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自由を手にするその日まで

病院という閉鎖された社会を舞台に、現代社会に暮らす人間の孤独や心の闇を描いたサスペンス。医療系事務職で働く24歳の女。陰湿な職場で孤独を抱え、心は病んでいった。社会を恨む彼女の狂気は暴走し、職場の人間たちの抹殺を決意する。自宅では科学的な知識を駆使した不気味な実験を夜な夜な繰り返す彼女は、復讐代行業者に依頼し、その復讐劇は完全な形で遂行されるはずだった。しかし、彼女の前に計画を邪魔する思わぬ妨害者が出現する。監督は医学部出身という異色の経験を持ち、本作が第1回監督作品となる天野友二朗。

単なる復讐にとどまらないところが安っぽくなくて、そこら辺にある復讐ものとは違う復讐劇がとても興味深かった。文学的とでも言うのでしょうか、ここら辺は「おお!」と思わせてくれました。

復讐に至るまでヒロインをとことん追い詰めるクソ会社のクソ人間たちと、ゴミ彼氏の言動が凄まじくて、こんなクソ会社あるんか?という気持ちにさせてくれるので、ヒロインと同調できる部分は低予算とは感じさせない魅せ方の上手さは素晴らしい。まぁ私はこんな職場に居たので何とも思いませんでしたけどね。

残念ながら復讐のその方法なんかは残酷なのに、結果報告しか見れないので折角盛り上げても「え?」って感じで残念さが残る。

しかしこの映画、復讐してからが本番。
文字通りただの復讐ではなく、ヒロインが自由を手にするその日までの戦いですからね、そう言う面では展開としてはちゃんとサスペンスで私は好きでした。

クライマックス、あ!そう言う事か!はスッキリでしたけど、悲しさも残ります。

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