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このまちの大人図鑑 Vol.6 ◀「温かいシェフの思い」が「おいしさ」を届ける〜

「シェ カシワギ」 永井博文さん、明子さん

こんにちは、高尾野中学校ボランティアクラブ「×a」(プラスアルファ)です。

「このまちの大人図鑑」の活動として、今回はフレンチのテイクアウト専門店「シェ カシワギ」永井博文さん、明子さんにインタビューさせていただきました!

◀仕事のこと▶
質問
…早速ですが、お店の名前に入っている「シェ」とはどんな意味があるんですか? 
回答…はい。「シェ」は、フランス語で「○○のお家」という意味です。だから「カシワギさんのお家」みたいな意味ですね。 

高尾野町の紫尾神社近くから、小さな看板を目印に路地へ進むと、そこにかわいい白い家があります。

質問…ちなみに、このお店は、いつごろから始められたんですか?
回答…これまでずっと県外(京都)で経験を積み、フランス料理をやってたんですね。結婚して、二人で高尾野の町に住むことに決めて、そして、ここでお店を開こうかと思って平成25年の1月に、オープンしました。

質問…料理って色々あると思うのですが、特にフレンチを選ばられた理由というか、好きになった「きっかけ」になったことがあれば教えてください?
回答…そうですね。「きっかけ」は、昔し、コックさんの漫画があったんですよ(笑)。そこへの「憧れ」っていうのでしょうか。白いコックコートを着て、真っ直ぐな白い帽子被って、フライパンを煽ったりとか、やはり、かっこいいって思ったんですよね(笑)。 

質問…現在はフレンチの専門店からテイクアウト専門店として営業されていますが、テイクアウト専門店として絞っていった理由を教えてください? 
回答…やはり、コロナですね。コロナの影響で飲食店が営業できなかった期間があったことが大きなきっかけですね。その時にお弁当とかオードブルとかを販売をすることにしました。

そうなんですね。やっぱりコロナの影響って大きかったんですね。

回答…そうなんですよ!その時は、皆さんそうだったと思うんですけれども、飲食店にも、お客さんが来ない時期があったんですね。本当に仕事をしていく上で、たくさんのことを考える機会になりました。
実はそんな時に、肥薩おれんじ鉄道から「観光列車おれんじ食堂」で月交代のスペシャルランチを提供して欲しいという話を頂いていて、そちらの仕事も受けることにしたんです。そうすると、レストランとテイクアウトとおれんじ食堂と3つも同時に仕事をすることになってしまって・・・実際やってみると、それがやっぱり難しいなって・・・そこで、家族と相談しまして、じゃあ、レストランを一旦閉じてテイクアウト専門店としてスタートすることに決めたんです。

質問…ありがとうございます。おれんじ食堂での仕事を引き受けた理由をもう少し具体的にきかせてもらえませんか?

回答…具体的にですね。最初のきっかけは、ビアトレインって言って、夏場ビールを飲むおつまみみたいな弁当を作って欲しいというおれんじ鉄道さんから依頼があったんですね。それを3・4年間、毎年夏のシーズン提供していました。そんなつながりで、だんだん信頼関係もできてきて、そしておれんじ食堂の方の料理も頼みたいと話をいただいたんです。でも、その時はレストランもしてるからと一旦断ってたんですけど、コロナ禍に入ったことをきっかけに、受けさせてもらうことにしました。実際おれんじ食堂で食事を提供することで、スタッフもたくさんいて、集客力もある会社なので、色んな人にも食べてもらえるし、良い機会につながっているなって感じています。

ありがとうございます。そこから、先ほど話された様にレストランを閉めてテイクアウトに切り替えたんですね。

質問…地元の食材などは使っているんですか?
回答…もちろん。地元の素晴らしいお野菜とか、果物とか、お肉、お魚もありますので、極力地元で手に入る物は、地元のものを優先して使うようにしています。

質問…仕事で大切にしていることはなんですか? 

回答…やっぱり食材を扱うので、命を預かっているという感覚で、食材を無駄にすることもないように、活かし切る事を心がけています。 

質問…一年の中で一番忙しいのはいつですか? 
回答…そうですね。おれんじ食堂の秋の観光シーズンと、コロナ前は結婚式の仕事も受けていましたので、秋の行楽シーズンと結婚式シーズンが重なると作る量がたくさんで、そういうときはきつかったですね。

シェカシワギさんのインスタグラムより

質問…仕事のやりがいを教えてください?
回答…やりがいですね。料理を作って、お客さんに食べていただくんですけれども、美味しかったよとか、きれいだったよとか、お客様に満足していただけたっていう声を聞いたときが、一番嬉しい瞬間です。 

質問…大変だったりしてやめたいなと思うことはないんですか?
回答…それは、もちろんありますよ(笑)
特に体力的なしんどさですね。秋の行楽シーズンはもちろん、クリスマスですとか、おせちを作る時期とか、たくさんの注文が入ったりすると、ありがたいのだけど、ちょっと体力的にもしんどさを感じますね。
会社員だったら朝出勤して、定時になったら帰えることもできると思うのだけど、ここは自分で全部しているので、やっぱり、そういうわけにはいかないんですよね。でも、逆にそれがやりがいにもなっていたりしますね。

質問…今の仕事の目標はなんですか?
回答…そうですね。大きなことをしたりとかは、この年になってきてあまりないんですけれども。今やっていることを精度を上げていったり、内容を充実させたりしていきたいなというふうに思っています。 

◀個人のこと▶
質問
…この仕事をしていなかったら何をしていたと思いますか?
回答…考えたことない。小さい時の夢は野球選手とかですけど(笑)僕らの年代の子はほとんど野球してたんですよ。サッカーとかあんまり人気がなくて・・・だから、普通に野球をやっていたって感じですね。

質問…料理を作るなかで一番好きな場面ってどんなところですか?
回答…切ったりきれいに同じグラム数に切り分けたりとか、そういうのが好き。塊でお肉を仕入れて、きれいに筋の部分とかを取っていくのは、すごい手間のかかる作業だけど、そこが楽しい(笑)
 魚って、頭があって、胴体が会って、しっぽがあって、鱗があって、尻が付いてるじゃないですか。それを仕入れてきて、頭落として、鱗全部取って、三枚に下ろして、骨から身を取って、お客さんの口に入るときには、きれいな切り身になるわけ。それを最初から比べると、すごいなと。生きてたこんな塊が、こんなきれいな、お刺し身とか、お魚のムニエルとかになったりとかする。その変化に面白さを感じます。

◀地域のこと▶
質問…この町の魅力ってどんなところだと思いますか?
回答…自然が豊かで、人々が温かくて、食べ物が美味しくて、ですかね。果物だったら柑橘のみかん類がすごく美味しいですね。甘くてジューシーでね。美味しいですよね(笑) 

質問…お二人はどんな食材が好きとかあるんですか?

回答…お刺身とか、好きですね。もちろんお肉も好きですよ。豚肉も美味しいし、和牛も美味しいし、出水はお肉とか美味しいですよね。
 カリフラワーも美味しいね。真っ白で形も可愛いしね。一回コンテナでもらって、真空パックにして漬物にしたことがあったけど。カリフラワーとブロッコリーと、そしたらいくらでも食べられておいしい。あと、スープにするのもいいね。

質問…この高尾野の好きな場所ってありますか?
回答…私はそこの、もみじ温泉に行く田んぼ道が、矢筈も見えるし、紫尾山も見えるし、あっち向けば長島も見えて、風力発電も見えて、そこの道がすごい好きです。ぱっと開けてて、いろんなモノが見える。
 ここ、住んでるところも好きです。よそに行って帰ってくるとほっとします。 

質問…逆にこの町の悪いところとか、良くなって欲しいところってありますか?
回答…別に、そんなにないかな。お店もそんなに、このくらいでいいかなっていう感じ。 駅前通りがちょっと寂しいかね。「リッチモン松元」が私の母の出身なので、駅前で育ったんですけど。昔はすごい栄えて、にぎやかな通りだったんですよ。今はお店が少なくなって、それは寂しいかなって思うかな。

質問…この町が、未来にどんな町になっていてほしいですか?
回答…どこに行ってもすごくちっちゃい子が多いじゃないですか。買い物に行ったり、ご飯食べに行ったりしても、ちっちゃい子を連れているお父さんお母さん達が多いから、若い人たちがこれからどんどん成長して、増えていって、活気のある町になっていんじゃないかと思う。 
 日本は少子化とか言われてるけど、ここに住んでる限りは全然感じないんですよね。まぁ住みやすいからね(笑)

質問…色んな人から住みやすいと言われるのですが、高尾野って、そんなに住みやすい町なんですか?
回答…すごく住みやすいですよ。住んでればあんまり感じないけど。結構飲食店も都会からこっちに来てお店してる人が増えてきてるもんね。そしてなにより食材がいい。

◀中学生にメッセージ▶
質問 中学生へのメッセージをお願いします。

 そうですね、人生でその時その時という瞬間はその時しかないので、精一杯やりたいことを後悔せずに、頑張ってもらいたいと思います。
 中学校を思い出せばやっぱり、すごく楽しい友達との思い出がいっぱいあるので、その生活を楽しんでもらって。将来のことも考える時期なので、今いっぱいやり切って、頑張ってほしいなと思います。

◀まとめ▶
 今回のインタビューで感じたことは「温かい思い」です。
 今回印象的だったのは、お二人の温かい笑顔です。お二人のおかげで、私達も楽しんでインタビューができました。
 そして、地域への思いも感じました。地域の食材を使ったり、おれんじ食堂で食事の提供をしたり。地域と真剣に向き合っていたからこそ、色々な人に信頼されてきたのだと思います。私達にとっても地域のために何ができるのか考えるきっかけになりました。


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