を作る上で私は2年かけて仕様も勉強して、生地屋探して工場口説きに1時間に1本くるかもわからない電車とバスを乗り継いで現地に行ってきたんだ。そもそもコンセプトの設計段階から君たちの大好きな普通の競泳水着を作ろうとは微塵も思ってないからね。デザインで遊ぶだけで、基本を抑えてないと思われるのが嫌で極力ベーシックな型を1着目で出したんですけどこれもレギュ通らないです。その時に騒がなかった人たちが一斉に云々言い出した時はああ、やっぱり来たかと思ったし、その程度の知識なのねwとしか思えなかったなあ・・・


ちゃんとセオリーを勉強して他メーカーが出してる競泳水着は十分に作れる知識を得たその上で、PHARFAITEなりの解釈で再構築した競泳水着なんで。生地から工場までまったくの0から交渉してようやく皆さんの手元に私の納得のいく製品を届けられるよう行動してきたんです。お部屋でキャッキャ言いながら画像漁ってる程度の表面的なウンチクごときに穢されるような陳腐な作り方はしてないですし、縮率計算も適当なワンピース水着と一緒にしないで欲しいです。

って言いたい気持ちを堪えつつ、価値観が違う人に情報共有するつもりもないし、お互いに良くないよねってことで、そういう発言をした人々は漏れなくブロックしてサヨナラしました。今まで脅迫まがいな写真DMで送られてきてもミュートすらしてなかったんですが、自分の努力を安易に軽率に否定された事だけは本当に我慢ならなかったのでこの件に関しては遠慮なくお掃除させて頂きました。

というお話でした。
普段はツイッターなんかで議論するつもりもないし、苦労話をしたところで商品の完成度には関係のないお話なので無駄なツイートはしていないのですが、たまには本音を書いてもいいかな?と思いnoteで愚痴りました。

あースッキリしたw





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鳴海ゆい(SALON D'ARTS)
Parfaite等のオリジナルブランドを展開するオンラインストア や自由が丘にある撮影スタジオSALON D'ARTSを運営する管理者のnoteです。製品の話題や情報や愚痴や猫の成長記録等、雑多に更新できればと思っています♪