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ジャスミンの名は眠気を誘う 花の名は。Vol.15

ジャスミンティーは眠気を誘う薬。本当かなあ? カフェイン、含まれてますよ。ベースはウーロン茶なので。この件、ちょっと検索してみると、就寝前に飲んでみたら眠れなくなったとか、質問や体験談に溢れていて笑えます。

香りの代名詞のようなジャスミン。その実体は、かなり面倒です。

ジャスミン茶のジャスミン。和名は、マツリカ、漢字で茉莉花。別名、アラビアジャスミン。学名、ヤスミヌム(ジャスミナムとも) サンバック。ヤスミヌム、ソケイ属はモクセイ科。ざっと300種があるそうで。まずはこの属から始めましょう。マツリカは常緑低木。クチナシに似た香りを放つ花、蕾をウーロン茶に混ぜてジャスミン茶が作られます。

栽培されているジャスミン、一番メジャーなのはおそらく、ハゴロモジャスミンです。学名、ヤスミヌム ポリアンサム。春、真っ盛りに咲きます。常緑性のツル植物です。別名、ピンクジャスミン。蕾が桃色で開くと白。その香りは遥か遠方からも届く、強いジャスミンの芳香。香りのジャスミン、ナンバーワンです。

ジャスミン、ソケイ属のうち、次いでメジャーなのはおそらく、オウバイです。学名、ヤスミヌム ヌディフロルム。黄梅と書き、ウメと同じ頃に咲きますが、あまりウメに似ているとは・・・。別名、ウィンタージャスミン。早春から咲くためでしょう。落葉低木です。ジャスミンなのに薫りません。

近縁種で同じように栽培されている、黄色い花。ウンナンオウバイ(ヤスミヌム メスニエ)、別名がオウバイモドキ、ウンナンソケイ。キソケイ(ヤスミヌム)、別名がイエロージャスミン、ヒマラヤジャスミン、ヒマラヤソケイ、ツルマツリ。いずれも常緑低木ですが、オウバイと似ています。ジャスミンですが薫りません。それにしても別名が多いこと。

ソケイ属から離れます。よく栽培されている黄色い花、つる性の常緑樹種、カロライナジャスミン。軽やかな名前ですが・・・毒があります。マチン科。花は若干弱めなジャスミンの香り。こっちも別名がイエロージャスミンだったり、ニセジャスミンという蔑称まであり。熱帯系で室内栽培される花木にはマダガスカルジャスミン。キョウチクトウ科で、えーと、やっぱり、毒です。

熱帯系にはミカン科のジャスミンもあります。和名ゲッキツ、別名オレンジジャスミン、シルクジャスミン。毒はなさそうですよ。おっと、ナス科にもいました。予想通り有毒。庭木としてはそこそこ、使われています。和名、ニオイバンマツリ、漢字で匂蕃茉莉、別名、アメリカジャスミン。花の色が紫から白へ変化していくので、2色で咲いているように見える常緑の花木です。確か、匂わないバンマツリもあったはず。

まだまだ、なにしろソケイ属だけで約300種ですし、別名ジャスミンもまだ隠れていそうです。それぞれに、入り乱れる別名、甘く濃厚な薫りが、人を惑わすのでしょう。

ハゴロモジャスミン



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新井裕之(StudioA)
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