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パラグアイの世界遺産「ヘスース・デ・タバランゲのイエズス会伝道所群」

パラグアイと聞いてピンと来ない方もいるでしょう。
南米、アルゼンチンとブラジルに囲まれた小さな国。
そんなパラグアイにある世界遺産を訪れました。

パラグアイはどんな国?

南米にある小さな国、パラグアイ。
お隣、ブラジルとアルゼンチンが大きすぎる、とも言えますが、そんな広大な国に囲まれた南国です。

かつてはもっと広い領土を持っていたパラグアイですが、お隣ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイを敵にして戦ったパラグアイ戦争(3カ国同盟戦争)により1/4の領土を失いました。
この6年間に及ぶ戦争で、人口が約半数になってしまったほど痛手を負いました。
多くの男性が亡くなったため、男女の比率が1:4にまでなったそうです。

パラグアイも周辺国同様にスペイン領土だったため、スペイン語が公用語。
しかし、周りの国と比べると建物も人も違います。
先住民であるグアラニー族も多く暮らし、通貨単位はグアラニー。
グアラニー語も広く使われています。

アルゼンチンからバスでパラグアイの首都アスンシオンに入った時、アジアの香りがしました。

へ•スース•デ•タマランゲ

イエズス会の宣教師が先住民へキリスト教を布教をするために造られたのがこの遺跡群。
17世紀から18世紀のものです。

なぜこんな外れに、と思うほど今でも周りには何もなく、当時は自給自足の生活を送っていたそうです。

イエスズ会の力は大きく、スペインと、イエスズ会をバックにしたグアラニー族の二重社会があったほどでした。
他の国と違う空気感があったのは、このためなのが知れません。

しかし、この勢力を恐れたスペインは、1767年に宣教師たちを追放してしまいました。
その後、トリニダードの遺跡は数百年放置されていましたが、保存状態が良くて世界遺産に登録されています。

ラ・サンティシマ・トリニダード・デ・パラナは1706年に造られました。
修復作業が行われ、伝道施設群の中でも保存状態が良い遺跡です。
芸術的価値を評価された遺跡なんですよ。


先住民のグアラニーに楽器の文化をもたらしたことが分かる、楽器を持つ天使の絵。

この遺跡群の中でも最も大きい大聖堂に描かれています。

パラグアイといえば「アルパ」
ハープの小さい版ですが、一家に一台あり、夕方になると家族でアルパの演奏をしたり、聞いたりするのが日常なのだそうです。

母の趣味でなぜか実家にアルパがありますが、こんな楽器です。

こういった文化にも、この宗教施設から伝わった事が影響しているのかもしれないですね。

遺跡までの道のり

アスンシオンから南東に30knほどの、エンカルナシオンという町が拠点になります。

実はパラグアイの首都、アスンシオンから一度アルゼンチンに向かったのですが、ブエノスアイレスでこの遺跡の存在を知りました。
ブラジルを目指す予定でしたが、ここまで来て見逃すのは惜しい!
ルートを変更し、ブエノスアイレスからエンカルナシオンに戻りました。

とても小さな町ですが、バスターミナルのすぐ近くに日本人宿があります。
ちょうどセマナサンタの祝日前。
閉まっている店が多かったのですが、この宿には日本食のミニレストランがありました。
納豆定食
冷奴
とか、飢えていた日本のごはんが食べられましたよ。

遺跡へは、エンカルナシオンのバスターミナルから1時間くらい走ったと思います。
バスの運転手に遺跡に行きたい旨を伝えておいたので、「ここだよ」とおろしてもらいました。
道のど真ん中
なーんにもありません。
誰もおりません。

バスの乗客はこの外国人、どこにいくんだ?って顔をしていました。

言われた通り、大通りを曲がりひたすら歩くとちいさーな町が出てきました。
その町を更に進むと遺跡にたどり着きます。
一応通り沿いに看板は出ていましたよ。
セマナサンタだったので、店はどこも閉まっており閑散としてる印象しかありませんが。

町の外れに遺跡が見えてきました。
牛が放牧されているような人っこ1人いないのんびりした遺跡。
一応、ゲートはあり、入場料を支払って敷地内に入りました。

帰りも大通りまで歩いてひたすらバスを待ちます。
かなりバスの便が悪いので、時間がない場合はタクシーチャーターがおすすめです。
時間は余裕を持ちましょうね。
こんなところで野宿は危険ですから。
帰りにタクシーを拾おう、というのもよろしくありません。
タクシーは拾えないと思っていた方が良いでしょう。

理想郷として造られた小さな集落群「レドゥクシオン」なども周りたい場合、へ•スース•デ•タバランゲからは少し離れています。
ツアーを探すか、タクシーで行くのが良いでしょう。

パラグアイの国旗

そんなパラグアイの国旗がこちら。

国旗に使われている3色は赤白青で、それぞれ正義、平和、自由を表しているそうです。
独裁国家であった経緯や、スペイン領土だったことが関係しているのでしょうね。

そして中央に描かれているのがこちら。

よく見ると違います。
両方共パラグアイ国旗で、数少ない表と裏がある国旗を持つ国なのです。

上が裏側で、フリジア帽子(自由の帽子)とライオンが。
これは自由の解放の象徴なのだそうです。

下の表には国章が描かれているんですよ。


この遺跡はロバートデニーロ主演の「ミッション」の舞台にもなりました。

アカデミー賞も受賞しているんですよ。

パラグアイ唯一の世界遺産です。

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