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クズとブスとゲス

社会適応力ゼロな人間たちが繰り広げる血と暴力と涙の物語を、自ら主演を務めて描いた。見知らぬ女性を拉致監禁し、裸の写真をネタにゆすりで生計を立てるスキンヘッドの男。男はヤクザの下で働く商売女を毒牙にかけてしまい、逆にヤクザから恐喝されるハメになる。麻薬の売人から足を洗いながらも職が見つからず、恋人の誕生日プレゼントを買う金ほしさに、また売人の道へ足を踏み入れるリーゼントの男。男からのプレゼントに恋人は喜ぶが、それが売人で得た金と知り大喧嘩となる。1人バーで心の傷を癒す女にスキンヘッドの男が近づき、いつものように女を罠にかけ、女は金のためにデリヘル嬢として客を取るようになる。

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刺激的な映像と展開が続きます。
ここまでじゃないけど近い人は周りに居たので、私的にはそんなに刺激的ではないのですが。
この作品は滅入ってしまうほどの陰気な空気に満たされているので、人によっては具合が悪くなるかもなので注意が必要かもです。グロいとかではなくって、陰気なんです、なので気づいたら見ている自分も沈んでしまうかもって事ですね、それくらい陰気です。

暴力表現はリアルだけれど、リアル過ぎて迫力がなく見えるのが残念だった。主題歌もない、オープニングソングもエンディングソングもない、私はそう言うのとても好きですね、音楽は盛り上げるために必要ですけど、音が無いのもまた音楽なんですよね、音が無いから音が良く聞こえる、その音が音楽となり映画をしっかりサポートしている。

登場人物は一切名前を出さない、でも気にならないし、むしろ要らない。だからこそ普通に入れる、世の中こんな事あるよね、毎朝の出勤バスで一緒になるババァと何となく話しただけで、何となく仲良くなったけど未だに名前を知らない、でも顔を見ると『あ、どうも』みたいな。そんな感覚なのでこれもまたリアルと言える。

言ったように昔は私のまわりにも近い人間が居たので、懐かしさを感じました、いわゆる『真面目』な世界を歩んできた人が見れば嫌悪感しかないとは思いますが、私には『必死に生きている』と言う感覚もありましたね。ただ141分は長かったですね、どうでも良いシーンをリアルに丁寧に描写することは良いのですがテンポが悪くクライマックスへのベクトルの上がり角度が平坦過ぎてちょっともったいなかったかな。

クズとブスとゲス と言う程でもなかった気がしますけど、私はこう言う作品好きです。

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