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求められることに、120%応える 【スタジオループ座談会②】

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家族写真のパイオニア


―ループといえば家族写真ですが、始めたきっかけは何だったんですか?

 
HAMA
僕がループに入るまでは、家族写真っていうのはスタジオで撮るものだと思ってたんだけど、うちの家族写真をCOZIに撮ってもらったことがあって「家族写真って楽しいな〜」と思いました。
 
それをどうにか広めたくて、新潟の子どもが集まる場所に行って、撮影会やりませんか?って声をかけていました。そこから少しずつ撮影会をやらしていただいて、だんだんお客さんを増やして…っていう感じで、今13年ぐらいになります。
 
COZI
元々は結婚式の写真を撮るのが得意だったから、まずそれを商品化していたんですよ。そうしたら、結婚式の写真を撮らせてもらった方たちから、家族写真を撮ってほしいというニーズが出てきた。でも、酒しかないスタジオに子どもが来てもしょうがないよなぁ…ってなって(笑)。
 
そのタイミングでまだループに入る前のHAMAと飲んで「空気感を感じられる家族写真を撮りたいんだ」って話を聞いた。それで、うちに今すごくニーズがあるから…ということでループに入ってもらうことになった。
 
HAMA
前に働いていた写真館は、フィルムカメラをセッティングしたところにお客さんを座らせて、バッシン!バッシン!と8枚分のフィルムを切ったらおしまいだった。それだと表現できるものが少ないし、決まりきった写真しか撮れなくて。やっぱりもっと楽しく撮れる方がいいだろうと思った。
 
COZI
ちょうど時代の境目だったと思う。デジタルとフィルムの境目だったし、HAMAみたいな考えのカメラマンも今後増えていくんだろうなって予想はついていた。デジタルカメラが広がれば、家族写真がもっと気軽に撮れるものになるだろうと。
 
HAMA
今、家族写真のカメラマンはたくさんいるもんね。
 
COZI
出張カメラマンも増えたよね。うちは全国的にも走りではある。
 
HAMA
当時は毎日頑張ってアメーバブログも書いていました。SNSはまだなかった。
 
ブログが流行りだした時期だったんです。ママさんブログがたくさんあったから、パパさんブログをやれば盛り上がるかなって書いていたら、それなりの集客ができるようになった。
 
COZI
HAMAは、ちょうど子育てをしている真っ最中でした。彼は何でも取り入れるのが早くて、産休・育休も取った。ママ寄りなパパの目線を持つカメラマンっていう切り口で、そのブログは人気が出た。そのプロデュースとディレクションはドはまりしたのかなぁと思います。計算がないようで実はあったりして、その時代に合わせるようにはしていました。
 
TAKUMAを誘ったタイミングは、フリーペーパーもたくさんあったし、街の撮影が多かった。TAKUMAは俺より街を知っているから、そっちを任せて俺は家族写真やブライダルの方に力を入れました。HAMAが入ったあとは家族写真を任せて、俺はブライダルやクリエイティブの方へ。そうやって分担してきました。
 
俺にマネジメント能力が全くないからマネージャーを入れて、デザイン能力もないからデザイナーを入れて。そういう感じでループに人が集まっていったような気がしますね。

たまり場のようなスタジオ


TAKUMA

当時はスタジオ撮影がほとんどなかったんですよ。ずっと外で撮影をしていました。HAMAさんが入ってから、スタジオ撮影がばーっと増えたんですけど。
 
COZI
最初なんて、スタジオは酒飲む場所だったもん(笑)。

TAKUMA
人が集まるたまり場みたいな場所でもあった。学生が「写真見てください」って遊びに来たり。
 
HAMA
良い雰囲気だったよね。ああいう場所をまた作るのもいいかもしれない。

誰かにとっての最上を


―得意な写真や好きな写真はありますか?

 
TAKUMA
僕は美容師をやっていたので、美容師の友達がめちゃくちゃいっぱいいるんです。彼らと一緒にヘアースタイルの写真とかクリエイティブな写真を、スタジオワークで作るのが得意ですね。
 
ライトを組み合わせて作ったおしゃれな変わった光を使った撮影をずっとやってきました。アカデミー賞みたいなヘアースタイルのフォトコンテストを目指してやっています。一般の方にはあまり知られていませんが。新潟から優勝者を出すことを目指して、10年以上前からやり続けています。コロナ禍でちょっとなくなっちゃったんですけど。
 
―それは美容師の経験が活きているということなんでしょうか。
 
TAKUMA
全然活きてないです(笑)。ただ、人脈は活かせている。一度、美容師になって良かったなって思うのはそこくらい(笑)。
 
COZI
美容師の経験が活きてるっていうよりは、美容師になれなかったコンプレックスが活きてるよね。
 
TAKUMA
(笑)。それはあるかもしれないです。羨ましさはある。
 
COZI
TAKUMAの世代は、美容師=おしゃれな職業という憧れもあるから、その人たちから求められる人になりたいっていう欲求はあるんじゃないかな。それにはカメラマンっていうのがすごいちょうどマッチしたんだと思う。そのコンプレックスが原動力になっている。
 
TAKUMA
その通りですね。自分がずっと美容師をやっていたらどうなってたんだろうって、撮りながら思ったりもします。何なんですかね、プライドとか、コンプレックスなんでしょうね。
 
COZI
TAKUMAが得意なのは、光を自由自在に操ること。あと、モデル撮影の場合は「人」として撮らない撮り方ができる。
 
TAKUMA
物撮りの感覚で人物撮影をする。
 
COZI
マネキンのように撮るっていうか。人格を持たせない写真だね。
 
HAMA
はたから見ていると、人に求められる写真が好きだと思う。
 
COZI
あ〜、そうだよね。
 
HAMA
誰かに認めてもらえる写真が好き。だから、例えば家族写真だと、カメラを向いたにっこりの写真をちゃんと撮ろうとか、そういうことを一生懸命努力している感じがします。
 
TAKUMA
叶えてあげたい気持ちがあるんです。
 
HAMA
取材の写真も、ちゃんと取材ぽい写真を撮るしね。ニーズに合った写真を撮る人です。
 
TAKUMA
自分が「これ撮りたい」ってあんまりないですね。言っちゃうとアレですけど。
 
COZI
作家性がないんですよ。
 
TAKUMA
撮りたいものを教えてもらえればそれを撮ります。120%頑張りますってタイプです。
 
COZI
セルフディレクションはしない。だけど、誰かが考える最上のものは叶えてあげられる。戦略性を持って、最上のものを実現させてあげられるんだけど、自分の最上は追求しない。
 

【次回へ続きます】

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