K-ACTING WS 紹介
CHE
初めまして。
私は韓国で俳優や演技講師として活動してきたCHE（チェ・ギュファン）と申します。
長年にわたり映画やドラマで培った知識やスキルをまとめ、独自の演技方法論を作りたいと思い、2020年に来日し、日本の俳優を対象にワークショップを行っています。私が外国人の目から見た「演技における日本俳優の現状」には独特な社会的な背景があると感じました。
日本俳優
「既存の形にとらわれて、漠然としたイメージを表現すること」は、演技初心者にとって陥りやすい罠ですが、特に日本の俳優を取り巻く環境では、「表現力」が求められることが多いと見えます。日本は世界で最もアニメが盛んな国ですので、キャラクターのイメージが社会全般に広がっており、それは俳優の「表現を重視する型」とも関連しています。その「型」は、俳優自身の本来の姿を妨げる大きな要因だと思います。
関係性
世界的に注目される演技力を持っている韓国の俳優。その背景にはさまざまな要素がありますが、私は「関係性」に特に注目しています。
韓国の映画やドラマ、音楽、文学などの芸術分野では、「他者・社会・国と私との関係」が重要なテーマとして扱われています。そのような環境で演技をする韓国の俳優たちは、理想的な指標として「関係づくりの演技」を重視し、実際の関係が演技に反映されるよう努めています。日本の演技と比較すると、「虚構の存在を通じた関係」ではなく、「実際の存在を通じた関係」が韓国の演技の特徴と言えます。
ウリ
NA（ナ・ギョンミン）と SORA（チェ・ソルファ）そして私は、韓国の中央大学演劇学科の出身です。お互いが似たような経験を共有する中で、共通の認識と感覚を身につけました。20年が経とうとしている今、私たちは大学時代の関係性が演技の基盤となっていたことに気付きました。
そして、他者と自分が混ざり合うことで韓国ならではの共通の認識と感覚である「ウリ」という要素が演技の必須条件だと思うようになりました。この「ウリ」という共通の考え方が、「K-ACTING WS」の基礎となっています。
ワークショップの構成（計8回コース）
ワークショップは、事前ワーク（CHE）と招聘ワーク（NA / SORA）で成り立っています。CHEの目標は、「他者を受け入れられる体作り」を通じて、NAの「共同創作」とSORAの「遊び」が実現され、その中で「K-ACTING」という概念が生まれることを目指しています。
事前ワークは5回あり、5週間で進行し、変化を促します。通訳なしでCHEと直接コミュニケーションを取りながら、「K-ACTINGが求める関係作り」のためのエクササイズを行います。参加時間は13:00〜16:00または18:00〜21:00のどちらかを選択してください。参加者は20名で、5週間を同じクラスで過ごします。
事前ワーク（CHE）
2023年 11/24・ 12/1・ 8 ・15・22（毎週金 / 5回）
13:00~16:00 or 18:00~21:00 （どちらかの時間帯）
来年1月からは、３日間の招聘ワークショップが始まります。NAとSORAは、日本語がほとんど分からないため、素晴らしい通訳者と共に参加します。CHEは、重要な役割を担当し、二人のワークを補完します。
赤坂スタジオには、異なる広さを持つ2つのスタジオがありますので、参加者はスタジオを移動しながら、異なる講師と出会うことになります。
13時から21時までの間、途中で2時間の休憩を挟みながら進行します。つまり、日によって、クラスによって、場所や講師との新たな出会いが毎回続きます。初めは複雑に感じるかもしれませんが、このワークは一方的なレッスンではなく、参加者同士の深い絆が自然に生まれるような環境を作り出すためのものです。
招聘ワーク（NA / SORA)
2024年 1/12・13・14 （金・土・日 / 3日間）
13:00~21:00 (休憩あり・8時間拘束）
例
1月12日 13:00~16:00（studio A / NA)
18:00~21:00 (studio B / SORA)
1月13日 13:00~16:00（studio A / SORA)
18:00~21:00 (studio B / NA)
1月14日 13:00~16:00 (studio A / NA)
18:00~21:00 (studio B / SORA)
私は「俳優と演技」を通して日韓の架け橋になりたい。
日韓の仲間が増える。もし日本と韓国が戦ったら、その仲間が戦いを止めるだろう。それが私の夢である。
チェ・ギュファン
招聘ワーク 講師紹介
NA「自分の話をもとに共同創作」
NA(ナ・ギョンミン)は、中央大学の演劇学科を卒業し、2004年にKBSの公開採用タレントに選ばれて俳優としてデビューしました。日本のNHKのような放送局であるKBSのタレントなら一般向けのドラマやバラエティ番組の出演などが普通の流れですが、NAは舞台で演技活動をすることを選びました。
2008年には、仲間と一緒に創作集団である「Creative VaQi」を立ち上げ、ポストドラマやドキュメンタリー形式の公演を次々と発表しました。彼らはセウォル号惨事や南北分断、難民、済州4・3事件などの歴史上の出来事を題材にし、その苦難を忠実に伝える方法を模索しました。NAは、登場人物ではなく現実の人々に寄り添った演技を通じて、独自の演技方法を追求してきました。
彼は既存のキャラクターにとらわれることなく、共同創作を通じてテキストを自己化・個人化し、自身の身体を用いて表現するという特徴があります。私は彼の「自己演出の方法」が、日本の俳優たちに新たな刺激をもたらすと確信しています。
キャラクターの創造する演技とポストドラマ的パフォーマンス、両方を行き来しながら、俳優の存在について考察しています。また、他の俳優と自分の考えを共有できる方法にも関心を持ち、俳優教育に取り組んでいます。
「Creative VaQi」を通しては、社会問題を劇場に持ってくる美学的な方法について、作家として俳優として、実験を続けています。
ナ·ギョンミン
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招聘ワーク SORA「遊びによる自分の拡張」
SORA(チェ・ソルファ)は、中央大学演劇学科で演技を専攻し、イギリスのThe Royal Central School of Speech and Dramaで応用演劇を学びました。
その後、プロジェクト・ターブ(TAV)を立ち上げ、子供、非行青少年、障害者、米軍基地の売春婦など、社会的に弱い立場にある人々や国の権力に被害を受けた人々の声に関心を寄せました。彼らの人生のストーリーを演劇化し、大衆の参加を促し、俳優と観客の両方を癒すことを目指してきました。また、イギリスとウガンダでの小学校での演劇ワークショップの講師経験を通じて、演劇作りにおける「遊びによる自己の拡張」を重要な手段とするようになりました。
「Seven House Sisters」という演劇では、在韓米軍を相手にした女性たちの過去と現在を素材にしており、SORAは記者役を演じました。現在は、その女性たちの過去の生活や歴史的な背景を紹介する平和博物館の館長を務めています。SORAの温かい関心を持ち、他人の人生に共感する姿勢と役作り方法は、NAと共に、「K-ACTING WS」の方向性を示しています。
私にとって演技は、果てしない探検と探求の過程なのです。なので今回のワークを通じて出逢う方たちと、その方々のお話をとても楽しみにしています。 ワークは、参加者にとっても私にとっても、互いの世界を経験できる良い機会だと思います。このように演技とは、私にいつも新しい世界を出逢わせてくれて、新しい人生を全身と心で経験させてもらえる勉強でもあります。
チェ・ソルファ
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「K-ACTING」
最も近いけれど最も遠い異国。韓国の通常が日本では非常識であり、日本の普通が韓国では特異なもの、日本は線を引いているが韓国は線を越える、全てが異なる日本と韓国。だからこそ、「K-ACTING」は日本から生まれる相対的な概念かもしれないです。
CHE、NA、SORAは「K-ACTING WS」を通して、皆さんを新しい自分の世界へとお招きします。
応募方法（締切 11/19(日) 23:59)
Google フォームよりお申し込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc6okwARrK90MPKTJ0TPs8pqq3XkvCGRLGrkWfcpS1GNFhgaw/viewform
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