キバナノヤマオダマキ【 黄花山苧環 】
以前の投稿で、「セイヨウオダマキはフランス人形に似ている」というようなことを書きました。セイヨウオダマキの萼が、フリル付きのボンネット( 帽子 )にそっくりだったためです。
オダマキ家のお嬢さんは、みなさん個性的な帽子をお召しなのです。セイヨウオダマキの萼が、フリル付きのボンネット( 帽子 )にそっくりだったためす。オダマキ家のお嬢さんは、みなさん個性的な帽子をお召しなのです。
キバナノヤマオダマキは、顔周りをふんわと覆うような萼に、これまで登場した姉妹に比べてツーンと高く伸びた距( キバナノヤマオダマキの後頭部についているとんがり )が特徴的な帽子をかぶっています。
俯き加減にほっそりとしたシルエットが、実にしとやかです。こんな形と雰囲気、どこかで見たことがあるような……?
そうそう、思い至りました。ヨーロッパの童話に出てくるとんがり帽子に似ているのです。中世ヨーロッパの肖像画や絵画などで貴婦人がかぶっている、ヴェールのついた円錐形の帽子。
これはエナンというそうですが、wikipediaによると「おとぎ話に登場する
王妃が身につける典型的な衣装の一つとなっている」とあり、道理で気品
を感じるわけだと膝を打ちました。
さらに、「装飾写本に描かれる王妃や女王がかぶる小さな王冠は、まわりにつばがついているか、エナンの先に載せられているかのどちらか」との記述があり、ますます勝手に納得。キバナノヤマオダマキの距の先っちょ、よーく見ると丸い玉状になっているのです。どことなく、宝石で縁取られた王冠に似ていませんか。
と、ここまでは私の中でおしとやか路線だった、キバナノヤマオダマキですが。下の写真だけ、印象が180°異なりました。
花のすぐ下についている葉が短い両手を広げているように見え、すると、花もなんだかこちらに目線を向けているように見え。「ねぇねぇ、聞いて聞いて!」とこちらへ駆け寄ってくる小さなやんちゃっ子みたいに見えてしまって、そう見えはじめたら、もうその姿にしか見えず。可笑しくて可笑しくて、笑ってしまいました。さっきまで王妃だったのに、やんちゃ王女に変わってしまわれた……。
印象なぞ、見方が変われば如何様にも変わるものですな。