AnodizeHead「ST」
都内を中心に活動する愛すべき酔いどれ3人組"AnodizeHead"。3月13日(土)鶯谷ワッツアップにて彼等ならではセンスで集められたメンツにより行われた自主企画"陽極賛歌 vol.1"開催日に6曲入CD"AnodizeHead"をドロップ!メンバーである213&OKD両氏が先日わざわざオリーブまで届けに来てくれました。いずれ直接購入しようと思っていたので本当に嬉しいサプライズでした。このレビューはメンバーさんの承諾なしで勝手に書いたものなので何かあれば遠慮なく言って下さいね。
音源は1〜3曲目までが英詞、4〜6曲目までが日本詞という何かコンセプトがありそうな並びの6曲入。
ノイジーなギターのフェードインから始まる"My life is fucking,but better than you"と曲間無しで畳みかけて始まる次曲"Suck my dick"はグランジとシューゲイザーの異種交配がパンキュッシュに疾走するアグレッシブナンバー。続く"Sakaba kitaro"も前2曲を引き継ぐタイプの曲ながら静と動のコントラストをつけ展開する地を這うヘヴィナンバー。いずれもカウパーズの名コンピ"Every Little Singles(1998)"を彷彿とさせる3曲。続く日本詞サイドで風景が少し変わります。1曲目"Lemon room"は正に"ティーンエイジピクシーズ(彼等は皆20代ですが)"と言える趣きのスローナンバー。改めてライブで聴いてみたい1曲です。
次曲"Gump"は個人的にこのアルバムのハイライト。高校の卒業式が終わった後の”此処に居たいけど出て行かなきゃならない”というあの何とも言えない気持ちを思い出してしまいました(もう30年以上前の話ですが…汗)。ラストの"Rascal"はゆっくり走り出す瞬間を切り取ったような力強いロックナンバー。Aメロ右側で鳴る拙いリードギターがエンディング感あってとても好きです。
英詞/日本詞とコントラストをつけながらも違和感なくアノダイズ節が炸裂していてトータル20分という長さも自分には丁度良く丁寧なミックスも相まってここ何日か何度も聴いています。狙ったようなローファイサウンドでも胃もたれするようなコンプサウンドでも無く、隠しきれない脱臼感を携えて走っているさまがコンパイルされた6曲。乗ってるレールは違えどPROMやTTUD(この2組も我が道を進んでいて本当にカッコ良い!)と同じベクトルを感じました。
ライブにおけるあのガチャガチャした印象はAnodizeHeadの最大の武器だと個人的に思っています。その精度を更に研ぎ澄ませてブラットサースティブッチャーズやスピッツの様な唯一無二の存在になってください。
スタジオオリーブ
福原正純
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