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僕らにとって、散歩は冒険|ループのザツダン【COZIが今、ハマっていること】 前編

ループのカメラマンは多分、いや、確実に個性的。今回から、そんなカメラマンそれぞれの素顔が見える雑談(本当に雑談)をお届けします。まずは、COZIが「今、ハマっていること」を話しました。

 聞き手:うのりな(ザツダン

COZI:こないだ、初めて熱中症になってさ。本当に熱中症だったのか分かんないんだけど、チョウチョが見えた。
 
うの:チカチカしたってこと?
 
COZI:そうそう。だからまずいと思って、迎えに来てもらったんだけど。熱中症になるぐらいハマってるの、お散歩に。
 
うの:秋田犬のコロ助くんとのお散歩ですね。

秋田犬のコロ助


 COZI:妻からは、「COZIは犬の散歩じゃなくて冒険をしてる」って言われてる(笑)。僕たち、毎日違うルートを行くのね。たまに同じになっちゃうときもあるんだけど、お互いに行きたい方向がマッチするのを楽しみたくて。

今日、僕はこっちの村に行きたい、こっちの道に行きたい、山に行きたい、海に行きたい、とか。角田浜に住んでいるんだけど、すごく自然なとこでさ、歩いて5分で山も登れるし、海も行ける。
 
うの:選択肢が豊かですね。
 
COZI:そうだね。で、もう道ってすごいいっぱいあるから、ルートも決めないで行くんだけど。コロ助が行きたいところと、僕が行きたいところがマッチするとすっごい快感でさ。犬の散歩ってさ、リード(引き綱)にテンションがかかるじゃん。
 
うの:そうですね、ルートが決まっていると「そっちじゃないよ〜」っていう。
 
COZI:例えば、匂いを嗅ぎたい場所で立ち止まるとリードが張って犬の首がグッと締まるじゃん。それがない。リードが緩まっている状態が1時間続くのがすごくうれしい。コミュニケーションが完璧にとれている気がするから。

うの:それはどうやったらうまくできるんですか?
 
COZI:やっぱり会話をしてると思ってて。
 
うの:本当にしゃべりかけてるってこと?
 
COZI:そう、本当にしゃべりかけてもいるし、あっちも聞いてる。「コロ助、今日山行かない?」って聞いた時に、止まってお座りして、ハッハッハッってやると「行こうよ行こうよ」って合図だし。尻尾をダラーンと下げて、目をそらすと「今日はそっちじゃないんだけど」っていう合図だし。

うの:そんなに会話できるんですね(笑)

COZIそのコミュニケーションがすごい楽しくて。そんなこんなしてるうちに本当に中毒みたいになってて、今は朝4時半に起きてる。散歩は1時間って言ってるんだけど、1時間半ぐらい行っちゃって(笑)

夕方は19時ぐらいまでしか散歩できないから、その日の仕事の都合に合わせてね。今は日が暮れてからじゃないとアスファルトが熱くて行けなくて、30分とか40分になっちゃうんだけど。それがね、すごく幸せなんですよ。


うの:元から好きだったんですか?ランニングとか、ウォーキングとか。
 
COZI:それが大嫌いなんだよね。というか、元々くるぶしが悪くて常に脱臼している状態で生きてきてるんだけど、それをカバーするために膝がすごく硬い。そのせいもあって股関節が緩い。で、股関節の影響で腰が悪くて足に筋肉がつかない。それでずっと有酸素運動ができなくてさ。

だから今までやってきたスポーツは走る以外。上半身を使う水泳とか、素潜りとか、あと乗馬。歩くと膝が痛いし、走れないから、自分が選んできた趣味のスポーツって足が関係ないものなんだけど。なのに、人生で初めて歩かなきゃいけないってなって(笑)
 
うの:ワンちゃんを飼いたくても、お散歩はネックだな〜って嫌じゃなかったんですか?
 
COZI:もちろん、すごく不安だった。だからローラーブレードを買ったりして。
 
うの:あの、昔のアイドルが履いてるようなやつ?

COZI:それはローラースケート(笑)。ローラーが一本のやつ、スキーみたいな感じって言うと分かるかな。犬を走らせることができて、僕が走らなくてよくて、なんなら引っ張ってもらえるやつ。他にも、電動のスケボーを検討したり、散歩をいかにラクしてやれるかを選択しようとしてた。今までの生き方と同じように。
 
…なんだけど。そうじゃない楽しみ、BOY(コロ助)との毎日の冒険とコミュニケーションが信頼関係に必要だっていうのが分かって。それから、毎日1時間以上歩いてるんだけど、本当に仲いいの、僕ら。


うの
:スケボーだとコミュニケーションが難しかったんですか?
 
COZI:難しかった気がする。やっぱり余計な音が入るから対話が難しい。BOYの足音とか、道端にいる野生動物の足音とかさ、そういうのを聞き逃してしまうでしょ? それってすごくもったいない。生産性がないというか。

それに散歩をさせてあげてることになる。「犬の散歩」になっちゃうじゃん。じゃなくて、彼と僕は毎日冒険をしてて
 
うの:「2人で一緒に」なんですね。
 
COZI:そう、たまに彼が行きたくないときもあるけど、説得して「行こう!パパが行きたいから行こう!」って(笑)
 
うの:説得してまで(笑)
 
COZI:「まじで?」みたいな感じで行くときもあるし、「今日、お腹の調子悪いんだって〜」みたいな顔してるときもあるんだけど、「いや、行こ!いっぱいウンチしてから、海で遊ぼうぜ!」みたいな(笑)
 
うの:そこは、散歩お休みじゃないんだ(笑)


 
COZI:走るとか、歩くとか、今までしてこなかったけど。するようになって人生でいちばん痩せてる。しかも人生でいちばん健康
 
うの:それじゃ、今はお散歩ベースの生活リズムになっている?

COZI:完璧に(笑)。最近よく言われるんだけど、「散歩しかしてないおじさん」っていうのは本当正しいんだよね。16時以降の撮影とか全部NGにしてる。10時から12時の撮影以外は要検討(笑)
 
うの:みじかっ(笑)!毎日、インスタのストーリーにBOYの写真をアップしてますよね。楽しみに見ています、私。


COZI:あ、けどね、地域の人にも良い影響があって。
 
最近ほら、イノシシが暴れたとか、野生動物が村に降りてくるってよく聞くじゃん。それって外飼いの大型犬がいなくなったことが関係してるんじゃないかって言われてて。

そんななかで、僕らが毎日違うルートで地域を歩くもんだから、うちの近所は今年スイカ畑が荒らされなかったんだって。
 
うの:すごい!イノシシが警戒してるんだ。
 
COZI:そう。だから、近所の農家さんから「ウンチとか抜いた毛をちょうだい」とか言われるんだよ。ケモノ避けにすごい効くから。
 
うの:それはやっぱり秋田犬だから?
 
COZI:そう。イノシシ、シカ、ウサギ、タヌキなんかの最大の天敵、野獣の食物連鎖でいうところの日本の一番上はオオカミ。だから、野生動物はおっきな犬が嫌いなんだよね。
 
うの:じゃあ、お2人の散歩は地域のみんなからも喜ばれてるんですね。
 
COZI:そうだね(笑)「そろそろ収穫になるっけさ、ちょっとここで毛抜いてってくれや」とかよく言われる。「いい形のウンチあったらちょうだい」とかも。みんなに良い効果があるのはうれしいなと思って。

それに近所のパトロールをしてるとも思ってて。一昨日もイノシシを撃退したし、そのちょっと前にはキツネを見て通報してるしさ。


 
うの:犬を飼うのは初めてですか?
 
COZI:ううん、実家はずっといた。柴犬のブリーダーをおじいちゃんがやってた時期があって、ちっちゃいときから高校生ぐらいまではずっと犬と一緒にいたかな。
 
実家はあんまり漫画がなかった家なんだけど、唯一あったのが『銀牙 -流れ星 銀-』。うちのおじいちゃんも、親父も、お母さんも好きで、それだけはあった。秋田犬が主人公なんだけど、狩りをするクマ犬なんだよね。それがクマのボスを倒すために日本中を旅して、いろんな犬種の野良犬たちと連合を組んでさ。

いろんな国のいろんな犬種が出てくるんだけど、一番強いのは秋田犬。その憧れが強烈にあって。15歳のときから唯一言ってる夢が「秋田犬を飼うこと」。カメラマンになるって決める前から言ってたんだよね
 
うの:カメラマンよりも長い夢。なんでこのタイミングだったんですか?
 
COZI:娘が小学校に上がるタイミングだからかなと思う。どんどん手が離れていっちゃうでしょ。それに毎日苦しんでた、さみしくて。

なんなら生きてく意味さえないと思ってた。例えばお風呂とか、お昼寝とか、これから先は一生ひとりなわけじゃん。あの幸せな時間はもう一生戻ってこない。そんなの、どうやって生きたらいいんだろうと思って。本当に毎日妻に相談して、生きがいみたいなのをずっと探してた
 
その前はJC(青年会議所)の活動が趣味みたいなもんだったけど、終わっちゃって。他にもいろんな趣味があって、泳ぐことが好きだったし、魚をついたり、バイクに乗ったりしてたんだけど、娘が生まれてからはしたくなくなった。
 
それは、死にたくないから。娘と離れる危険があることは絶対にしたくない。だから、そうならない趣味を探ってて。柔術、格闘技、それに鉄砲。社会課題を問題解決することは元々好きなタイプだから、狩猟とかいいかもなって。

地域住民のためにカラスやイノシシを駆除するのは多分好きだし、鴨肉も大好きだから。それに近所に射撃場があるから、ちょうどいいなと思ってたんだけど。けど、なんか殺すって嫌じゃん。

うの:確かに、人間のエゴな部分がありますもんね。
 
COZI:そう、そもそもね。しかも僕の場合は趣味のためにやることじゃん。それが命を奪うって、人に堂々と言えることじゃないなと思って。
 
助けられる人はいるかもしれないけど、でもごく一部。それはウィンウィンウィンじゃない。だから、しないことにした。よくよく考えてみたら僕には合わないと思って。

それで、ずーーっと探してたんだけど、全然ない。実は、楽しくない日々が4〜5年あった。それまではJCと子育てが趣味でいられたんだけど、それが全部なくなっちゃったもんだから、何をしてていいかわからなくて。
 
無気力な毎日だったんだけど、それが全部まとまって。今、幸せなんだよ
 
うの:「そうだ、忘れてた夢があった」ってなったわけだ。
 
COZI:そう。大事な夢を1個、とっといてあるなと思って


後編に続く


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