思考力を養うためのライティング(上級) 1-1
別記事で書きましたが、思考力を養うことは英語を学ぶ上で重要です。そしてその傾向はこれからより一層高まることと思われます。
他方で、講師をしていてよく生徒さんが漏らすのが、「何を書いたら良いか分からない」という言葉です。よく英文添削のアプリや個別サービス、オンラインレッスンなどあるのですが、その大半は「添削」がメインであり、まずは生徒さんが書かないと始まらない、という点です。しかし例えばたまたま自分が興味があったり、専門的知識を有しているなどでない限り、例えば「環境問題について論じなさい」などと言われても、中々書くことが難しいと感じる人もいるでしょう。その上試験となれば時間制限もあるなか、心は焦れどアイデアは浮かばずという生徒さんも結構いらっしゃいます。生徒さんの年齢が低ければ低いほど「何を書いたら良いか分からない」という方の数は顕著です。経験や知識が年齢を重ねるにつれ増えると考えたら当然といえば当然のことかもしれません。
ではそういった、「何を書いたら良いか分からない」という方には添削以外にどういった指導が良いのでしょうか?
一つは英作文を行う前にトピックに関する情報を収集し、知識を得ることが重要です。トピックに関する知識もないまま書こうとしてもアイデアも思いつかなければ憶測に頼った中途半端な作文しか出来ない可能性があるからです。これにはトピックの内容に限らず、トピックに関する作文のレベルに見合った文法や単語の知識を身につけることも含まれます。
例えば「私もみんなも環境を考えてみます。」という文章を読んでどういう印象を受けるでしょうか?個人的には「環境」という単語以外は小学生が書いた文章のような印象を受けます。他方で、「私達は皆、環境について考える必要があります。」という文章だとどうでしょうか?最初の文よりも洗練された、中高生が書いた文章のようではないでしょうか?このように、単に単語を所々専門的な言い方に変える程度では逆に全体の文章のバランスが崩れてしまうことがあります。全体のバランスを整えるためにもキーワードとなる単語を散りばめるだけではなく、文章全体の文法レベルやトピックに見合った言い回しなどを使いこなすことが出来ると全体の印象がかなり見栄え良くなります。
もう一つは他の作文を参考にすることです。サンプル回答や他の生徒の回答を参照することで(コピーは厳禁ですけど)、「こういう書き方もあるのか」という参考になることがあります。自分よりも上手な書き方だけを参照するのではなく、簡単な作文をみて自分ならどう書き換えるかを考えて見るもの良いと思います。要は頭を使い、自分だったらどう書くか?を考えてみるだけでも参考になるはずです。
ということで、下に英作文のサンプルを用意しました。内容は上級にしては簡単な内容で書いてあります。まずはサンプル英作文がトピックの題材に合致しているかを確認し、自分だったらどう書くかを考えてみて下さい。