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うつむきがちなおばあちゃんを元気にしたい! 孫が考案した斬新なセラピーとは?
この記事は、書籍『空海とソーシャルデザイン(仮)』(春秋社、出版日未定)第一章の先行公開です。書籍掲載時には変更となっている可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
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ソーシャルデザインってどんなもの?
前回の記事では例題とともに、「不信」から「信頼」へ、という発想の転換をご紹介しました。
さあ、この調子でいよいよ本題に入りましょう。さっそく第一問です。
第一問
うつむきがちなおばあちゃんを元気にしたい!
孫が考案した斬新なセラピーとは?
① 目隠しをして絶叫マシーンに乗った
② スーパーヒーローのコスプレで撮影会をした
③ 初恋の人を探し出してサプライズで再会させた
正解は...
「②スーパーヒーローのコスプレで撮影会をした」でした!
フランスで活躍する写真家のサシャ・ゴールドバーガーさんは、最近91歳になるフレデリカおばあちゃんの元気がないことを気にしていました。そこでおばあちゃんと一緒に始めてみたのが、スーパーヒーローのコスプレ撮影会です。「スーパーヒーローセラピー」として、greenz.jpでも2010年にご紹介しました。
もともとユーモアが大好きなおばあちゃんでしたが、この提案にはさすがに渋々だったそう。しかしSNSで公開された写真に「カッコイイ!」「こんなおばあちゃんになりたい!」という声が続々届くようになると、本来眠っていた”女優”魂に火が付きます。
やがて自らポーズを提案するようになるほどノリノリになり、気づけばうつ状態もすっかり吹き飛んでしまったのです。
「救う」から「一緒に遊ぶ」へ
このアイデアから学べることは、「救う」から「一緒に遊ぶ」へ、という発想の転換です。
誰かの困りごとを解決しようと思うとき、「かわいそう」という共感や同情が入り口となることも多いでしょう。その純粋な気持ちは素晴らしいのですが、「かわいそうな相手とそれを救う自分」という上下関係になってしまうと、本人にそのつもりはなくてもどこか上から目線になってしまうこともあるのかもしれません。
だからこそ、サシャさんが大切にしていたのは、自分の得意技を通じて、おばあちゃんと一緒に楽しく遊ぶことでした。撮影相手をノリノリにさせるサシャさんの「写真家」らしさと、ノリノリでポーズを撮るおばあちゃんの「女優」らしさ。そんなお互いの本来の自分らしさが奇跡的に出会ったことで、画期的な”スーパーヒーローセラピー”が誕生したのです。
ということは、もし孫もおばあちゃんも根っからの絶叫マシーン好きであれば、”絶叫マシーンセラピー”も成立するかもしれません。
ぜひご自身のおじいちゃんやおばあちゃんを思い浮かべながら、みなさんならではの「◯◯セラピー」を想像してみてください。
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