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フランス もうすぐビザ申請

前回までのあらすじ

フランス留学を目指す私たち親子。パリへ渡航しての受験、ドキドキの結果発表を経て、まもなく恐怖のビザ申請の日がやってきます。
何が”恐怖”なのか…。少し詳しくお話しします。

ビザは誰にでも発給されるものではない

そもそもビザとはなんでしょうか。ビザとは外国人に対し、入国しても良いですよという証「入国許可証」のことです。「査証(さしょう)」とも言います。

本人が在外公館にて申請を行うのですが、申請すれば誰でも発給を受けることができるものではありません。入国を許可できない人には発給されないのです。

身元審査により、入国が不適格と判断されれば申請も却下されます。私たちが渡航したいフランスは、3ヶ月までならビザは不要ですが、それ以上になると必要になります。

入国を許可できない人というのはどういう人なのでしょう。どんな国でもビザが必要な理由は、国家の安全のためです。フランスでも、昔(私が若い頃)は発給の決まりもゆるく、よく”ヨーロッパに遊学に行く”などという話を聞いたものでした。しかしテロ事件(アメリカの9.11や2015年のパリ同時多発テロ)以降、やはり厳しくせざるを得なくなったようです。

誰もフランスに行きたがらない

私たちは12歳の子供とその母親、犯罪者でもなければテロリストでもありませんが、それでもとりわけフランスはビザ申請者に対して厳しく審査するようです。
私が以前読んだフランス移住に関する書籍にも、色々と大変だけどとにかく頑張って!と書いてあって、「そうかー、行くだけで大変なことなんだ」と思ったのを思い出します。

以前、とある番組でモデルのアンミカさんが「5万円だけ握りしめてパリにチャンスを求めて渡航した」と言っていましたが、今となってはそんなに簡単に行けるものではなく、”誰もフランスには行きたがらない”のです。

申請書類を用意

ここまできたのにビザの申請却下で機会を逃すことはできない!そこで、私たちは申請書に添付する書類を色々と余計に用意することにしました。書類は渡航者それぞれ必要で、フランス語に翻訳されているもの。そして各書類、必ずA4のコピーが必要です。

  • 申請書

  • 動機書(フランス滞在目的を具体的に説明するレター)

  • 日本における社会的立場の証明書(私は自分で書いたレター、息子は中学校の証明書)

  • 経済証明(銀行残高証明書、通帳コピー)

  • 戸籍謄本(法定翻訳とアポスティーユが必要)

  • 海外留学保険加入証明書

  • 居住証明書(大家さんのサインや身分証明書も!)

  • 現地音楽院合格証明書

  • 現地中学校入学許可書

  • パスポート

  • 未成年を渡航させる両親の許可証

これでどうでしょうか。少なくとも渡航の目的ははっきりさせました。それから、1人99€(ユーロ)の申請費と、パスポート返送用のレターパックもお忘れなく。

却下の理由は教えてくれない

この書類を用意したから許可される、とか、されない、というはっきりとした指標はありません。”要件を満たしていない”などという理由で却下されるのだそうです。しかも、その時の情勢や国同士(私たちの場合は日本とフランス)の事情などで対応も変わってくるのだそう。

ある年はよくわからない却下が多かったのだそうです。どうやら原発の問題で日本とフランスがもめている時だったとか。

またある時は、同じタイミングで同じ種類のビザ、同じ条件で申請したにもかかわらず許可された人とされなかった人に分かれたことがありました。申請理由は同じなのですから、却下の理由はよくわからず、ただ人数で区切ったのではないかと思われるケースもあるそうです。

今年は割とスムーズに発給されることが多いそうですが、私たちが申請しようとしているビジタービザに限り、今までと同じ一年後に更新できるタイプのものではなく、一年かぎりのものが発給されているようです。これも理由は分かりませんが、もしかするとパリオリンピックが理由の一つかもしれないということです。

これが「恐怖」のビザ申請と言ったわけです。どちらにしろ、こちらの書類不備やうっかりミスが理由にならないよう、念を入れて用意しておくことにしましょう。

ビザ有効化手続き

もし無事にビザが発給され、渡航することができたら、フランス到着後すぐにビザを有効にする手続きをしなければなりません。もしこの登録がなされない場合、滞在許可は無効となり、不法滞在者とみなされる可能性があります。日本でいう在留証明書を交付してもらうということと同じだと思います。

さて、いかがでしたでしょうか。ドキドキワクワクのビザ申請はまもなく。また次回をお楽しみに!

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