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みんなに不評な坂道を人気スポットにしたい! クラウドファンディングで世界中からの支持を集めたアイデアとは?
この記事は、書籍『空海とソーシャルデザイン(仮)』(春秋社、出版日未定)第一章の先行公開です。書籍掲載時には変更となっている可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
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関連イベント『空海とソーシャルデザイン 2019』を開催します!
早割は【3月17日(日)】まで◎
ソーシャルデザインってどんなもの?
前回の記事では第一問とともに、「救う」から「一緒に遊ぶ」へ、という発想の転換をご紹介しました。
つづいて第二問です。
第二問
みんなに不評な坂道を人気スポットにしたい!
クラウドファンディングで世界中からの支持を集めたアイデアとは?
① 坂の上からウォータースライダーで滑る!
② 坂の上から流しそうめんをする!
③ 坂の上にぴったりの坂ロックフェスを開く!
正解は...
「①坂の上からウォータースライダーで滑る!」でした!
都市の可能性にスポットを当てて、これまでなかった形で故郷ブリストルの魅力を世界に伝えたい。
そんな思いから、イギリス人アーティストのルーク・ジェラムさんが始めたのが、ブリストル市の中心部にある全長90メートルの坂道を、1日限定のウォータースライダーにしてしまうプロジェクト「パーク・アンド・スライド」です。greenz.jpでも2014年にご紹介しました。
実現するための資金80万円を集めるために、まずはクラウドファンディングで呼びかけたところ、「なんてクールなんだ!」「自分の街でもやってみたい!」という熱狂的なコメントとともに、あっというまに目標金額を達成。
360枚しかなかった滑走チケットには、予想を遥かに上回る約10万人の応募があり、イベント当日は65,000人もの人びとが詰めかける中、5歳から73歳までのラッキーな参加者たちは、思い思いのコスチュームで次々と滑走していきました。
「困難な条件」から「ユニークな魅力」へ
このアイデアから学べることは「困難な条件」から「ユニークな魅力」へ、という発想の転換です。
かつては景色のよい坂の上は人気物件でしたが、高齢化が進むに連れて暮らすには不便ということで敬遠されるようになってきています。しかし重力という自然の恩恵を活用するパーク・アンド・スライドを実現するには、当たり前ですが坂道は欠かせません。つまり、坂道のような所与の条件は、捉え方次第で“できない理由”にも、“できる理由”にもなるのです。
(日々の雪かきは大変とはいえ)雪という天からの恵みをいかしたさっぽろ雪まつりも、その最たる例といえるでしょう。
ぜひみなさんも地元の不便なところを思い浮かべながら、そこでしかできない遊びを想像してみてください。
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