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なぜ君は絶望と闘えたのか
ある夏の日、週刊誌記者の北川は、妻と幼子を殺された23歳の夫・町田から話を聞いていた。「僕が…僕が、この手で彼を殺します」と言い放った町田に戸惑う北川。18歳の少年の犯行が司法の壁に幾度となく跳ね返される中、北川も町田の大きな力になっていく。
物凄く重く切なく苦しい内容。
しかしながら、その重い内容に俳優陣が本気でぶつかってる感じが凄い。
心が震えるプロ同士の演技のぶつかり合いは必見。
もう演技ではなく、その人に見えてくるほどに凄い。
自分ならこのように闘えるだろうか?と考えると恐ろしいと感じた。
加害者側と被害者側に置ける、司法と社会の理不尽さ。
被害者は少年と言うだけで全て伏せるが、被害者側は勝手に全てが明かされて実名で報道される。
しかし戦い続けた結果、メディアの力もアリ、法律がついに一部変わる。
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その後の控訴審では、獄中で全く反省していないと伝えられ、警察が本気で犯人の周辺を徹底的に洗い始め、犯人の人物像を浮き彫りにして行き、世論の反感を狙ったかのような動きをする、町田は死刑の必要性を訴え続ける。
敵討さえ許されぬのかと奥歯を噛みしめ、自分が殺すしかないと決意する気
持ち、殺された妻と子、加えて犯人の命さえ背負うと言うのか。
そう考えたら涙が止まらない作品でした。
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