第七話 証券口座を開きたい
さてさて、今まで投資に関する御託(ごたく)をつらつらと、クドクドと、並べたてまつってきました。では投資アクションの第一歩として何をすればいいのかをお話しします。まずは、証券会社(しょうけんがいしゃ)とは何か、からお話ししましょう。要するに、まだ御託は続くわけです。
1.「証券会社」とは
私たちが実際に株や債券などの取引をするときは、必ず「証券会社」を通して行います。そのためには証券会社に口座を開設します。「証券」というのは正式には「有価証券」(ゆうかしょうけん)といって、「株」や「債券」のことです。「証券会社」とは、株や債券の売買の仲介(ちゅうかい)をする会社なのです。「仲介」とは、当事者の間に立って取りまとめることです。
企業が発行した「株式」(かぶしき)を買いたい人や売りたい人が証券会社に注文します。証券会社は受けた注文を「証券取引所」(しょうけんとりひきじょ)というところに集めます。そこで買いたい人と売りたい人がマッチングして売買が成立。成立すると発生する売買手数料が証券会社の売り上げになります。証券取引所に関してはまた別の機会にお話しします。
また、企業が証券取引所で株を取引できるようにすることを「上場」(じょうじょう)というのですが、証券会社は上場したい企業を厳しく審査して、上場が決まれば新規の株式を販売する大事な役割もあります。
2.どんな「証券会社」があるのか
「店舗型証券会社」
実店舗で対面で対応する証券会社です。日本の5大証券会社と言われているのは、
「野村證券」「大和証券」「SMBC日興証券」「みずほ証券」「三菱UFJ証券ホールディングス」です。
ここで思い出したのですが、かつて「山一證券」という大手証券会社がありました。「野村證券」「大和証券」「日興証券」と日本4大証券会社と言われましが、不正会計が発覚して廃業。ある日突然、社員が出社すると会社の建物に入ることができないなどという事態になりました。私がある音楽教室に入社1年目だったか2年目だったか、そこに通われている生徒の保護者が山一證券の社員だったのが衝撃的で、よく覚えています。
話は戻しますが、このような証券会社窓口に出入りするなんて、ちょっとハイソ(死語?)な良い気分がするに違いないとは思うのですが、もうちょっとコソコソ小さくやりたいタイプの私には向かないかな、と思います。また、勧められるがままに手数料を払ってしまう小心者でもあるので、窓口には近づかないでおきます。
「ネット証券」
証券会社の窓口に行かないなんて、では一体どうしたら良いのでしょう。口座開設から実際の取引まで全てネットで完結するのがネット証券です。店舗を持たないので経費や人件費が店舗を持つ会社に比べて低く、ユーザーから徴収する手数料も低く設定されています。口座開設も簡単で、すぐにできてしまいます。マイナンバーカードがあるとさらに早くて便利です。
「SBI証券」「楽天証券」「マネックス証券」「松井証券」「auカブコム証券」「GMOクリック証券」などなど、たくさんのネット証券会社があります。たくさんあって、どこにしたら良いのか迷ってしまいますよね。それぞれの証券会社に特徴があり、強みも違います。取引できる銘柄や銘柄数も違います。
私は「SBI証券」と「楽天証券」と「松井証券」の口座を開設しているのですが、どうしてかといいますと、「SBI証券」はとにかく最大手で老舗、取り扱う投資信託の数も非常に多い。ユーザ数が多いとその分手数料が安くなるなど、いいこともあるので安心感があります。そしてネット証券ではよくクレジットカードと連携していて、クレジットカードで「クレカ積立投資」ができるのですが、たまたま三井住友のカードを持っていたので連携する「SBI証券」を選びました。ポイントがたまったり、ポイントを使って投資したりもできるのです。ただ、取引画面は大変わかりづらいと有名です(笑)
「松井証券」を選んだ理由は、以前私は短期投資もしていまして、松井証券の「1日信用取引」という、手数料や税金がかからない”神”制度があったからです。注文スピードもすごく早い「板注文」もできたので、”楽しい遊び”としてやっていました。これは投資の話ではありませんので、良い子の皆さんは真似しないでくださいね。
「楽天証券」は、口座開設当時、とにかく「SBI証券」と「楽天証券」の2大ネット証券という感じだったので、”ノリ”で開設しました。楽天グループと連携しているので、楽天経済圏で暮らしている方は大変お得になるようですよ。「SBI証券」とは対照的に、システム操作やわかりやすさには定評があります。私が口座を作った証券会社はそれぞれアプリもあって、スマホで取引や情報取得ができ、便利です。
私が複数の証券会社で口座を開設したのは、短期投資と長期投資で口座を使い分けたかったらです。頭の中も資金もきちんと管理できるので、使い分けるのもおすすめです。ただし、短期投資は中、上級者むけなので、まずは考えなくても良いかもしれません。
私は細かいことは面倒になってしまうので適当な説明ですが、各会社の比較サイトはたくさんあって、連携クレジットカードやポイント還元率まで詳しく説明してくれていますので、そういったところで調べてみてくださいね。
注意したいことがあります。スマホ証券など、一部の証券会社では「NISA制度」に対応していない会社もあります。これらのことについてはまた別の回で詳しくお話ししますが、「NISA」は必須事項ですので、選ぶ際はご注意ください。次回はこれらのことについてお話ししましょう。
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