金曜マガジン 写真で観る臥龍院①
名勝臥龍山荘庭園にあって、母屋の臥龍院は明治36年から建築を開始し同40年に完成した素晴らしい日本建築だ。2011年にミシュランの★1を獲得し、その後2016年7月25日に国の重要文化財に指定され(臥龍院・文庫・不老庵)た。
2021年10月11日には、臥龍山荘と蓬莱山(河川を含む)約6,700平方メートルが国の名勝に指定され、今日に至っている。かつては故黒川紀章氏がこの臥龍山荘の魅力に感動し自身の著書「花数寄」(伝統的建築美の再考/発行所=彰国社/1991年7月10日第一版)の中に当時撮影した写真も含めて詳しく述べられている。
臥龍山荘が、日本建築物としてその素晴らしさを内外から認められ、今日に至っていることは2000年初め頃から撮影を開始して情報発信に努めた私にとっても大変感慨深いこととなっている。それだけに次代に送り届けられるようその素晴らしさをこうして記していきたいと考えている。
そこで今週からは「写真で観る臥龍山荘の魅力」としてまずは「臥龍院」の写真から皆様にご覧いただきたい。その①とさせていただく今回は5月頃から9月にかけて撮影したものだ。
ご観覧及び撮影において注意すること
バックなど荷物の持ち込みは必要最小限に留めること。襖や障子に当たって破れたりした場合には高額の修繕費が発生するので注意が必要。
写真の撮影は三脚・フラッシュなどの使用はできませんが撮影される場合はカメラの位置を畳の上に正座した状態の目の高さにおき、垂直水平を維持して撮影するのがベスト。
ご観覧やご案内の際に心がけること
日本建築と茶の湯の世界です。座って愛でるのが基本ですしそのように作られています。例えば襖の開け閉めは座って両方の手を添えて行うのが基本です。なので私の撮影もこれらに従って座った状態での撮影をしています。
ご案内をされる際にも、臥龍山荘の本当の素晴らしさをお伝えされるならば必ず座った状態でのご案内やご説明をおすすめします。重要文化財であり国の名勝でもあります。こうした細かい気の使いようが臥龍山荘を含めて城下町大洲のブランド向上に繋がっていきます。
街づくり写真家 河野達郎
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