小豆島プロジェクト、始まります。
築150年の古民家を活用したプロジェクトが、本格的に始まります。noteの方では小豆島滞在中の記録や、古民家について調べたこと、古民家がある坂手地区周辺の歴史や暮らしなどを少しずつまとめていこうと思っています。
今回はその第1弾として、写真付きで古民家の中を軽く紹介していきます。
2023年2月3日から2月7日。
設計事務所のメンバー全員で小豆島に行ってきました。2年ほど前から動き始めてはいたのですが、全員で訪れるのは今回が初。
我々が関わる古民家は、小豆島の中でも「坂手」という地区にあります。地図で見ると少し奥まった場所に見えますが、高松港と神戸港からフェリーが出ています。
坂手港からひたすらまっすぐ坂を上がっていきます。車は途中で通れなくなり、人がすれ違うのも難しい路地を進みます。
こんな場所。坂手港に着くジャンボフェリーが見えるので、日によってはきっと海まできれいに見えるんだと思います。
築約150年。増改築を重ねており、
しかもかなりの広さ。
今回は建物の中に入って、すべての部屋といくつかある屋根裏、そして蔵を見てまわり、建物の状態確認をしました。
中廊下と中庭、母屋の間に外とも中とも言えない不思議な空間があります。ガラスも木の板も屋根も、全体的に一見脆そうでドキドキしますが、雨も風も台風も凌いできたんだと思うと驚きです。
井戸があります。まだ現役。井戸は庭や敷地外にあるイメージでしたが、敷地内どころか建物の中に井戸。そして、全体的に不思議な空間なのでつい見逃しそうになりますが、建物の中に瓦屋根がありますね……。
先ほどの井戸と反対側には小さな中庭があります。小さな、といっても、この広い建物の中では小さいだけで、普通の庭くらいの広さはあります。植物と小さな池の痕跡が見られて、使い方次第でとても楽しくなりそうな空間です。
母屋をまっすぐ抜けて裏口を出ると、裏庭と蔵があります。裏庭には石垣でつくられた花壇のようなものが2段と、端にいくつか五輪塔が建っていました。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、写真左上が蔵です。母屋の部屋の窓を開け、写真下の木の板をおろすと、蔵につながるすのこの橋に接続する仕掛けになっていました。家の中から蔵へのアクセス性を考えて後から足されたものなのでしょうか。家の中にはこうした小さな仕掛けや付け足しが多く、生活の中で住空間が徐々に変えられてきたのだろうなあと感じます。
何やらトリックアートの世界の扉みたいですが……。押し上げると扉が開いて、屋根裏に繋がっていました。上るのは少し力があれば余裕ですが、下りるときにしっかり下を見ると想像より高くてドキドキです。
建物の中には屋根裏もいくつかあるのですが、それぞれに農機具が置いてあったり、タンスが置いてあったり、何やら色々壁に貼ってあったり。屋根裏だけでも普通に人が住めちゃうくらい広いんです。
一度外に出て道沿いに少し坂をあがると、建物の横にくっついているこれまた不思議な通路型の物置空間がありました。
主に木材が置かれ、一応窓で家の中と繋がっています。
家の周りは細い水路で囲まれています。滞在中はずっと曇りか晴れで実際に水が流れているところは見られませんでしたが、集落中がこの水路のネットワークで繋がっていると思うと、一度辿ってみたくなりますね。
今回実際に建物の中を全部見てまわって、とにかく広いこと、そしてパッと見ただけでは追えない増改築の跡に驚きっぱなしでした。
これから小豆島には何度か足を運んで建物自体の調査も深めつつ、ここでどんなことができるか考え、色々と実践していこうと思っています。同時に現地活動や調査の記録として、noteに書き留めていきます。
(文章:ウスイ)
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