日本の音楽業界を救う人材になるために【第一期音楽マーケティングブートキャンプレポート vol.5】
8月22日
第五回は、Wano株式会社 TuneCore Japan K. K. 代表取締役の野田威一郎氏を講師にお招きし、「デジタルPRの基本」についてお話しいただきました。
誰よりも日本の音楽業界デジタル化に力を入れてきたと話す野田氏は、現在の日本の音楽業界が至った文脈部分を伝えたいとのことでした。
大まかな流れ
・TuneCoreについて
・日本の音楽業界の変遷
〇TuneCoreについて
「あなたの音楽を世界に-ALL For Independence-」というTuneCoreのビジョンについてお話いただきました。あらゆるアーティストが、個人でも音楽を発信できる世の中にしたいという思いが込められているそうです。
「世界の音楽チャートに日本を」
最終的には、日本のインディペンデントアーティストの楽曲を世界に届け、日本人アーティストが当たり前にグローバルチャートにランクインする未来を創っていきたいとのことでした。この強い思いを持って、野田氏は9年前から走り続けているといいます。
続いて、TuneCoreについて簡単にご説明頂きました。TuneCoreとは、誰でも簡単に使える音楽の流通サービスです。
1.収益100%還元
2.権利譲渡いらず
3.シンプルな料金プラン
4.簡単・最速
上記のような特徴を持ち、世界185国以上の配信ストアで配信しています。
また、流通だけでなく、配信した楽曲を収益化するためのサポートも行っています。
また、実践的なプロモーションに役立つ機能をご紹介いただきました。
Link Core:短縮URL&アナリティクス機能
Submit:展開資料アップロード機能
Split:収益の自動配分機能
Lyric:歌詞の配信
チャートイン:ピックアップ情報の通知機能
このような高い機能性も、TuneCoreの強みの一つだとおっしゃっていました。
〇日本の音楽業界の変遷
まず、2012年から2020年までを音楽チャートを基に振り返りました。
驚くべき事実として、アイドル、LDH、K-POP以外で、この期間の年間CD売上げのTOP50にチャートインしたアーティストは18組しかいないということです。
これは、変化の少ない日本の音楽業界の実態を顕著に表しているといいます。
2012年~2014年
「誰でもすぐにの革命」
・今までは思い立ってもマネージメント・レーベルに所属しない限り、主要な配信事業者に配信できなかったが、誰でも配信が可能に。
→デジタル配信の未来を啓蒙。ただ、この仕組み自体を知っている人は少なく、なかなか日の目を見なかった。
2015年~2017年
この時期に、ストリーミングサービスが一気に出てきたといいます。聞き放題サービスのユーザーも徐々に増え始め、少しずつオンラインにシフトし始めた時期だといいます。
「権利は自分のもの革命」
・作詞、作曲をし、録音して製作することで、権利は自分にあるということを認知し始める。
・ストリーミング配信の未来を啓蒙し、権利の所在を明らかにした
2018年~2020年
まさにストリーミングの成長期であり、ストリーミングからヒットが生まれるようになってきたといいます。
「ストリーミング収益もちゃんと革命」
・デジタル音楽の復興、環境の変化もあり、音楽ストリーミングの収益でも自活できる、
儲かるアーティストが認知され始めた。
・世界時配信も再度、啓蒙し始めた。
この数年のデジタル化によって、“ユーザーが知って、聴いて、アーティストにお金として還元される”というエコシステムが成立したとのことです。
〇まとめ
1.インディペンデントシフト:メジャーから民主化(権利所属)
2. デジタルシフト:フィジカル(CD)からストリーミングになると啓蒙し続けた
3. 海外シフト:市場の拡大(これから一層注力していく部分でもある)
ストリーミングがなかった時代から、TuneCoreはこのような行動を起こしてきました。
受講生に対しても、この講座で学んだことを、実際に行動に移すことを大切にしてほしいとのことです。
そして今、インディペンデントアーティストの活躍が今までにないほどの規模感で起き始めており、これからインディペンデント革命がはじまるとのことです。
〇次回予告
次回9月5日は、Merlin Japan株式会社 General Managerの野本晶様を講師にお招きし、「サブスクリプションの攻略法-デジタルリリース前にやるべきこと-」についてお話しいただきます。