見出し画像

映像制作ブック#002 企画8割 + 撮影1割 + 編集1割



こんにちは、映像屋さんを営んでいます。

本日は、企業動画のご担当者様や映像制作をこれからやってみたい方へ!

映像制作の全工程において失敗しない為の仕事術をメモしてみたいと思います。

動画制作にお悩みの方に少しでもお役に立てれば嬉しい限りです!

1、映像制作のプロって? 〜動画再生回数では測れない〜

さて、映像制作のプロとはなんぞや?というところに少しだけ触れてみます。

ズバリ!「プロとは打率だ」と私は考えてます。

クライアントの要望通り、クオリティーの高い仕事を、確実に!確率を維持し続ける事!
(動画再生回数ではありません)

YouTubeなどの再生回数を上げたい場合には、SEOが大きく関与してきます。
トレンドリサーチやサムネイル、テキストなどSEOについても勉強することをお忘れなく。

2、映像制作の成功率を上げるには!

では、その「成功率」を上げるにはどうしたら良いか?

映像制作の工程は下の3つに分けて考えます。

◾️映像制作工程
①プリプロダクション
(ヒアリング、企画、デザイン、絵コンテ)

②プロダクション
(撮影)

③ポストプロダクション
(編集、CG、音調整)

前提条件として、撮影技術、編集技術はプロ並みに長けている事として、全制作行程を一人で担当する場合、①のプリプロダクションに8割の力を注ぐ事が成功の鍵を握ると私は考えます。

なぜ①が8割なのか?ご説明します。

3、制作バリューを上げる方法 〜絶対にやってはいけない3M〜

3つの映像制作工程を踏まえた上で、下の図を見てください。

バリューを上げるには?

縦軸がクオリティー(パフォーマンス)、横軸が工程、時間(コスト)とします。
バリューを上げるには青線が望ましいです。

PreProの段階(企画コンテ)で8割、決まりごとをクライアントと詰めておく事が鍵です。

それには、クライアントの担当者ではなく、役員などの上層部までアグリーを取っておく必要があります。

企画、絵コンテ、ビデオコンテの状態で上層部までアグリーを取っておかないとどのような事が起こるのか?

例えば、撮影、編集を終えてクライアントチェックを行う段階で役員からNGが出た場合、企画段階まで遡らなければいけない程の修正依頼が来たケースが過去に何度もあります。

そうなると、納期が決められていて、後ろ倒し出来ない場合、間に合わせるためには制作側に大きな負担「ムリ」が生じてきます。

当然「ムリ」が生じれば、
初期の企画制作が「ムダ」となります。
結果、制作時間も無くなり品質に「ムラ」が生まれます。

そうです3Mの完成です。
「ムダ」「ムラ」「ムリ」
図のピンク線がそれにあたります。

編集でなんとかして!と投げ出すディレクターもいます。

編集で帳尻合わせを試みてもムダです。

気をつけたいことはもう一つ、自分は黄色線を辿って仕事を行っているつもりでも、実は赤線を突っ走っていることに自分では気づきにくい事です。

気づいた時には時すでに遅し、なんて事も多く見受けられます。

ですので、プリプロの企画段階に思いっきり時間をかけて、細部まで徹底的にやりきる!

全て絞り出してから撮影に望むのが映像制作を成功させる肝になります。

もう一つ失敗例として、編集の際に「アジャイル型」になるクライアントさんがいます。
提出→修正依頼→提供→修正依頼→提出…
このトライアンドエラーのやり取りが永遠と続く事があります。

これも制作側の負担になりますので、企画段階で詰めておく意味がお分かりになるかと思います。

4、一般人が作る動画とプロが作る映像の違い

最後に、一般人とプロの違いをお伝えします。

私は普段、インスタントな作品を「動画」
作り込みが必要な作品を「映像」と呼び方で棲み分けを行なっています。

一般の方が「動画」制作を行う場合、プリプロの工程をすっ飛ばしがちです。

なぜなら、普段、旅行や運動会、結婚式など家族動画を作る場合は、いきなりプロダクション(撮影)から入る事がほとんどです。

撮影したものをパソコンに入れ、とりあえず編集をはじめます。
(私も旅行動画など、家族動画を作る際は撮り溜めたものを編集してます)

そして、なんとかストーリーを繋ぎ合わせて編集したものの、何かが足りないと感じ、華美に装飾して仕上げていく。
(過剰な装飾でカバーしようとする方が多いです)
「バタバタとうるさくなる」「何かプロと違う」と感じる要因の一つです。

結果、時間軸に沿って淡々と起こった事が流れて行く「記録動画」などになりがちです。
家族の思い出としては私も良く作ります。

しかし、プロが作る映像は何かしら意味を持たせ、企業課題などを解決する事が求められます。

プロとアマチュアでは、そもそもの目的が違う事を肝に銘じておきましょう。

まとめ 
準備を怠ると低クオリティ動画になり、信頼低下につながる

もちろんドキュメンタリーや報道などは企画やテーマははザックリとあるものの、生物ですから撮影時何が起こるかは解りません。
撮影が先行して編集で面白くする場合もあります。

しかし、企業映像などは「目的」が明確です。
企業課題を解決するために作られる映像ですから、企画段階でのストーリーと構成を作り、そのためには何を撮影するのか、編集する際の色味などを考慮し、どのカメラを使いどのように撮影を行うのがベストか?編集には何が必要か?CGは必要か?など、全工程の概算見積もりを作る際にもとても重要です。

豊富な経験から来る知識が伴っているからこそ、出口の作品を明確に予測し、作業工程や予算アレンジなどが行えます。

概算見積もりと実際の請求額の振り幅が大きければ、制作会社の信頼、ディレクターの信頼を落とす事につながります。

上流工程を後工程で補う事は出来無い事を、肝に銘じて慎重に!企画を練ってください。

・目的を明確に
・映像で何を解決したいのか?
・視聴後にどのような行動を促したいのか?

映像制作は決して安いものではありません。
失敗しないためにも今一度、企画を深く考えてみてください。

煮詰まってしまったらプロにアドバイスをもらう事もお忘れなく!

経験値から導き出されるプロの解答が成功の鍵です。

それでは、今日はこの辺で・・・

つづく・・・
かも?


いいなと思ったら応援しよう!