あの失敗があったから。
私は父が大嫌いだった。
小言が多く、曲がったことが嫌いだった人なので、
休みで家に居るときは顔を合わせないようにしていたほどだ。
そして一番嫌いだった理由は『私の絵を褒めたことが無い事』。
幼少期より絵が好きで描いては父に見せるが、
リンゴはこんな色じゃない、空はこんなに青くない・・・
子どもの描く絵だと言うのにダラダラ懇々と講釈を垂れる。
中学になり、絵の技術が飛躍的に向上していった私は、
市内で行われた絵画コンクールを総なめにしていきました。
それでも父からは『運が良