英作文・英文ライティングが苦手な日本人 ~克服のためには?~
近年英語の必要性は高まってきています。学校でも小学生から英語が導入されましたが、特に重点を置かれているのが実は英作文・ライティング。英検では3級から英作文が出題され、TOEFL、TOEIC、ILETSなどでもライティング項目が高得点の鍵となっています。
なぜライティングがここまで重要視されているのでしょうか?それはこれまでの知識詰め込み式教育法から段々と自分で考える思考能力が国際の場では必要だと認識されるようになったからではないでしょうか?
一昔前の英語教育と言えば単語や文法さえ暗記していれば試験でも高得点が取れていました。が、そういう試験で高得点を取った、所謂「出来る」人でも、いざ留学や仕事などで海外に行っても話せない、会話が続かないなどで苦労した人が多かったのです。そこで話せる技量を身につけるために今は会話力及び思考能力を伸ばす教育を重点的に行なっているところが多くなりました。
英会話については別途ご紹介したいと思いますが、ここではもう一つの思考力について書きたいと思います。
先程お話したとおり、一昔前は英語教育と言えば30~40人が座る教室で先生一人が必死になってしゃべっているのが普通でした。これは英語に限らずほぼ全ての科目に関しても同じだったと思います。オンラインでもそうですが、単に聞いてるだけだと眠くなっちゃうんですよね。私自身も子供の頃は15分過ぎたあたりからクラクラ眠くなった記憶が。。。
話が少しズレましたが、昔の教育は詰め込み式でした。生徒が疑問に思おうが分からなかろうが、授業はドンドン進んでいき、詰め込んだ知識のみでテストの結果が出る日々。先生に質問するというのも30人も40人もいるクラスの中ではかなり勇気が要る行為でした(ちなみに私が通っていた中学では1クラス50人くらいいました)。
当然そういう教育を受けていると自分で考えなくなるんです。先生に意見を述べるなんて積極性が大いにある子しか出来ず、しかも周りはそういう子を「変な子」という風に認識していたので、周りを気にする子はますます発言の機会を逃すことになっていました。といいつつ、この風潮はもしかしたら今もあまり変わっていないかもしれませんが。
その結果なのか、仕事や留学先の学校で、知識はあるのに話せない人が沢山いました。与えられた課題をこなすことは出来るのに、意見を述べるディスカッションやアドリブで対応しないといけない会話の場になると黙って相槌を打つのみ。私は英語圏留学や語学学校での講師経験がありますが、英語圏だと学校でも仕事でも自分の意見を上手に説明することを求められる場が沢山あるのですが、知識の記述は出来ても「なので自分はこう思う」という部分が書けない人をよく目にしてきました。英語圏での筆記は知識をひけらかす場ではなく意見を述べる場なので、英語がどんなに上手くても意見がきちんと述べられていなければ点数が稼げません。
意見を述べることはその前提に思考力がなければ出来ません。考える週間が身についていなければいけないのです。この思考力を養うのに作文、ライティング力はかなり有効です。そういう訳でどの英語の試験でも筆記、ライティングが出題されるようになったのではないかと思います。
また、意見をまとめるにはその土台となる情報も必要です。例えば近年の経済について知識がないのに経済に関するレポートが書ける人はいませんよね。意見のベースとなる情報収集もこれから必要なスキルになるでしょう。幸い今はほとんど何でもネットで情報が得られる時代です。情報元がちゃんとした機関や研究所である事を確認する必要はありますが、そこを踏まえれば昔のように文献を図書館に探しに行ったり買ったりする費用も手間も多少は低減される便利な時代になりました。
また知識は偏っていてはいけません。何の意見を述べるにしても、様々な可能性や意見を踏まえた上での意見でなければ説得力に欠けるからです。そのため、私は論文などを書く際には必ず相反する意見の文献を両方読み、それを参照しつつ書くようにしていました。時には自分の意見を纏める際に自分の意見とは反する論文を読んで意見が変わることもありました。でもそれでもいいのです。いろいろな視点からの情報や意見を踏まえた上で自分の意見を纏めることは知識の理解にも繋がり、また自分を成長させてくれる過程だと思います。一方の意見だけを寄せ集めて論文を書いても説得力がないのです。例え著者と意見が違っても、それはどの部分で、どういった所が自分としては納得できないのか?その理由は何か?といった項目を書き出すことで説得力のある文章になります。ですので、抵抗があっても自分の考えとは違う内容の文献も読んだ上で英作文を書くことを強くおすすめします。
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