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医療×アクションが邂逅するZOON最新作『BLACK SURGE』の”これまで”と”これから”を作画・丸山先生と編集長 鍛治が語る!

8月10日(土)にLINEマンガにて配信開始したSTUDIO ZOONオリジナル作品『BLACK SURGE』(ブラックサージ)。本インタビューでは、編集長の鍛治と、作画・丸山先生に、作品や縦読み漫画についてそれぞれの角度で語っていただきました!

『BLACK SURGE』はコチラ→https://app-manga.line.me/app/periodic/S144280?_appstore=0


(編集長・鍛治は)漫画業界にはなかなかいないタイプの人

鍛治 今日はよろしくお願いします。

丸山先生 こちらこそよろしくお願いします。

鍛治 最近、自転車は乗ってます?

丸山先生 この1年は一切乗っていないですよ(笑)。

鍛治 丸山さんはめちゃくちゃ自転車に乗る人なんです。暇さえあれば自転車に乗って、いろんなところに行ってましたよね。

丸山先生 今じゃタイヤも外してますからね。

鍛治 いや〜!僕からしたらほんとに信じられない!

丸山先生 当時の僕を知っていたらそう思いますよね(笑)。

鍛治 いつぐらいからの付き合いでしたっけ?

丸山先生 5年くらい経ってるんじゃないですかね。

鍛治 いや、ちょっと待ってくださいね……たしか、前のオフィスからの付き合いだったはずなんで……7、8年は経ってますね。

丸山先生 えっ、もうそんなに!(笑)早いものですね。

ーーそんなに前からの付き合いだったんですね!まず、丸山先生の経歴からお伺いできればと思います。

丸山先生 漫画家としては若い頃に読切はやってましたが、それ以降8、9年くらい漫画家のアシスタントをしていましたね。その後は、鍛治さんが元々所属していた部署で、ゲームアプリ内の漫画をずっと描いてましたね。

鍛治 そこで初めて一緒に仕事をし始めました。

丸山先生 でも鍛治さんとは、通路ですれ違った時に挨拶するぐらいで、最初はそこまで絡みがなかったんです。

鍛治 丸山さんが入ったタイミングは僕より後でしたっけ?

丸山先生 僕が入った時には、もう鍛治さんはいましたね。一緒に京都を目指した時が初めての濃い絡みでしたよ。

鍛治 あっ!あれか〜!

ーー「京都を目指す」ってどういうことですか?

丸山先生 自転車で京都に行こうっていう企画があって。みんなはちゃんとスポーツバイクとかで来てたんですけど。鍛治さんはめちゃくちゃ舐めてましたね。

鍛治 そうですね〜。

丸山先生 ママチャリで来て(笑)。

鍛治 (笑)

ーー結局、どこまで行けたんですか?

丸山先生 ママチャリで二子玉川から熱海までは行けましたね。熱海あたりで、鍛治さんの足がツっちゃって。

鍛治 めちゃくちゃ辛かったですもん。最後の坂が本当にやばかった。

丸山先生 そりゃあママチャリじゃしんどいですよ(笑)。

鍛治 懐かしい…。

ーー鍛治に対する第一印象はどうでしたか?

丸山先生 漫画業界にはなかなかいないタイプの人だなと思いましたね。

鍛治 マントヒヒ・ビンタ先生(『殺し屋中学生 〜HITMAN GIRL〜』作者)には散々言われたんでね(笑)。「絶対に交わることのないタイプ」って(笑)。

丸山先生 それは、わからなくはないですね(笑)。

『BLACK SURGE』はコチラ→https://app-manga.line.me/app/periodic/S144280?_appstore=0

「医療×アクション」という掛け算の作品がない印象だったので、これはチャレンジしたい

ーー早速なんですが、『BLACK SURGE』の見どころから聞いていければと思います。

丸山先生 そうですね。ずっと戦うシーンがある漫画ではあるんですけど、特徴と言ったらバトルのアツさと主人公のクールさの対比ですかね。

鍛治 原作を書かれた津田先生が現役の医師ということもあって、医療について忠実に描かれていてリアリティもありつつ、アクションはかなり見どころが多い内容になってます。
そして、なんといっても丸山さんの画力が本当にすごいんです!主人公の九条凪(くじょうなぎ)がめちゃくちゃかっこいい。これは絵でも楽しんでもらえたらと思ってます。

(主人公)九条凪

ーーいつ頃から作画に着手されたんですか?

丸山先生 2023年8月1日に描き始めたんですよ。丸1年経ちましたね。

鍛治 タイミングを見計らって、やっとリリースです!今の心境はどうですか?

丸山先生 1年前から作画を始めて、最近は縦読みのネームや作画に慣れてきて、もはや『BLACK SURGE』が日常になっていたので。「ようやく世に出る!やってきたことの成果がでるのか〜!」と楽しみにしながらも少し心配でもあります(笑)。ドキドキしてます。

鍛治 ちなみに連載は久しぶりですよね?

丸山先生 いえいえ!連載経験はないですよ(笑)。でも以前、鍛治さんと一緒にやっていた作品でも、今回みたいに脚本やキャラクターは用意してあって、それにネームをつけるっていう感じでアプリゲーム内漫画で関わったってくらいですかね?

鍛治 そうでしたね。

丸山先生 原作がついてる作画担当という仕事は前からやっていたので、今回も割とすんなり取り掛かれたなという感じでしたね。

ーーすごく海外っぽい絵柄だと思ったんですけど、これは意識していますか?

丸山先生 いや、元々こういう画風ですね。セリフが横読みになってるから、和製縦読み漫画と違った印象になってるんですかね?

鍛治 医療の専門用語とかが多い作品だから、セリフを横にした方が良いんじゃないかって提案したんですよ。

ーーなるほど。『BLACK SURGE』を制作するきっかけについて教えて下さい?

鍛治 丸山さんと縦読み漫画ど真ん中を攻めたいという気持ちが前からあったんです。それで丸山さんの圧倒的な画力を発揮するなら、アクション系が絶対ハマると思って。
それとは別軸で、医療系の縦読み漫画はあるけど、「医療×アクション」という掛け算の作品がこれまでにない印象だったので、これはチャレンジしたいなと。そこで、原作の津田さんに相談して『BLACK SURGE』が生まれたという感じです。

ーー原作の津田先生とはどこで知り合ったんですか?

鍛治 第5編集部の萩原さんの紹介ですね。

丸山先生 僕は、このタイミングで津田さんとはじめましてでした。

ーー原作作家さんがいる場合、どういった分業体制になるんでしょうか?

丸山先生 原作の津田さんが文字ベースの脚本を作ってくださるので、その後、僕がネーム、作画を担当するという流れです。

原作・津田先生とのタッグワークと背景作画の苦労

ーー少し話題を変えまして。登場人物の中で、どのキャラクターが好きですか?

丸山先生 最近みんなに愛着が出てきましたね。でもやっぱり主人公の凪ですね。

ーー凪の魅力は?

丸山先生 ニコニコしてると思いきや、急に暴力装置として人を殺しまくるというサイコパス性というか(笑)。なかなかに鬼畜なキャラクターで、描いてて楽しいですね。

鍛治 僕は14話に出てくる駒沢が好きですね。

丸山先生 まだ1回しか出てきてないじゃないですか(笑)。

鍛治 ああいうキャラすごく好きなんです。

丸山先生 みなさん!14話をぜひご覧ください!

鍛治 そうなんです。14話にめちゃくちゃかっこいいキャラクターが出てくるので。

丸山先生 この回、とにかく塗りが良いんですよね。

鍛治 いやいや!線画もほんとにすごいです。14話って特に何かが起きるわけでもなく、非常階段でただ喋っているだけなのに、線も色もキャラクターも全てがかっこいい。

『BLACK SURGE』はコチラ→https://app-manga.line.me/app/periodic/S144280?_appstore=0

ーー作画に関して質問なんですけど。脚本があるとはいえ、医療にまつわる専門的なシーンを描くのって結構難しくないですか?

丸山先生 専門用語には津田さんが注釈をつけていて、ある程度は迷わないようにしていただいてますね。MRIのような医療機器には、「こういう機械で、こういう用途に使います」とか「こういう手術をするので、こういう画像がモニターに写っています」というような細かいことまで指定してくださるので、描くときに迷子になってしまうことはあまりないですね。

鍛治 「医療」を扱うことって漫画家としてほぼないと思うんですけど、最初は抵抗とかありました?

丸山先生 いやいや、基本的に脚本をもらったら何でも描こうという気ではいたので!でも、病院の外観や内装、複雑な医療機器は大変そうだな〜と思ってました。

ーー丸山先生の作画に対して津田先生から意見をもらうことはあるのですか?

丸山先生 「絵はお任せします!」という感じなので、そんなに困ることなく作画させてもらっています。

鍛治 津田さんに線画を見せると「病院にこういう場所ある!」というレスポンスをもらうことがありますよね。

ーー15話までで一番苦労したシーンはありますか?

丸山先生 ヤクザ事務所は一番大変でしたね。人も多かったですしその時は全て手描きで書いていたので。

ーーヤクザ事務所はディティールが大変そうですね…。どうやって描いたんですか?

丸山先生 いろんな映画や資料を参考にして描きました。画角を変えるのが本当に大変で。「こっちの壁には何があったかな?」「上から見たらどんな部屋になるんだろう?」とか、都度立ち止まって、いろんな資料を見返すという時間が発生してしまって。苦労が絶えなかったシーンですね(笑)。

ーーそれが背景をCGにすることで解決したわけですね。背景CGに移行するきっかけは他にもあったんですか?

丸山先生 縦読み漫画だと背景CGが多い印象を受けていまして。それと、周りの人でも背景CGを使い始めた人が多くて、実際に見てみると「結構いいかも」と思いました。
背景ってほんとに大変なので、アシスタントさんにお願いしたりもするんですけど……人手の取り合いになっちゃうんですよね。
とにかく背景をCGにすることで、作業効率が上がりました。所要時間でいうと1/2以下になりましたね。最初は慣れる必要がありますけど、とても良いですよ。スタッフさんにも好評です。

(手描き背景)
(手描き背景)

「0から1」よりも「原作の良さをさらに増幅させる」方が得意

ーー縦読み漫画に対する印象を教えていただけますか?

丸山先生 実は鍛治さんに打診されるまで、縦読み漫画の存在を知らなかったんですよね。

ーーそうだったんですね!縦読み漫画を実際に作ってみてどう思われましたか?

丸山先生 横読みに慣れていたんで、やっぱり馴染むのには苦労しましたね。横読みだと、パッとページを開くと読めるので、目に入ってくる情報量を調整してコマのテンポを作りやすいんです。一方、縦読みは1コマ1コマが大きいので、テンポ作りが難しいなぁという印象です。

ーー縦読み漫画の良さはどこにあると思いますか?

丸山先生 圧倒的に「わかりやすさ」だと思います。1コマが大きいので、ユーザーが気持ちよく読めるんじゃないですかね。

ーー横読みだと、実は読み飛ばしてしまうコマもありますよね。

丸山先生 最近だと横読み漫画の読み方がわからない人もいるみたいですね。そう考えると、縦読み漫画コマの最大の強みは、視線誘導のシンプルさかなと思います。

僕もたまに電子だと、横読みでどこが一コマ目かわからなくなる時があるんですよね。僕らでもあるってことは、海外の方や漫画に馴染みのない若い読者だと余計に起こるだろうなと。

鍛治 すごくわかります。海外の方だとなおさら。

丸山先生 だから縦読み漫画では、読者がコマを見落とすことはないでしょうね。誰でも読めると思います。

ーーアクションジャンルだと縦読みと横読みの違いはありますか?

丸山先生 ほんの少しだけ描き方が変わるかな程度で、僕としてはそこまで変化はないかもですね。

鍛治 とはいえ、縦ならではの工夫をしてるシーンはありますよね。

丸山先生 場面転換をする時とかに、長いコマを使うことはありますね。カメラが上から下に角度を変えていくなど、そういう演出はしやすいですね。
あと、最初の方はコマが大きかったけど、最近コマを小さくしていってますね。

ーーそれはどうしてですか?

丸山先生 コマが大きいとテンポが遅くなる気がしてて、コマを小さくしてテンポを上げてる感じですね。それが良いか悪いかはわからないんですけどね(笑)。

ーーこの前韓国に行ったんですけど、みなさん移動中などに縦読み漫画を読んでました。

丸山先生 日本国内だと読んでる人結構いるんですかね?

鍛治 いると思いますよ。増えている実感はありますね。電車の中でちらほら見かけます。ただ、横読みの読者層とは違うかもしれませんね。

ーー今後描いてみたい作品はありますか?

丸山先生 特にはないんですよね。だから、ある意味なんでも描こうと思えば描けます。

ーー「特にない」理由は、どういったところにあるんでしょうか?

丸山先生 漫画家は小さい時からなりたい職業だったんですけど、アシスタントや漫画を描く仕事を続けていきながら、自分発信で描きたいメッセージって特にないかもしれないと思い始めて。

なので今回みたいに原作があるのはすごくありがたいです! 逆に、原作を良く見せるというのはめちゃくちゃアイデアがあるんで、「0から1」というよりも「1からn」というように「今あるもの」から増幅させるのが得意ですね。

鍛治 ほんっとに丸山さんの画力に震えて欲しい!

ーーでは、最後に一言お願いします!

鍛治 現役医師の津田さんが書くリアリティ、丸山さんのとんでもない作画力。絵が綺麗だから何が起きているかすぐわかるし、女性も男性も楽しめると思います。スカッとしつつ、物語の根底にある1つの謎を一緒に追えるおもしろい作品です!ぜひよろしくお願いします!

丸山先生 ひとりでも多くの人に読んでもらえたら嬉しいです!ワクワクドキドキしてますが『BLACK SURGE』、ぜひ読んでみてください!

『BLACK SURGE』はコチラ→https://app-manga.line.me/app/periodic/S144280?_appstore=0

●STUDIO ZOONとは
STUDIO ZOON(スタジオズーン)は株式会社サイバーエージェントが運営する縦読み漫画コンテンツスタジオです。様々なサービスの提供を通じて培ってきたノウハウと最新技術を活用し、世界で愛されるコンテンツを生み出すことを目指してまいります。
公式X:https://x.com/zoon_studio
公式サイト:https://zoon.jp/studio
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