2021年丑年 年賀状制作ストーリー
明けましておめでとうございます!
スタジオディテイルズのチーム4989です。
今回は、弊社の年賀状制作についてご紹介したいと思います!
日頃からお付き合いがあり、年賀状を送らせていただいている方々はご存知の通り、弊社では毎年、若手デザイナーを中心として年賀状の制作にとても力を入れております!
そんな弊社の年賀状が皆さまのお手元に届くまでの制作ストーリーです。
これまでの年賀状の振り返り
まずは、これまでの年賀状デザインの振り返りです。
2016年の猿の毛並みをイメージした毛皮付き年賀状を筆頭に、段々と平面だけに囚われずその年の干支と素材の組み合わせで進化を遂げてきました。
前年を超えるような年賀状を作らねばというプレッシャーが年々増していき、今年の丑年もアイデア出しから苦戦しました…。
2021年丑年 年賀状デザイン
試行錯誤の末に完成した丑年の年賀状はこちらです!
デザインコンセプトは、
“Fresh creative is in good hands!”
良いクリエイティブは良い手の中にある。
今年もあの手この手を使い、あなたを驚かす新鮮なクリエイティブを生み出します。
ピンクのゴム手袋が牛のお乳に見えるという発想から、“手”というキーワードを生み出しました。
コンセプトが伝わりやすいよう、牛のペーパークラフトからゴム手袋を見せるという、シンプルな形状に仕上げています。
今回の四苦八苦
さて、ここからこの最終形態に至るまでのお話を包み隠さずご紹介していきます!
まずは案出しからです。
毎年若手デザイナーで案を50案持ち寄り、その中からADと選定していきます。
初回の案出しはA4一枚に1アイデア、ラフとイメージを合わせて出していきます。
・デザインボツ案
150案→5案に。
毎年絞り込む段階で審査のハードルがあがっており、平面作品だとほぼ却下に。。届いたときのインパクトを最重要視してバシバシ絞られていきます。
こうして形に出来そうな5案を選定し、より具体的なアウトプットとアイデアを詰めていきます。
この段階でそれぞれの費用感も概算で見積もっておき、予算にはまりそうか検討していきました。
郵送で膨大な量を送るということもあり、予算とデザインの兼ね合いが本当に大変です。
インパクトを重視するがあまり送料が高すぎて予算にあわなくなったり、使いたい素材が大量に入手できなかったりとさらに難しくなってきます。
実現が難しそうな案を省いていきブラッシュアップしていきます。
この段階で残った案は、このようになりました。
・バター消しゴム案
バターを模した消しゴムとパン型のおみくじカード。
→特大の消しゴムが届く面白さ。受け取った方が参加できる仕掛け。
・牛乳パックティッシュ案
実物大の牛乳パック箱にティッシュを封入。
→インパクト大のサイズ感。デスクにおいて使ってもらえる物。
・牛乳石鹸キャンディー案
牛乳石鹸をキャンディーにみたて包んで送る。
→可愛い見た目と実用性。カラーバリエーション作れそう。
・牛乳石鹸おまもり案
牛乳石鹸をおまもりにみたて包んで送る。
→上記3案に違い正月感を重視した物。縁起物。
さらにデザインのブラッシュアップを進めます。
・バター消しゴム案
ひとめでバターとわかるパッケージになるように。
パン型カードをイラスト案と、実写案に。
・牛乳パックティッシュ案
ホルスタイン柄に加え、牛乳パック感を強めた案をもう一案作成。
・牛乳石鹸キャンディー案
キャンディーのポップな雰囲気を強めるカラーバリエーションのある案を作成。
・牛乳石鹸おまもり案
キャンディー案には劣ると考えここで脱落しました。。
そして、やっとCDへのデザイン提案です…!
3案提案し、この中のどれかに決まるだろうと思っていたところ…
一言
「インパクトが足りない」と言われてしまい、
もう一度、例年のように意外性のある素材×干支という組み合わせで作成していた原点に戻ってアイデアを出し直そう!ということになりました。
アイデア再考
ここまで考えて更に新しいアイデアが出るだろうか…という不安の中、刻々と時間が迫っていたので休日に各々ホームセンターなどに行き、インパクトや意外性のあるプロダクトとアイデアを見つけてくる。ということになりました。
そして、これは何かに使えそう…などパラパラと集めてきた素材を元にもう一度すり合わせを行いました。
・ふえきのり=タン
・指サック=お乳
・なべつかみ=お乳
・レモン絞り= 絞る
・栓抜き=鼻の輪っか
etc..
なかなか良いひらめきがでないなか、あるアイテムがお乳に見えてきました。
それが、ピンクのゴム手袋でした…!
(もう弊社デザイナーは手袋を見るとお乳にしか見えなくなりました笑)
全員の意見がそこでかたまり、一気にデザインに起こしていきます。
形になりそう!という確信を得て、どんどんブラッシュアップを進めていきます。
・アイデアはわかりやすいか、ひと目で面白いと思ってもらえるか
・アイデアは魅力的な形になっているか
・受け手の心をわくわくさせられるか
・写真を撮ったり、飾りたくなるものか
を意識して進めていきました。
モックアップを作成中、ゴム手袋を隙間から垂れ下げるデザインは、素材感もあいまってかなり安っぽい印象になってしまうのがネックでした。
また、郵送の際に袋や箱に入れるため、下手すると面白雑貨のようなパッケージデザインになりそうだという懸念が出てきました。
ぺろんと垂れ下がっているゴム手袋は、安っぽくてダサくなってしまう…。
もらっても嬉しくないのではないか…?
そこで、目をつけたのがペーパークラフトでした。
ユーモアがあり、つい飾りたくなる物で、お乳をちょうど垂れ下げられるかもと考えました。
そこからすぐにハサミを手に取り、近くにあったダンボールでざっくりと牛の形を作り、手袋を入れてみるとサイズ感・機能性どちらもGOできる!となり推し案として進めていきました。
※これが今回の年賀状の原点です。マジックで書いた模様でクオリティ度外視のモックアップで恥ずかしいですが、イメージを共有するには作ってみることが非常に大事です。
そして、ついに全社のスタッフ全員へ提案をします…!
最終的には、推し案のペーパークラフト案2案、箱型のパッケージ2案を提案しました。
結果満場一致で、A案に!
いよいよ最終ブラッシュアップを進めていきます。
ここからはデザイン組と資材調達組に分かれて、作業を分担して進めました。
牛のペーパークラフトは、初期案(写真左上)から、手袋を入れた重みでへたらないサイズ・紙をさらに検証していきました。
牛の写真を何度も観察し、デフォルメの仕方、手袋の入れ方などを工夫しました。
また、組み立てやすさもこだわり、受け取った方が中の手袋を取り出しやすく、もう一度簡単に牛だけで組み立てることができるようなクラフトを目指しました。
表面のデザインは、
・筆書きの風合い
・メッセージと一体化
・コンセプトメッセージを主張する
・キーワードの「手」のシルエットを入れてみる
・尻尾を紐を使って作ってみる
などの検証を一つずつ行っていきました。
最終的には、アクティブな印象のカタカナロゴのみを牛の柄に配置し、お乳に見立てた手袋に注目がいくようなデザインにしました。
また、中に封入するメッセージカードも同時進行でデザインを進めていきました。
中に入れる手袋も、予算の範囲内で色味・厚み・触り心地・ツヤの有無などを元に様々な手袋を検証し、お乳に見えるベストなものを探しました。
最終的に淡い色味で可愛い印象の一番左の手袋を使用しています。
まとめ
紆余曲折ありましたが、今年も皆さまに驚いていただけるような年賀状がお届け出来て嬉しく思います!
一つ一つ丁寧に制作しておりますので、届いた方はぜひ可愛がってあげてください。
今年もスタジオディテイルズをよろしくお願いいたします!
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編集者:小猿・須川・小倉・福田
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