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今も昔も、きっかけはフジテレビ?【今日の余録】

きょうの余録、世間は例の話題で持ちきりなのに、なぜか今年の大河ドラマ「べらぼう」の話から始まっていた。でも読み進めると、江戸時代の岡場所という非公認の遊郭から、巧みに現代の話題へとつないでいく。展開の妙に思わずうなってしまった。

例の話題は、そう。元SMAPのリーダー中居くんの引退にまで発展した騒動だ。正直、思うところはいろいろある。いろいろあるが……。裁判で示談が成立し、守秘義務もある。当事者の口から何か公表されることはなさそうだ。実際に何があったのか、真相が明らかになることは考えにくい。そう考えると、外部の人間がとやかく言うのは筋が違うのかなとも思う。

それでも気になるのは、フジテレビの対応の仕方と、まことしやかに噂されている悪しき慣習の存在だ。

湊社長は後の社員への公開説明会で、クローズドな会見は「失敗だった」と反省したという。しかし、だ。
社長にまで上り詰めた人間が、今の風潮をかんがみ、その選択がベストだなんて思っていたはずがない。元々「失敗」なのはわかっていたはずだ。それでも選んだのだから、オープンな場で対応できるだけの準備と心構えがなく、やむなくそうしたとしか考えられない。この選択をした時点で、社長としての気概はないように思える。闇営業問題で、時間無制限に会見を行った吉本興業岡本社長のほうが、何百倍もマシだ(批判は凄かったけど)。

また、女性アナウンサーをタレントに上納しているという噂話は、フジテレビに限ったものなのか。テレビ業界を中心に蔓延していた慣習だったりしないかが心配だ。よく週刊誌経由で流れてくる真偽不明の話が、実は本当だったのではと考えてしまう。週刊誌にリークする形でなければ被害が伝わらない状況が本当にあるなら、そんないびつな環境を作り上げた張本人は誰なんだと問い詰めたくなる。
この点もふくめ、真偽を明確にしなければテレビ業界自体が危うい。と、僕でさえ思ってしまう。

個人的には、SMAP解散騒動でテレビは一度死んだと思っている。解散騒動以降の『SMAP×SMAP』は異様な空気を漂わせ、お通夜のような最終回は今でも忘れられない。あのとき、テレビ業界に関わる人間たちへの不信感が、僕のなかで一気に拡がった。以来、テレビはほとんど見ていない。家に居ればテレビはつけっぱなしが常だったが、そんなことは一切なくなった。バラエティやドラマは、サブスクで見れれば、そっちで見る。ニュースもネットでいい。事実だけを捉え、自分自身で良し悪しを判断する。

と、テレビばかり攻める格好になったものの、不明点の多い情報がSNSで拡散され、それが正義への暴力とつながる今の構造も正直怖い。表に出せなかった被害を、公で訴えらえる環境になったのは良しとしても、行き過ぎた正義の行使は別の悲劇を生む可能性もある。

かつては12年連続で視聴率三冠王を取り続けていたフジテレビ。絶頂期だったころのキャッチコピーの一つが「きっかけは、フジテレビ」だ。今と過去の歪な仕組みを打破する「きっかけ」がフジテレビだったりして🙃


今日の余録と参考資料

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