あみつくもの身体測定
「さぁさぁ皆さん、きちんと並んでください。こら、そこ背伸びしない!」
ペストマスクさんの声が教室内に響く。
今日は創作工房muccoにいるあみつくも達の身体測定の日。
測るのは身長、体重、視力に聴力、角のある子は角長、尻尾のある子は尾長、羽のある子は羽長…人の身体測定よりも測る部分がとっても多い、一大イベント。
たつ吉の体重の数値を見るペストマスクさん。ちょっと辛口のコメントをします。
「たつ吉くん、体重が平均の10%超えですよ。ちょっとしぼらないと空を飛ぶのに支障が出てしまいます。甘いものは控えて、トレーニングメニューを組みましょうね」
「たっちゃんから甘いものを取るの…???」
甘いものが大好きなたつ吉くんは涙目になりながらペストマスクさんに縋ります。
「健康的な体を保つことで我々あみつくもが皆さんの願いを叶えるためのエネルギーをきちんと発揮できるのです!」
「だってだって、甘いもの美味しいんだもん!!」
ワーワーギャーギャーわちゃわちゃ言い合う2人の姿は子犬のじゃれあいを見るようなかわいさです。
「ふん、愚かな。この私のように毎日ダンベルを持ち上げ鍛え上げている身体を見たまえ、うっとりするような仕上がりだろう」
「ルシファーさんは角のカルシウム量が足りてないようなので、積極的に小魚食べてくださいね」
「なんだと!?見よこの美しき我が角のツヤを!!」
あっちこっちでワーワー始まる身体測定。
終わるのはいつのことでしょう。なんだなんだと列の後ろの子達が前のドタバタを見に列を崩してしまいました。
「あーあー!みなさんきちんと並んでください!たつ吉くんは自分の記録を持って次の測定!ルシファーさんも…ってそこでポージングしないで!!!」
終わりの見えない身体測定の始まり始まり。
ペストマスクさんのお仕事が終わるのはいつになることやら。
それはまた別のお話。