魂を揺さぶる演技
はじめまして!
studio共作所の久保山智夏と申します!
皆さんは、映画や舞台のどういうところに着目してご覧になっていますか?
人によって、ストーリー・推しの役者さん・演技など、着眼点はさまざまだと思います。
私は映画を良く観るのですが、真実の瞬間を観た時に魂が震えるほどの感動を覚えます。
"真実の瞬間"とはなんぞや?
自分の感覚を伝えるのはすごく難しいですね…
studio共作所では、よく俳優と役の二重性というお話が出てきます。私たち観客は俳優を通して役を見、また役を通して俳優を見ています。
〈俳優が役の人生を俳優の肉体を通して経験している。〉
〈役が感じていることを俳優が本当に一緒に体感している。〉
役を演じる俳優の中ではこのようなことが起こっているのではないでしょうか。
俳優自身も役が経験しているのか、俳優自身が経験しているのか分からなくなる。
役と俳優の二重性が現れる時。そこに"真実の瞬間"があるのではないかと思います。
役が映画の中で、「本当に生きてる人間だ!」「地球のどっかに存在している人だ!」と思わせてくれるような瞬間が垣間見れた時、私は魂が震えるほど感動します。
私もそんな魂を震わせられるほどのお芝居を目指して、studio共作所のメンバーと日々鍛錬しています。
ーチェ・ギュファン氏との再会ー
私はstudio共作所には、2022年4月から参加しています。きっかけは古くからの知り合いである、チェさんとの再会でした。
十数年前、とあるワークショップで私はチェさんに会いました。チェさんの最初の日本留学の時で、良くペアでお芝居をさせてもらったのを覚えています。とてもエネルギッシュで情熱に溢れてる人だなという印象でした。それは久々に再会しても変わってはいませんでした。
その頃、演技を習うということが初めてだった私。監督や講師の方から演出を受けるものの、どう対応していいかが全く分かりませんでした。
言われていることは分かっても改善できない。こういう風にお芝居したいのに表現方法が分からない。
終わった後にはよく悔し泣きをしていました。(今も変わらずですが…。)
そんな時チェさんに「日本にはいっぱい翻訳された演技の本があるんだから読んで勉強しなさい」と言われました。そして"スタニスラフスキー"の本を勧められ、『俳優の仕事 第一部』を購入しました。
いざ読んでみたものの、内容がさっぱり分からなかったのとその分厚さに怖気づき、数十ページで挫折した痕跡が残っています。。。
ワークショップを卒業した後は、チェさんとは連絡を取ったりなどもしていませんでした。
しかし今年1月。当時チェさんと共に通っていたワークショップの同期の方を通して、二度目の留学で来日していたチェさんと再会しました。
そして自分の芝居に限界を感じていた私はここ3年ほど演技の勉強に専念していて、まだまだ勉強したいなと思っていたところ、チェさんからstudio共作所の件を聞き、参加することにしました。
そして、あの時読み切ることができなかったスタニスラフスキーの『俳優の仕事 第一部』と、なんと第二部まで!チェさんとメンバーと読了できました!
十数年経ってこんな風に繋がるご縁があるのだなぁと、読み終わった時にはとても感慨深かったです。
俳優の勉強をすることは、人間の勉強であることをこの本を通して改めて感じさせられました。
また韓国人であるチェさんの着眼点はとても面白く刺激を受けています。気にも留めなかった日本人的考え方にも気付かされます。
そしてチェさんは人の本質を見抜く力がすごく、いつも痛ぁいところをつかれます。。今もまさに変革を求められています…!
役を虚構の存在に終わらせることなく、命を吹き込む。
"生きた人間"を誕生させるためには人間というものを分解分析し、再構築しなければならない。
「人間の有機的な自然」の実現。
そんなお芝居を目指して、これまで私たちはスタニスラフスキーの教えをベースに学んできました。
さまざまなワークを経て来年2023年2月には、韓国人であるチェさんの韓国的解釈と演出、studio共作所の俳優たちで『ガラスの動物園』全幕公演を行います!
著作権が取れなかったため、無料公演となっております!(※別途劇場都合によりワンドリンクオーダー制)
私たちの活動にご興味を持っていただけましたら、是非本公演をご覧いただけたら幸いです!!
studio共作所メンバー一同お待ちしております!!
久保山智夏