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前と後(あと)
色づく前のモミジを見かけた。八月の後半、少しだけ色が付き始めているが、まだ青々としている。しかしこれはこれで綺麗だと思う。
んん、なんというか。出番前の、まだメイクしていない女優さんのような。いわゆる「すっぴん」の状態。
色づいたときとはまた違う、強い生命力を感じる。
春の桜もそうだ。薄いピンクの花弁が美しいが、それが散り始めてから見える葉桜の方がなんとなく好きだ。
満開に咲いた着物を脱ぎ捨て、舞台はこれから始まるのだと言わんばかりに、青々とした葉を広げる。それはまた強い生命力を感じさせる。
色づく前のモミジ、派手に咲いて散った後の葉桜。
結局のところ自然は、いつ見ても美しいのだ。