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ボルネオ島サラワク州にある”the grand old lady”とマレーシア石油生産の歴史
マレーシアのボルネオ島、そのちょうど中間あたり、ブルネイに近い場所に、ミリという都市があります。
ミリの小高い丘の上にあるthe grand old lady
ここを目指して、サバ州コタキナバルからブルネイを抜けて、ミリに向かいました。
the grand old ladyとは?
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1910年12月1日にミリ油井の掘削に成功したのが、このgrand old ladyです。
マレーシアで初めてケーブル機会を使った油田なんです。
ミリの街が一望できるカナダの丘にあります。
20世紀、小さな漁村だったミリが、21世紀に近代的な街に発展したのは、このgrand old ladyのお陰でと言えるでしょう。
油田にold ladyという名はピンと来ませんが、大いなる母といった感じなのだそうですよ。
サラワクの石油産業が始まった場所でもあります。
62年間の石油生産の役目を終え、今はモニュメントが残ってます。
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隣にはシェルマレーシアとペトロナスがコラボした「石油博物館」もありますよ。
グランドオールドレディの隣には、石油産業に関する写真や情報を展示するペトロナス博物館があります。
シェルマレーシアとペトロナスのコラボレーションにより、博物館と情報センターが建設されました。 博物館の裏にある駐車場は、ミリの街を見るのに良い場所です。
ブキットテラガミンヤクからの眺めは、街全体のパノラマだけでなく、ミリとブルネイの国境、沖合の石油掘削装置、ルトン近くの製油所も見ることができるのでとても美しいですよ。
石油博物館
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old ladyの並びにこちんまり建っているのが、石油博物館です。
ペトロナスが建てた博物館ですが、なんと無料なんですよ。
あまり人が来ないのか、壊れてるものも多くありましたが、人がいないのでゆっくり見られますよ。
ペトロナスの博物館の良いところは、自分の手を使って体験できるスペースがあることです。
マレーシアの天然資源
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マレーシアは石油世界28位、天然ガス世界11位の資源を持つ国です。
教科書の輸出入で見かけるのは、天然ゴムくらいでしょうか。
実際、東京ガスが使用している天然ガスの多くは、マレーシアから輸出されているんですよ。
マレーシアで初めに石油生産を行っていたのはシェルでした。
しかし、当時マレーシアはマラヤ連邦てあり、石油生産のされていたサラワク州はマラヤ連邦には属していなかったのです。
イギリス領地だったサラワク州は、1963年、マラヤ連邦がマレーシアになる際に合併したのです。
それまでのマレーシア(マレー半島)では石油発掘は行われていませんでした。
マレーシア石油生産の歴史
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サラワク州ミリでは1910年から石油が生産されていましたが、先ほども書いた通り、この頃はまだマレーシアではありません。
国営石油会社のペトロナスが設立されたのは1974年でした。
ちなみに、隣国インドネシアのプルタミナの前身企業は1957年に誕生しているので、20年以上遅れた事になります。
なぜこんなに差があるのか、というと、インドネシアは1945年に独立しましたが、マレーシアの独立は1957年。更に石油生産が行われていたサラワク授業がマレーシアになったのは1963年と、18年も後だったからなのでしょうね。
さらに、この頃のマレーシアにとってはゴムや木材などの輸出を占める割合の方が圧倒的に大きかったのです。
マレーシアが石油生産に力を入れ始めたのは、1973年のオイルショック、同時にオフショアによる油田やガスの発見がきっかけでした。
ペトロナスの誕生
1974年、石油開発法(PDA)が議会を通過し、連邦や州に属する石油関連の権利がすべてペトロナスに委譲されることになったのは1944年でした。
会社法に基づき、財務省を出資者として設立したのがペトロナスなのです。
マレーシアを走っていると、必ず目に止まるのがペトロナスのガソリンスタンドです。
マレーシアではガソリンスタンドの事を「ペトロン」と呼ぶんですよ。
ペトロナスと言えば、ペトロナスツインタワーを思い浮かべる日どう多いのではないでしょうか。
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首都クアラルンプールに聳え立ち、20世紀に完成したビルとしては世界一を誇りました。
また、ペトロナスはF1の世界でも有名で、2010年からはメルセデスAMG F1のスポンサーでもあります。
ツインタワーの中にある、ペトロナス博物館の一角にもF1のコーナーがありますよ。
1日時間を使うつもりで行くのがおすすめです。