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ゴールデンカムイ

『ゴールデンカムイ』は、野田サトルによる日本の漫画作品です。明治末期の北海道を舞台に、金塊を巡るサバイバルバトルが描かれています。主人公の旭川利之は、戦争で負傷し、金塊を手に入れるために旅をすることになります。彼は、アイヌ民族の少女アシ(リ)パと出会い、彼女と共に金塊を探し始めます。物語は、彼らが様々な困難や敵と戦いながら、金塊を探し続ける姿を描いています。

原作は読んでいないのでアニメだけの感想ですけれど、個人的に最近は線が細くバケツ一発塗りみたいな作品が多て1年くらいアニメ作品は全然観ていませんでした。

が、知り合いが北海道のウポポイに行ってきたと言う話から、アイヌ民族の文化についての話になり、ゴールデンカムイに辿り着きました。どうせショボい線と塗と魅せ場しか動かない安いアニメだろうと思ったのですが…

まず線の太さが心地よいんですよ、サインペンの様な一定な線ではあるものの、その色と塗りとがマッチしており、何よりキャラクターとの相性がとても良いのです、こうなれば観る気が増すというもの。

物語は子供向けではなく、しっかり大人な話で流石はヤングジャンプ掲載作品と言ったところ、こういう大人向けの歴史的な物語はとても興味深く、入り込むには我慢が必要なかったです。

キャラクターの絵が濃いので、背景がうっすら水彩系なのが凄く会っていてごちゃごちゃせずにスッキリしている、だからキャラの言動に集中できるのは凄く良い効果が出ていると思います。キャラクターの容姿にはかなりクセがあり、好き嫌いがわかれるが、誰がどういうキャラなのかを理解しやすいと言う面ではワンピースに近い感覚。
動きもとても良く、滑らかに動き、最近の作品に多い『ここぞと言う時だけ動く』とは違い、全体的に良く動いてくれるのは嬉しいし有難い。作画崩壊が感じられずしっかりと安定しているのも好感が持てる、回ごとに絵が違うなんてこともなく、この安定感は観ている方はいらぬ違和感を感じず集中できるので安心だ。

ちょいちょい出てくるアイヌ料理のシーンがとても美味しそうで、アイヌ民族の知識や情報も盛りだくさんで興味深い、ただ、物語が全く進まず少々押しつけっぽく感じるときもあった、大事なシーンなのだろうけれど、もう少しコンパクトでもいい気がした。そして気になったのは『過去の振り返りシーン』突然始まり、それが長いので煩わしくてややこしいと感じるときもあった。

土方歳三の銃がウィンチェスターなのは痺れましたね、銃器も丁寧で細かく、薬莢が飛んで落ちる音がとても良い、発砲音が少し迫力不足かな、でも肉弾戦の打撃音はかなり心地よかった、音は大事ですからね。音と言えばBGMが大人でかっこいいんですよ。

残酷シーンや残虐シーンも、しっかりと血が赤く表現されており、粘り気もある。人体損壊も隠すことなく描かれているのもリアルで良い、それが動物であっても女子供であってもちゃんと『痛い』『苦しい』を表現しているのは色々な意味で『よくやった』と感心する。

笑いのセンスも大人がクスッとするものや、思わず声を出して笑ってしまうものがたくさんで楽しい。

危機を回避する策や、行き当たりばったりのゴリ押し、仲間の助け、偶然からの反撃、王道なものから知識が必要なものまで本当に楽しめた。

この作品は個人的に面白かった。

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