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teamZERO.STEEL HAPPY BIRTHDAY


チームの切り込み隊長でありながら、常に思考を張り巡らせる。その無謀とも思える『ぶっ込み』は考えがあっての事・・・しかし、実はその50%は『実験』でもあった。

『ふむふむ・・・私は片手剣だから手数は稼げる、相手は属性攻撃が有効、となれば私がつっ込んで撹乱して・・・』

STEELが足湯に浸かりながらブツブツ言っている。

そこへ温泉施設完備のギルドは暑くて苦手なので、上半身だけブラジャータイプのマッスルαで、遠くジバングの国に居たと言う古の『YAKUZA』の様な歩き方で如月がやってきた。

『なにまたブツブツ言ってんだ・・・よ!』

そう言いながら足先で水面をひっかけてSTEELに足湯のお湯をちょいとかけて口元で笑った。

『わぷっ・・・如月さん』

『ふっ、いい加減”さん”はやめろやSTEEL』

『あ、これはクセなんで。。。』

『まぁ私に敬語は使うな・・・なんて先輩ぶったショボい野郎みたいな事は言うつもりはねぇから心配すんな、好きにシローーーーい鳥っ!』

そう言うと如月がレッドデータアニマルに認定されている『フワフワクイナ』を両手で抱えてSTEELに見せた。

『わ!すごい!フワフワクイナじゃないですか!』

『ふ、空飛んでるでっけぇクワガタのお化けに石ぶつけたらコイツが落ちて来たんだよ』

『わぁ・・・初めてみました、わぁあああ可愛いなぁ・・・』

『お前この鳥ずっと探してただろ、よかったら飼ってくれないか?私はホラ、植物ですら直ぐ枯らしちゃうからよ・・・』

『え?いいんですか?嬉しいっす!昔・・・私が駆け出しのころにディアブロスにやられかけたんですよ、クーラードリンク忘れて、回復薬も底を尽きて・・・もうだめだって時にこの鳥が飛んできて、ディアブロスが気をとられたおかげで・・・命拾いしたんす・・・それからもう一度会いたくて・・・』

『そうか、もしかしたらコイツかもしれねぇな・・・頼むよコイツ・・・名前はディアブロスから救ってくれたから・・・シロ!』

『いやディアブロスかんけーねーしっ!』

と言って右足でダン!と地面を蹴った音に驚いたフワフワクイナが隠されたその長い足を伸ばし、自分の体長の5倍ほどの高さに立ち上がった。その足には紙が1枚貼られており、さながらその姿は大きすぎるフンドシをしているようだった。

『なんですこれ?』

伸びあがったフワフワクイナの前に回り込むとそこには1枚の絵が貼られていた『はっぴー・・・ば・・・』

『如月さん!これ!』

『さんはいらねぇって』

『ありがとうございます!!!!』

『その・・なんだ・・暇だったからよ、ちょっと描いただけだ・・・いらなければあれだ・・・ほら・・・』

『いります!!!!!』

如月の不器用な優しさに触れたSTEELの誕生日の1ページだった。

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