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ファンを巻き込むサブスク活用マーケティングとは。【高橋明彦氏/第一期音楽マーケティングブートキャンプレポート vol.11】


第十一回は、LINE MUSIC株式会社 取締役COOの高橋明彦様を講師にお迎えし、「LINE MUSIC/サブスクのマーケティング活用事例」についてお話いただきました。

大まかな流れ
・LINE概略
・音楽市場概況(世界・日本)
・LINE MUSIC/サブスクについて
・ブレイク質問
・LINE MUSIC×実践マーケテイング事例
・アドバイス

〇LINE概略
LINEは、「CLOSING THE DISTANCE」:世界中の「人と人」「人と情報・サービス」との距離を縮めるというミッションを掲げ、日本国内の「生活インフラ」として定着しています。幅広いユーザーを持ち、ドメスティックなサービスであるLINEの活用の仕方は、マーケテイングにおいて一つの鍵となるとのことです。

〇音楽市場概況(世界・日本)
世界音楽市場の売上の62%ストリーミングであり、米国では80%を超えます。一方、国内音楽市場はデジタル化が遅れ、国内のストリーミング比率25~30%に留まっています。しかし、日本は世界第二位の音楽市場であるため、日本独自のデジタルマーケットを作っていく余地があると言います。

〇LINE MUSIC/サブスクについて
LINE MUSICは、他のサブスクリプションサービスと大きく異なるユーザー層に利用されています。一般的には、音楽にお金を払う余裕がある中高年がメインユーザーとなりがちです。しかし、LINE MUSICでは、ユーザーに占める若年層比率50%を超えるため、Tiktok・YouTube・TVでバズった曲がランキングに反映されやすいという特性を持ちます。そのため、「最も音楽トレンドの今が見えるアプリ」として、メディア・業界から注目されています。

LINE MUSICの課金ユーザー数は240万人を超え、LINEユーザー数は、8100万人に及びます。このことからも、LINEをマーケティングの様々な入り口としてどう活用するかを考えていく必要があるとのことでした。

〇ブレイク質問
「日本と世界の音楽ユーザーのふるまいで、大きく異なる傾向は何か?」
高橋様の見解として、「音楽の趣味をシェアしないこと」が一つの違いだといいます。日常的に音楽をシェアするという文化がないために、国内では音楽が広がりにくい現状があるといいます。

2015年、LINE MUSICでは「音楽をLINEしよう」というコンセプトを掲げていました。
友達の聴いている楽曲を匿名状態で独自のランキングにしたFriends Choiceや、着うた・待ち歌機能などを追加しました。また、プロフィールのBGM機能1200万人使用しており、LINE MUSICの成長の入り口となったといいます。

〇LINE MUSIC×実践マーケテイング事例
エンタメ・デジタルマーケティングをする際には、拡散(露出と認知)エンゲージ(ファンダムを作る)という二つに軸を考えなければなりません。
また、常にPDCAを回してデータを可視化することが、非常に大切だといいます。デジタルプラットフォームで働く場合、周囲を巻き込む必要があり、データを説得できる要素として用いる必要があるといいます。
常に施策の目的を明らかにし、データという根拠を基に物事を進めていく重要性を強調されていました。

【サブスク活用マーケティング事例】
セルフプロモーションに活用できるHow toとしては、プロフィールBGMがあります。アーティストがユーザー側のアクションを促し、ファンを巻き込んだ訴求効果が狙えます。リアルタイムランキングへの反映によって、ファンのバイラルを喚起することも期待できます。

例えば、自分のファンに対して、指定したアプローチを依頼し、メリハリをつけたアクションを起こしてもらいます。すると、一時的にも楽曲のランキングがアップし、ランキング好きのユーザーからの新たな導入が見込めます。つまり、コアなファンの密度、熱量をあげることで、大きな波を創り出すことが大切になっているといいます。

また、ファンにとって手の届きやすい目標設定をすることもポイントです。皆で力を合わせなら目指せる目標だからこそ、モチベーションを持って行動を起こしてもらえるといいます。
そして、時間軸ごとに詳細なマーケティングプランを作り、データに沿って、柔軟に変容させていくことも重要だといいます。

高橋様は音楽が流行るとは、レゾナンス=共感ではないかと考えているそうです。最近では、一つのプラットフォームで火がつくと、違うユーザー層がいる別のプラットフォームでまたその楽曲を聴くという流れがあるといいます。それぞれの独自のユーザー層が響きあい、連鎖することで大きくなるため、どこのプラットフォームで火をつけたいかを考慮することも重要なのではないかとおっしゃっていました。

〇アドバイス
最後に、「相手にどんな気持ちになってもらいたいのか?」を自分に問いかけてほしいというアドバイスをいただきました。相手の立場になって見直すことで、気づく点も多々あるため、この意識を持ち続けてほしいとのことです。

〇次回予告
次回10月17日は、Gerbera Music Agency合同会社 代表社員 金野 和磨氏を講師にお迎えし、「広告施策と戦略の立て方/有料広告の打ち方とポイント」についてお話いただきます。

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