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「ギャラクシークエスト」(1999) ネタバレあり
基本情報
『スタートレック』へのオマージュ満載のパロディ映画。
ストーリー
ログライン:昔のSFテレビ番組の栄光にすがりついている役者たちが、当時の番組がそのまま現実化している宇宙からのSOSを受けて、彼らを悪から救いだそうとする中で失っていた友情や尊厳を取り戻す。
・冒頭のセットアップが非常にわかりやすい。架空の番組があり、そこでパロディなんです、というのを示した上で、コンベンションの舞台裏へと進む。舞台裏ではそれ以降パッとしない俳優たち、同じ決め台詞を言うことに飽き飽きしている様子など、現状の落伍者感がちゃんと出ている。
ドラマというものを理解できないサーミアン人に対し、自分たちがやっていることは嘘をついていることなのだと説明せざるを得ないところで、彼ら自身が、自分たちが人生をかけてやってきたTV番組とは何だったのか、そして未だにファンたちの前でその嘘(悪い意味ばかりではない)を演じなければならないということについて改めて向き合わなければならない状況はとても良いと思った。そしてそれが悪役に歯が立たず、そこで言わされる、というシチュエーションがうまいと思う。無垢の人に対して何かを説明しなければならない、というのは本人に何かを気づかせるという意味で使えそう。
ピンチに陥った彼らをファンたちが自らの知識でサポートするのがよかった。
演技・演出
・ひとり子役を入れて、それが大人になっているのを見せることで感覚的にテレビ放映から時間がたっていることをわからせるのはうまいと思った。
・アランリックマンはこういう、いやいや何かをする役が天才的にハマる。
・サーミアン人の演技、キャラづくりは見事。バカっぽいのではなく、無垢というものをうまく表現していると思う。
・燃料を大玉転がしみたいにみんなで運ぶところは緊迫感のあるシーンなのに非常にコミカル。パイレーツオブカリビアン2で籠に閉じ込められたウィルたちが必死になっているコミカルさに通じる。
・また、ボスもあほっぽくてよき。
・シガニ―ウィーバーみたいな真面目路線の人がこういうコメディックな役をやるとめちゃくちゃハマる。
撮影
スターウォーズ、トレックっぽいセットとかがよかった。宇宙船とかはあえてチープ感出していると思うし、そこを見に来たわけじゃないので全然完成度気にならなかった。
好きだったところ
・決め台詞を嫌がっていたアランリックマンがドアを開けるところなどで徐々に対応し、最後、死にゆくクルーに向かってそれを言ってあげるところ。
・茶化すのでなく、スタートレックに詳しくない自分から見てもちゃんと愛が感じられた。
・最後、敵のボスが宇宙船から降りてきたときにファンがナーフみたいなスポンジの銃で撃つところ。
自分だったらどう撮るか
・サムロックウェル扮する脇役の葛藤がもう少し見れてもよかったかもしれない。
画像引用元:https://www.imdb.com/title/tt0177789/mediaviewer/rm1309312768/