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フランス ブラックバード

皆さんは「黒歌鳥クロウタドリ」という鳥をご存知ですか?

クロウタドリとは、スズメ目ツグミ科に分類される鳥。ヨーロッパ全土、アフリカの地中海沿岸から中近東、インド、中央アジア南部、中国東南部、オーストラリア東南部、ニュージーランドに生息する。ヨーロッパ西部では留鳥として通年見られるがロシアや中国では夏鳥である。オーストラリア、ニュージーランドの個体は人為的に持ち込まれたものが増えたと思われる。
日本では旅鳥またはまれな冬鳥として北海道から沖縄県まで記録があり、特に西表島や与那国島での記録が多い。

Wikipedia

日本では珍しいようですね。ツグミは日本にもいますが、クロウタドリはその大型の仲間で、体長約28cm。オスは黒い体に黄色いクチバシ。目の周りも黄色いとても可愛らしい鳥です。こちらフランスでは街中にいて、ウチの建物の裏庭にもやってきます。

なぜこの鳥に注目したかというと、なんと言っても歌声の美しさ!毎朝まだ街が静かな5時頃から7時頃まで、庭からずっと聞こえてきます。鳴き声というより歌声。よく通る口笛のような感じなのです。

英語名は”Black Bird"ブラックバード。そこで思い出したのはポール・マッカートニーの”Black Bird"という曲。でも残念ながらそのブラックバードは「ムクドリモドキ」のことで、黒歌鳥のことではないそう。

作曲家のオリヴィエ・メシアンはフランスの森で鳥たちのさえずりを採譜しまくって「鳥のカタログ」というピアノ独奏曲や、フルートとピアノのための「クロウタドリ」など、鳥の歌を中心とした曲をたくさん書いています。


先日、何かが窓にぶつかる「ボン!」という音に驚きました。うわわ、鳥か何かがぶつかったかな、と見に行ってみると、なんとベランダにクロ(ブラックバード)ちゃんが落ちているではありませんか!

死んでしまっていたらどうしよう…。とドキドキしながら少し見ていると、くちばしがかすかに動いています。死んでいない!脳震盪を起こしているのでしょう。でもなんとかしなきゃ。

ベランダにそっと出ると、クロちゃんはハッと気がつきました。でもまだ動けないでいるので手で抱えて持ち上げると意識がはっきりしてきました。こうなると怖い思いをしているのはクロちゃんでしょう。慌てて羽ばたいて飛んで行きました。

あ〜よかった。それにしても、こんなに建物がたくさんあるところに住んでいて、なぜぶつかるなんてドジを踏んだのでしょう。窓ガラスの反射は何もないように見えるんでしょうか。

そこで調べてみると、やはり鳥の目にはガラスの反射がミラーリングの働きで、窓に映った景色がその先にあるものに見えてしまうそうなのです。鳥の目は360度に近い広範囲な視界があり、天敵やパートナー候補を見つけるには非常に役に立ちます。

しかし、このことは両目がカバーする視界が狭くし、真っ直ぐ前の光景に焦点を合わせるのを困難にします。ガラスに近くの木などが映っていたら、そちらに飛び抜けられると考えるのです。そうかー、ごめんねクロちゃん。

対策としては、窓ガラスの外側にステッカーを貼る、カーテンを閉める、不要な時は電灯のスイッチを切る、などがあるようです。私もステッカーを貼ってみようかな。

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