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#週一文庫「人体の限界 人はどこまで耐えられるのか 人の能力はどこまで伸ばせるのか #サイエンス・アイ新書 」山﨑 昌廣
この本は、五感や運動能力、心理的なものから生理学的な側面まで、いろいろな人体の限界について、書き留められているものです。
じぶんができる限界って、科学的に何があるのだろうと考えて見たくなって、この本を選びました。
速く走る限界と小さな一歩
一番おもしろかったのは、P57-58 第2章 運動機能 14 速く走る限界(速度)
短距離を速く走る方法は大きく2つに分かれます。1つは歩幅を長くするストライド走法、もう1つは歩数を増やすピッチ走法です。一般に、身長が高くなれば歩幅は長くなり、歩数は少なくなります。ボルトさんはストライド走法とピッチ走法を、最も理想的に組み合わせた選手だと言われています。ボルトさんの身長は196cmです。9秒58の記録を出したときには、100mを41歩、1歩あたり2.44m、ピッチは1秒あたり4.28歩でした。(中略)
桐生さんが9秒98の記録を出したときには、最高速度は11.67m/秒で、9秒台を出すのに必要とされる11.60m/秒を超えていました。歩数は47.3歩で、過去3大会のときよりも1歩少ない歩数でした。平均歩幅は2.11m、ピッチは4.74歩/秒でした。ボルトさんと比較すると、桐生さんの歩数は6.3歩多く、そのぶん歩幅が約30cm短く、ピッチが0.46歩/秒多くなっています。
桐生さんの身長は、ボルトさんよりも20cm低い176cmです。ボルトさんより歩幅が短いのは、身長の差が主な原因と考えられます。ただし、歩幅を慎重1mあたりに換算すると、桐生さんは1.20m、ボルトさんが1.24mとなって、ボルトさんがまだやや長い値となります。桐生さんがボルトさんのように歩幅を長くするともっと速く走れるとは限りません。歩幅を長くするとピッチが落ちてしまうからです。
太字にした部分、このマニアックな感じが堪らない。
もう一回抜き書きます。
100mを41歩、1歩あたり2.44m、ピッチは1秒あたり4.28歩でした。(中略)桐生さんが9秒98の記録を出したときには、最高速度は11.67m/秒で、9秒台を出すのに必要とされる11.60m/秒を超えていました。歩数は47.3歩で、過去3大会のときよりも1歩少ない歩数でした。平均歩幅は2.11m、ピッチは4.74歩/秒でした。
小学校・中学・高校と、体育で100m走を測る機会はありましたが、こんな風に1歩あたりをどのくらいの歩幅にするか、歩数はいくつで走りきるかなんてことは、考えたことは一度もありません。
もちろん、選手がそういったことを考えていたかはわからないですが、突き詰めていくと、記録という数字を叩き出すためには、こういった細かな過程の数字が大量に積み重なっていくのだなという雰囲気が楽しいです。
科学の香りがします。こういう雰囲気が好みなんです。
じぶんが今実際に行っている様々な物事も、例えば通勤一つとっても、「速く着きたい」と思ったら、その過程を分解していけば、こういった細かな数字で示すことができると思うのです。そうして、分解された細かな部分を少しずつ最適化していくことによって、望ましいものを引き出せるようになるのかなと、そんな風に思えるので、こういった分解的な、科学の香りがする雰囲気が好きなのです。
一体どれだけ寝ればよい
もう一箇所抜き書きます。
P121 第3章 心理機能 33 睡眠不足
日本人の睡眠時間は、調査機関や調査対象者によって結果は多少異なりますが、世界でも有数の短時間睡眠民族であることは間違いありません。(中略)2015年の国民栄養・健康調査によると、睡眠時間が6時間以下の人の割合は約4割に達し、特に働き盛りである男性の30~50歳、女性の40~50歳ではその割合がさらに高くなっています。
それでは、睡眠時間はナポレオンと同じように3時間でいいかというと、決してそうではありません。睡眠時間と死亡率の関係を調査した研究では、睡眠時間7~8時間の人が最も死亡率が低く、これより短くても長くても死亡率は増加することが明らかにされています。また、睡眠時間が6時間以下の人は、7時間寝ている人より乳がんの発症リスクが1.6倍になったとする研究もあります。
睡眠時間が短いと肥満傾向になることも指摘されており、女性を対象とした研究では、睡眠時間7時間の人が最も体格指数(体格を把握するための、BMIなどの指数)が低かったと報告されています。さらに、肥満、高血圧、高コレステロールなどの心臓病危険因子が高い人で、睡眠時間が6時間以下であれば、心臓病や脳卒中による死亡率は2.1倍高いという研究結果もあります。
このような研究結果をまとめてみると、睡眠負債が蓄積しないように、できれば7時間の睡眠時間は確保したいところです。どうしても7時間の睡眠時間がとれないにしても、健康などへの影響を考えると、6時間の睡眠は必要です。
なるほど7時間ね。
でも、じぶんは割と寝付きが悪い方です。酷いときには、布団に入ってから眠りつくまで、優に2時間ほど経っていたなんてこともあります。
感覚的に、8時間眠るのが一番身体の調子がいいということはわかっているのですが、最近はそれほどまでには眠れていません。
6時には起きたいと思うと、22時には眠りに入るべきなのでしょう。でも、今この記事を書いているのが22時半。すでに眠りに入る気が足りていない。
実は生まれてから高校を卒業するまで、21時以降に起きていたことは殆ど無かったのです。大学生になってからアルバイトやら飲み会やらで、それ以降も起きていることを覚えました。社会人になった今になっては、仕事じゃなくても、飲み会じゃなくても平気で起きてしまっています。もう少し考え直さなければなのかもなあ。
この前twitterのタイムラインを眺めていたら、そういった睡眠の知識を得るのによさそうな本は無いですかという問いに読書猿さんが答えていた。
入門に『睡眠の科学・改訂新版』(ブルーバックス)
— 読書猿『問題解決大全』4刷、『アイデア大全』9刷 (@kurubushi_rm) March 6, 2019
教科書として『睡眠学』全2巻(北大路書房)
何でも載ってて辞書代わりに使える、日本睡眠学会編『睡眠学』(朝倉書店)をどうぞ。#マシュマロを投げ合おうhttps://t.co/lFQLu8QvFo pic.twitter.com/5zGoUOEIBV
コレ全部読むきにはなれないけれど、せめて1冊目の講談社ブルーバックスの本は、入門編として読んでおこうかな。
いずれ週一文庫で取り上げようと思います。
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