写真を撮っているときが一番幸せ 【スタジオループ座談会④】
前回はこちら。
良い瞬間に立ち会える
ー撮影時に心がけていることや、カメラマンの醍醐味について教えてください。
TAKUMA
家族写真なら、子どもと友達になること。「来年も来るね、おじちゃん!」って言われたいんです(笑)。親戚のお兄ちゃんとか。遊んでるっていうか、保育園みたいにしているので、お父さんお母さんは子どもたちを見ていなくていい。
HAMA
継続的に来てくれてるお客さんの撮影は、醍醐味を感じますよね。家族写真は、毎年毎年積み重ねて記録していけるんで、カメラマンをやってて良かったなと思います。あと、写真屋さんって良い瞬間に立ち会えるんです。結婚式、企業の式典、お店のオープン。そういった良いところに立ち会えるのは本当に幸せなお仕事だと思います。この前も出産に立ち会って撮影させてもらったり、そういうところは本当に写真屋の醍醐味ですね。
COZI
僕も同じです。醍醐味は、幸せな瞬間のすごく近くにいられる。“ハッピーズハイ”みたいになれる。例えば赤ちゃんの撮影なら、ご家族のその子に対する願いだったり、幸せな思いが詰まってる瞬間を僕たちは形にする。パパとママが一生懸命育てた子、とにかく幸せの塊じゃないですか。それを記録してるだけで、近くにいられるだけで幸せな仕事。めっちゃ疲れるんだけどすごくエネルギーをもらえるんですね。
HAMA
楽しんでるよね、写真撮ってるときは。パソコンで写真データの整理をやっているときはつまらないです(笑)。本当に寝てたい!って思うんですけど、写真を撮ってる時間は楽しい。
TAKUMA
でも写真のセレクトをしているときは、ちょっとクスッてなりませんか。
YAMADA
HAMAさん、いつも爆笑してるじゃないですか。「なにこれ、かわいいー!最高!」って(笑)。
TAKUMA
気持ち悪いくらい(笑)。
HAMA
(笑)。
COZI
例えば整体師って、疲れている人を相手にしているから、疲れをもらっちゃうことがあるらしいんですよ。僕たちは真逆で、幸せな人しか来ないから。
HAMA
仕事してるときが一番楽しい。写真を撮ってるときが一番幸せ。
カメラに入っていく感覚
COZI
撮影では、自分が今まで得た知識やスキルが、今この場で全て活かせる。
結婚式の最中、後ろを向いておばあちゃんが泣いているのがわかったら、ケーキカットしている2人を見ながら、同時におばあちゃんに露出を合わせている。持っているスキルを人のために存分に出せるんですよ。
HAMA
毎日ゾーンに入れる。
TAKUMA
「絶対2人が喜ぶじゃーん!」という写真が撮れてしまう。
HAMA
カメラの中に入っていく感覚というか。
COZI
あるよね。
HAMA
今、俺邪魔してない。空気を邪魔してない。あの感じがすごい好き。
COZI
特に結婚式はあるよね。ただ次の日がね…。腰が痛い、膝が痛い。6時間水も飲まない、トイレも行かない、動きっぱなし、超気をつけている。そんな感じなので結婚式は結構ハードです。
YAMADA
結婚式はドラマの連続だから、僕もすごい好きです。空気感を撮りたい。後々見た人が、こんな空気感だったよね、この人こんな表情してたよねっていうのを残したい。それこそさっきCOZIが言っていた、おばあちゃんが新婦さんを見て涙ぐみそうな、そのキラキラした瞳を撮りたいとか。そういうものをいっぱい残したい。
徹底したサービス精神
COZI
結婚式は、「スーパーサービス精神」が必要なんです。鍋茶屋さんとか、新潟でもトップクラスのサービスを提供する場所で、僕らはスタッフの一人として参加する。だらしないことは一切できない。ループのカメラマンはサービス精神が鍛えられている。どこに出しても恥ずかしくないと思っています。
HAMA
全員ヒゲが生えてるけど(笑)。
YAMADA
アシスタントとして式場に入らせてもらったときも、撮影が終わって次の流れを確認しようかとCOZIと打ち合わせしてるときに、曲がったネクタイを直されることが何度もありましたね。
COZI
そこは徹底しています。手が空いていたら配膳までするようなカメラマンです。
HAMA
企業さん向けには、何がポイントだろうね。
COZI
結婚式の撮影をしているカメラマンって、何でも撮れるんですよ。最上級のサービス精神がある。だから企業系の撮影では、クライアントの求めていることを秒で理解して、すぐに次のモーションに移れる。察しがいいのかな。次のシーンがイメージできるから。
一方で、最新の技術は持ってない(笑)。Wi-Fiがついてないカメラを使っているし。
HAMA
未だにミラーレスじゃなくて、一眼レフを主戦力にしています(笑)。
COZI
レンズも1人3〜4本ぐらいしか持ってないね。
HAMA
ローテクだね。TAKUMA君ぐらいじゃない。いろんな機材を使いこなしてるの。
ライティング本を作ってください
―お互いにすごいと思うところはありますか?
COZI
TAKUMAのライティングへのこだわりは多分、新潟で一番。美容系をここまでこだわる人は新潟ではいないし、東京でもそうそういないんじゃないかな。人が喜ぶ写真を撮りたいという思い、その人がコンテストで受賞するのがすごく嬉しいという思い。モデルさんに多少無理な注文を出してでも、スタイリストが求める作品を撮影する。そのためのこだわり尽くしたライティングと補正技術は凄まじいです。
YAMADA
何をやっているのか説明されてもわからないですもんね。
HAMA
すごい細かいよね。あんまり教えてくれないし。
TAKUMA
必要ないでしょ。HAMAさんは絶対やらないもん(笑)。
HAMA
なんで?やらないけど、知識としては知りたいじゃん(笑)。
COZI
その知識は営業に使えるじゃん。
YAMADA
ライティング本を作ってください。
TAKUMA
他にすごい人がいっぱいいるから…。
COZI
HAMAは、その人の空気感を捉えるのが世界一上手い。いつもアップデートされているんですよね。好きな写真がいつも変化している。ずっと作家を続けている。写真を大好きでいられるのがすごいなって思います。
HAMA
写真好きは頑張ってます。写真展とかもめっちゃ行ってます。結構そういうのに時間を使っています。
COZIはね、ポージングがめっちゃ上手い。細かい指示で人を綺麗に見せるのが上手ですね。「何でこうやって撮るん?」って疑問に思っても写真ができあがると分かる。
YAMADA
光の捉え方が上手なんですよね。つまり、写真が上手(笑)。
HAMA
雑だなー(笑)。もうちょっとさ、売り込みやすい言い方にしてよ。
COZIは観光写真みたいなありきたりなものを撮らせたら、もったいない感じ。もっといい匂いのする写真を撮ってくれる。例えば、夕暮れにみなとぴあへポートレートを撮りに行って、現場光と簡単なライティングを組み合わせて、すごく上手に撮るんです。
YAMADA
要するに、シチュエーションにおいての最適な写真を撮れる。その状況下でのベストの写真を必ず出せる。
【次回へ続きます】